風船の質量(林 煕さん)の追加内容です

 風船を直径約1.4mまで膨らませてあります。この風船の質量を求めるためにはどんなことをすればよいのでしょうか。

 名古屋大学の理学部物理学科の生徒の実験テーマとしても出題したそうです。 
 大学生でも悩む問題です。

 ○風船を上から落下させて、地上に到達する時間を測定するグループ。
   空気抵抗の利用?
 ○遠心力を用いることを考えたグループ。
   風船に紐をつけて、端にはかりをつけてぐるぐる回して遠心力を測るとい
   う方法
 ○滑車方式を用いることを考えたグループ。
   高窓の手すりを使って滑車とし、錘とつないで、ある距離風船が上昇する
   時間を調べて求めるという方法(アトウッドの方法) 
 ○衝突を用いることを考えたグループ
   衝突後の運動が、衝突物体の質量の違いにより異なることを利用。

 いろいろな方法を考えることが大事ですね。

 林さんは衝突による測定を提案。
 風船をつるして。質量約600gのバスケットボールをぶつけると、バスケットボールは跳ね返ってきます。このことからバスケットボールの質量は風船の質量より小さいことがわかります。
 次に、約1kgのおもりをタオルで巻いて、風船にぶつけてやります。
 今度は衝突後おもりは真下に落下します。
 等質量の衝突では速度交換が起こりますから、風船の質量はおもりの質量とほぼ同じということになります。
空気の密度をほぼ1.2kg/m^3とすると、直径1.4mの風船の内部の空気の質量は約1.7kg、ゴムを入れると全体で約1.8kg
(ちょっと多いな・・・・)

 
 質量を測るというと。すぐ重さを測ることを考えますが、こんな方法でも測ることができるのですね。

 物理サークルの答えとしては、長いゴム糸で風船を引き、短い距離で等加速度運動をさせ、加速度を求め、ゴムの張力と加速度から風船の質量を求めるのがいいのでは、という意見になりました。