2003年9月27日(土)愛知工業高校での例会の記録です。

 9月26日にマグニチュード8.0の’03年十勝沖地震が起こりました。あらためて地震国日本を感じさ
せられました。この地方も東海地震がいつ起こっても不思議はありません。
 自然の災害を止めることはできませんが、発生を予知し準備し、被害を最小限にとどめることは可能
です。そのためには地道な観測や研究を続けることが必要です。
 自然に対して、科学的な姿勢で臨む市民が増えていくことが大切ですね。

 今回から、例会の開催場所が愛知工業高校になりました。
 この学校は歴史のある学校で、物理室にも数多くの歴史的な(?)実験道具がたくさんあります。
備品のマークはすでになくなった戦争前の物品もあります。歴史の重みで廃棄できなかったのかも
しれません。
 温故知新といいます。古い実験機器の中には、私たちの知らない物もあるかもしれません。
これからも紹介していきます。

サイレンと思われます。

回転数が機械的に目盛りで表示されるようです。

 

台のプレートの表記が右から左でした。
 つまり、戦前に作られたものということがわかります。

音でろうそくを消す
(前田さん)
 2枚の放物面を使って焦点にあるろうそくの炎を消します。
 片方の放物面の焦点で、競技用の雷管を鳴らします。
 使ったのは0.07gの最も火薬量の多いもの。
 約2m離れた反対側の放物面の前にはろうそくを並べておきます。炎の
芯が焦点にくるように調節しておきます。
 パン!。
 雷管を鳴らすと焦点のろうそくの炎だけが見事に消えます。

 焦点のろうそくの炎だけが消えました。

しゃわしゃわ
(前田さん)
 名前が不確かですが、このようなおもちゃが販売されていました。
 大きな輪を回転させる仕事で、大きな輪に通っている小さな輪を回し続けるというもの。
 太い針金を丸くし、接合部は断面に穴をあけてピアノ線を通してあるとのこと。
 回しはじめと回し続けるところにやや熟練(?)が必要・・・・・。
何事も練習が肝心。
熟練を目指して励む二人。

3Dソフトいろいろ
(船橋さん)
 3Dのソフトをいろいろ紹介してくれました。

 まず、コンピュータを利用して分子の立体画像を見るもの。ブルーバックスの付録になっているようです。
高校化学で出てくる物質はほとんど入っているとのことですから、手軽に分子模型が見られます。分子を回転させたり、立体視もできます。
 
 次に、地質図表示プログラム。
 日本の地域を選んで、地形図や地質図を表示させるものです。
 写真は濃尾平野を表示させたものです。残念ながら都市部の地質は出ていません。

 地学の授業が行われていない学校が多いと聞いていますが、こういうソフトを使って足元の自然について見てみるだけでも得ることが多いという気がします。

図はメタンの分子模型図

弾むシャボン玉
(船橋さん)
 埼玉の藤田さんが開発した弾むシャボン玉の紹介です。
 素手の上ではすぐはじけてしまいますが、手袋では手毬のように弾みます。しばらくの間形を保っています。
 酸素水素の爆鳴気などでこのシャボンを作れば、ゆっくり燃焼実験ができるかも・・・・。   
 

手袋の上で弾むシャボン

富士山頂の空気
(川田さん)
 この夏、富士山に登ったときひらめいたそうです。
山頂の空気をペットボトルに入れ、栓を硬く締め、それを下界へ持っていくと、ボトルは外圧でへこむだろう・・・。
 見事にへこんでいます。
 計算では1.5リットルの富士山頂の空気が地上では約1.0リットルになります。
 調べてみると1.0よりやや多いそうです。容器の弾性があるせいでしょう。
 機会があれば、キリマンジャロの山頂の空気も採取してきたいとのこと。若いですね・・・

手作り水銀気圧計
(川田さん)
 内径1mmのガラス管に水銀をいれると、もうそれだけで気圧計。
 絶対値が必要なら目盛りの校正は必要ですが、相対値なら等間隔でOK。
 
 1mmの穴に細いピアノ線を入れ、紙で作った漏斗ですこしづつ水銀を中にいれます。水銀がピアノ線を伝って内部へ入っていきます。
 上手に入れると、管をひっくり返しても大丈夫。
 

ヘロンの噴水
(川田さん)
 ペットボトルで作ったヘロンの噴水です。勢いよく噴水を吹き上げるには高さが必要ですが、持ち運びには不便になります。ほどほどのところを見極めるのが難しい・・・・。


揚力の発生
(林さん、臼井さん)
 右のように、台車に缶を固定し、ブロワで前のほうを吹いてやると、台車はどうなりますか。
 このページを見ている方ならお分かりでしょうが、台車は左へ動きます。
 
 問題は、どうして左へ動くのかを説明することです。

 飛行機の翼に生じる揚力の説明が、ベルヌーイの法則で説明されたり、コアンダ効果で説明されたりしています。文献でも様々です。
 、それぞれの法則や効果の適用限界がはっきりしないので、どういう説明が一番正しいのかわかりません。
 論争は続きそうです。
 
 激しく(?)やりあう2人。

テスラコイル
(林さん)
 下図のような回路で、2次コイルの両端に15万Vの770kHzの高周波交流電圧が発生します。
 放電により1次コイルとコンデンサの共振回路ができ、2次コイルに誘導電圧が発生するという仕組み。
 電球や蛍光灯を近づけると放電し発光します。電流が小さいので感電の危険は小さい(!)とのことですが、何となく恐ろしく感じるのは本能のせい?。
 でも暗闇での放電は、妖しく美しい・・・・・。



  電極から放電し発光する電球
装置全景
  離れた蛍光灯も点灯
スライダックとネオントランス 高耐圧ダイオード 高耐圧コンデンサ        放電!

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