2004年10月16日の例会の記録の第2ページです


どこまで大きな豆腐が作れるか?
(飯田さん)
 豆腐の上に重りを置いて、豆腐がどこまでつぶれずに耐えられるかを調べました。
 豆腐の質量は214g、体積は150cm^3。 つまり密度約1.4g/cm^3
 豆腐がつぶれたときの水の重さを測ると、1800g。豆腐の底面(30cm^2)での圧力を計算すると約67g重/cm^2。
 これから、豆腐だけで塊を作ったとすると、約48cmで底面の圧力がつぶれる値になることがわかります。
 つまり48cmより高い豆腐の塊は作れない・・・・・。
(豆腐の種類、出来方、水から出してからの時間などでこの値は変動します。)

このように、物には大きくなれる限度があるのです。

 豆腐の上に水の重りをおきます。

  つぶれた豆腐です。
 コンクリートの密度は2.4g/cm^3。コンクリートの圧縮破壊強度は200〜400kg重/cm^2。
 ここからコンクリートで作るビルの大きさは0.8km〜1.3kmまでが限度であることが出てきます。
 
 このような議論で、最大の山の高さは37km、星が丸くなるための最小の大きさは200km、惑星の最大の大きさは地球型が10^7m、木星型は10^8m・・・・
 いろいろなものの大きさの限度がわかってきます。
 ただ、数値がだんだん怪しくなっていくような気がしてきますが・・・・・・・・。

 こういう視点からの授業も面白いかもしれませんね。

風船ポンプでラップ破裂
(児島さん)
 容器の空気を抜いてラップを破裂させる実験がありましたが(2003年11月29日の舟橋さんの「5分で作れる真空ポンプ」参照)児島さんは容器をポンプにくっつけてしまいました。
 持ち運びも便利です。
 ポンプで空気を抜くとラップがすごい音を立てて破裂します。

 これだけで、寝ている生徒は目を覚ます・・・・・・・。
ラップをはってゴムで周りをおさえます。
空気を抜くとラップがへこんでいって・・・
パン!。








容器のふたを使えば、簡単なマグデブルグの装置。簡単には離れません。
つくり方は、風船ポンプに輪ゴムをつけ、容器にビニールで作った真空弁をつけ接着です。(2003年11月29日の児島さんの「何でも真空弁と風船ポンプ」参照)
 簡単にできそうですね。

音速の測定
(鈴木さん)
 ビデオで花火の映像をとり、破裂の瞬間から音が再生されるまでの時間を調べます。
 地図などで直線距離を求め、この距離を上の時間で割って音速を求める、という方法が本に記載されているそうですが、これでは正確な値が出ないですね。
 実際にやってみると、高い位置で破裂する花火(大きな花火)と低い位置で破裂する花火では、上の時間が異なっているとのこと。
 実際に音が進むのは斜めですから、高さが違えば距離はちがいますから当然といえば当然ですね。
 何でもきちんと調べてみると新しい発見がありますね。

10円玉はどのように浮く?
(鈴木さん)
 容器の底の10円玉。見えない位置でも、容器に水を入れると見えてくる、というのは屈折現象の良く知られた話ですね。
 このとき、目を矢印の方向に移動していくと、見えている10円玉はどのように浮き上がっていくだろうか、という質問です。

 作図ではできそうですが、それを確認する実験を考えよ、といわれるとなかなかうまいアイデアが浮かびません。
 
 身近なところに興味深いテーマがたくさんありますね。

ラヴァランプ
(山本さん)
 怪しい科学者の実験ガイド、なんとも怪しい題の本ですが、中身はまとも。
 その中にあったラヴァランプをつくりました。
 鉱物油とイソプロピルアルコール+水を、ほぼ同じ密度にしてペットボトルにいれて、下から電球で暖めると、液が対流しだします。
 市販のものがあるそうですが、大きな塊になったり小さな塊のまま動いたり、これも見ていてあきません。

 部屋を暗くして電球を当てると山本さんが怪しい人に見えてきます・・・・・・。

 

インドの楽器アルガイタ
(山本さん)
 リコーダーにラッパをつけたようなインドの楽器、アルガイタを紹介してくれました。
 東急ハンズに工作キットとして販売されているそうです。
 吹くとなかなか味のある音色です。蛇使いにふさわしい音(?)です。
 尺八にラッパをつけてみたら、という声も出ました。
 山本さんは尺八の名演奏者です。
 いろんな管楽器にラッパ部分をつけてみると音色が変わって面白いかもしれません。

 しかし、気になる名前ですね。
 飛行機の中でアルガイタ、アルガイタといっていたら、アルカイダの仲間と思われてしまうかも・・・・・・。
 
 

放電による電流はどうなる
(山岡さん)
 ステンレス板とタングステン線を使った小型放電装置です。放射線のα線が線と板の間を通ると、電離作用により放電するので、α線が出ているかどうかがわかります。(この装置は良く知られたものです)

 放電が起こるとき、電流はどうなるでしょう。
 ちょっと考えると放電するのだから、放電時に電流が増えそうです。
 しかし、電流計を入れて測ると放電時に電流計の針は減ります。
 上が放電していないとき。下が放電したとき。 
                                             
放電!
 林さんから次のような答えが出されました。
 放電していないときでも電流が流れているのは、高抵抗がつながっていると考えてよい。放電すると電源の電圧が急に下がるから、高抵抗を通る電流は減るのだ。(電源の電圧が戻ると電流値は元に戻る)
 ウーン。なるほど。

手作り気圧計
(伊藤さん)
 「たのしい気象の実験室」にある手作り気圧計を作りました。

 気圧が変化すると、容器内の空気が圧縮されます。
 ΔP・ΔX=一定(気温一定)
 ΔP・Δh・S=一定
  この場合のΔPは低気圧の通過などで、10hPa程度だとして、1気圧の約100分の1の変化となります。つまり、容器内の空気の層の高さが3cmとすると、Δhは0.3mm程度の微少な変化となります。そこで、それを増幅するのが、上のストローのはたらきです。

 容器内の空気が圧縮されて浮力を失うと、ストロー内の内の空気の高さ(矢印で
 示す)が長くなって、浮力を大きくして、つり合うところで静止します。
  容器とストローの直径比は15分の1程度なので、4.5mmは変化することになります。実際には、水圧があるのでもっと変化は大きく 1cm以上の変化が確認できたそうです。

 台風22号の通過の際にこの装置で気圧変化を調べたところ、気圧計の値とよく一致する結果を得たそうです。

 装置の工夫で細かい測定もできるのですね。

 (ただし水の温度変化に注意しなければなりません。大量の水の中で測定するのが良いようです。)

 

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