ダイソーの「加速度計」

神奈川県立湘南台高等学校 山本明利

 振り子を使って水平方向の加速度を測定するアイディアは古くからあります。振り子が鉛直となす角度から、重力とのタンジェント比により加速度水平成分を算出するものです。YPC(横浜物理サークル)の鈴木健夫さんは、3.5インチフロッピーケース内にコインをおもりにした振り子をつるす方法で、小型で携帯しやすい加速度計を作り、教材化しました。これを千葉県の鈴木清史さんが改良したものが、高等学校用教科書「新編・物理IB」(東京書籍)に紹介されています。
 これらのアイディアを基に、100円ショップで手に入る素材で、簡単に作れる体裁のよい加速度計を開発しましたのでおためしください。

 100円ショップ「ダイソー」が2001年から販売している「傾斜角度測定器」です。振り子式の針が自由に回転できる構造で、指針の先が常に鉛直上方を指します。これに加速度計用目盛板を貼り付けるだけで、左のような立派な加速度計ができあがります。

 目盛板は下のリンクから型紙ファイルをダウンロードし、OHP用透明シートに印刷またはコピーして作ります。OHP用透明シートはインクジェットプリンタ用のものや、レーザープリンタやコピー機に使えるPPC用のものが市販されています。使用する機器に合ったものを選び、A4サイズのものをお求めください。
 サイズに合わせて印刷またはコピーしたものを円に沿って切り抜き、透明両面テープ(Scotch)で「傾斜角度測定器」の上に貼り付けます。これだけでできあがりです。

 もともと磁石がついているので、台車などに簡単にとりつけられます。電車や自動車などの窓辺にとりつけて加速度を測定しましょう。ただし、原理的に水平方向の加速度成分しか測れませんので、エレベータなど鉛直に動くものの測定は不可能です。
 遊園地のメリーゴーラウンドやコーヒーカップで遠心力(水平方向のみ)を測定するのにも使えます。

型紙ファイルのダウンロード(2種類からお選びください)

PDFファイルkasoku.pdf(33KB) (Adobe AcrobatReaderが必要です。余白を設けず、同寸で印刷してください。)

GIFファイルkasoku.gif(73KB) (画像として表示できます。適宜拡大縮小して、サイズを合わせてお使いください。)


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