2009年5月23日(土)の例会の記録の第3ページです


 懸垂線とアーチのデザイン (井階さん  
 懸垂線は、線密度一様なやわらかいロープや鎖などを2点で支えたときにできる曲線です。鎖の長さを変えてもできる曲線は懸垂線になります。

 では、2点間の距離を40cmとして、最下点までの距離が20cmのとき鎖の長さはどれだけ必要でしょうか。 鎖の長さを与えたとき、どんな懸垂線になるのでしょうか。
 最下点までの距離が30cmのときは鎖の長さはどれだけ必要でしょうか。
 
 悩ましい問題を考えていて、気づきました。
 懸垂線の式
  

  *  のとき、yは1.543となります。

 任意の懸垂線、アーチを作るには、 のグラフの一部を切り出し、拡大縮小すればよいと思いつきました。
 エクセルで計算して当てはめてみると、最下点までの距離が20cmのとき鎖の長さは59.4cm、最下点までの距離が30cmのときは鎖の長さは76.6cmになりました。
 実際やってみるとぴったりでした。
 懸垂線を拡大コピーして型紙を作り、発砲断熱材を切り出して断面にサンドペーパーを貼り、写真のようなアーチを作りました。                  
 材質の軽さによるのか、上からの荷重を増すと、ブロックが動いて安定しません。
 両サイドの固定が重要ではないかとの指摘がありましたが、安定なアーチも、いざ作るとなると簡単ではありません。
 古代の建築家たちの知恵と技術に、いまさらながら驚かされます。

 ゴーストバンク (伊藤さん  
 おもちゃ屋さんで見つけたゴーストバンク。
 お金を入れると、入れたはずのお金が正面に見えます。見えてるお金に触ろうとすると、あら不思議、触れません。
 右下の紫色のレバーを下に押すとお金が消えます。(ゴースト銀行に預金!)
 
 もうお分かりですね。凹面鏡を利用した実像が見えているのでしょう。(分解してませんが、まず確かでしょう)
 子供は不思議に思うでしょうね。こんなおもちゃでも科学入門の道具になりえるのですね。

 カミカラ (伊藤さん  
 面白い本の紹介です。

 タイトル:紙のからくり「カミカラ」
 著者:中村開己(なかむら はるき)
 定価:1995円(税込)
 発行:株式会社ローカス

 本と輪ゴムでいろいろな作品が作れます。
 そのなかのペンギンを見せてくれました。

 上から押すとつぶれます。
 裏側のフックをかけて、平たいペンギンを水平にして落としてやると、なんと立体ペンギンが出現します。
 これはびっくり。
 型を拡大して大型の作品を作ったら衝撃(笑劇?)がありそう・・・。 
 
 封筒に入っている1枚の紙を取り出してもらうと・・・・・

 さめに噛み付かれました!。

  エアーガンによるモンキーハンティング 伊藤さん  
 エアーガンを使って何かできないか、というテーマを科学部の生徒に与えたところ、すばらしい作品を作り上げました。
 モンキーハンティングのニューバージョンです。

 エアーガンといってもおもちゃで、吸盤のついた軽い弾を打ち出すものです。
 弾にアルミ箔を巻き、ガン本体のアルミと導通を保っておきます。この導通ラインはラジコンカーの送信機につながっています。
 標的上部の電磁石には受信機がつながっています。

 弾を発射する前は送信し続けており、コイルに電流が流れ電磁石ONになっています。
  弾を発射すると、送信が途絶え、電磁石はOFFになる仕掛けです。
 発射装置(ガン)を自由に移動させられるのがいいですね。
 

 標的を電磁石にくっつけて(もちろん上部に鉄板がはってあります)弾を発射!
 狙いは慎重に。
 見事命中!
 弾が軽いので、空気抵抗の分を考慮して狙う必要がありますが、慣れてくれば百発百中。
 何より楽しい。狙った方向よりかなり下のほうで当たることに不思議さを感じれば、もう科学の世界に入り込んだことになります。
 誰もがやってみたくなる(実際そうでした)楽しい実験になっています。
 向陽高校の科学部の生徒さん、ありがとう。

 Scanimation Book (成相さん  
 名古屋市美術館の「視覚の魔術−だまし絵」展(6月7日まで)に行ってきました。
 そこで販売されていた面白い本を買いました。

 スキャニメーションというのでしょうか、本を開くと、馬や人が動き出します。
 影絵がアニメーションになったという感じ。シンプルでなぜか懐かしい・・・。

 本を開くと、黒−透明の縞になっているスクリーンの内部で紙が動きます。
このため、紙に印刷されている絵の見え方が変化して動きを感じさせています。




                             

 渦の錯視 (成相さん  
 回転する渦をしばらく見つめた後、右の静止画を見ると、絵が歪んでいるように感じられます。
 人によって効果の大きさは違うようです。
 年をとると鈍くなるのかな・・・。
<参考> http://www2.hamajima.co.jp/ikiikiwakuwaku/record/r_2000_12_09/newpage.htm ジュリーアンドラスの回転盤


 手作り木琴 (川田さん  
 ヒノキの丸棒で木琴を作りました。
 棒の長さは、振動数の平方根に反比例します。
      
 各棒の横振動の振動の節に当たるところに紐を通して吊るしています。たたくといい音が響きます。

 微妙な音程の調整は、端をけずったり、端におもり(糸など)をつけたりして行います。
 棒の中央部を削るという方法もあります。音は高くなる、それとも低くなる。 どちらだと思いますか。?

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