2011年12月3日の例会記録の第4ページです


 本の紹介 (鈴木さん  
 子供向けの本ですが、「小さな小さなせかい」には、ヒトから原子・クォーク・量子宇宙まできっちり書いてあり、「大きな大きなせかい」には、ヒトから惑星・銀河・宇宙まできちんと説明しています。
 大人でも役立つ知識がいっぱいです。
  

小さな小さなせかい:加古里子
  偕成社 ¥2,100 (税込)

大きな大きなせかい:加古里子
  偕成社 ¥2,100 (税込)

 X線と霧箱 (林さん  
 高性能霧箱でいろいろなものの放射線を測ってみると、私たちの周りには放射線を出しているものがかなりあるということがわかります。宇宙線を含めて、これらの放射線を自然放射線といっているわけです。

 下の写真は林さんの霧箱で見たホームセンターで購入した肥料からの放射線です。放射性元素までは特定できませんが、カリ肥料ならカリウム40からのβ線の可能性が高いですね。

 減塩に使われるカリウム塩にも、一定の割合でカリウム40が含まれています。だから、鋭敏な検出器なら、ここからも放射線が出ていることを確認できます。
  霧箱で、この塩から放射線が出ていることを確認できます。

 クルックス管と高電圧用の誘導コイルです。
 古いクルックス管のガラスは、発生したX線をほとんど遮蔽せず通します。(最新のクルックス管はX線対策を施しているようです。)
 このX線で、煮干のX線写真を撮りました。
 (原子核乾板(OPERA実験用フィルム)使用、クルックス管距離1m、露出時間25分。スキャナー・ポジ像)
 骨までくっきり写っています。
 このクルックス管からのX線を霧箱に当てると、霧箱全体が白くにごります。
 X線の入射によって、アルコール分子や窒素分子、酸素分子が電離するために白くにごると推測されます。
 
 今年の科学の祭典の会場で偶然発見したそうです。
 本当に、物事はやってみなければわからないことがあるのですね。
 
 
  霧箱全体が瞬間的に白くにごります。

 鉛の板で遮蔽してみると、濁りが大きく減少します。鉛はX線の遮蔽に確かに有効です。
   鉛の板で霧箱全体を遮蔽します。   X線を当てても濁りはほんのわずかです。
 鉛の板を筒状にして霧箱の前に立てると、筒の真後ろは濁りが出ずに、周りは強くにごります。
 見えないX線が見えるような気がします。

 霧箱はX線の観測にも威力を発揮することがわかりました。と同時に、クルックス管からはかなりのX線が出ていることも改めて知ることに成りました。生徒実験には注意が必要ですね。
 
 

 放射線の測定限界 (井階さん  
 右は、カルノー石を霧箱内に置いた時の写真です。
 カルノー石は主なウラン鉱石のひとつであり、盛んにα線を出している様子がみえます。
 
 放射性元素が何であるかを調べるには、半導体検出器が持ちられますが、性能が高ければ、バックグラウンドの放射線まで測定するため、測定対象の物質からの放射線かどうか見極めるには、長い測定時間が必要になります。短時間で測れるというのは、かなりアバウトな測定をしているということになります。

 食品等に含まれる放射性物質を、きちんと同定、定量測定するには、多くの時間と多額の費用がかかります。
 
 そんな事実を踏まえて、放射線に対してどのような安全対策をとるのかを、私たちも学ぶ必要があります。
 岩波の「科学」の11月号のチェルノブイリの教えの記事には多くを学びました。
 マスコミ等で流される情報のみを参考にしていると危うい。
 低線量の被曝については、チェルノブイリの事実を参考にする以外にないのだから、マスコミはもっと謙虚に事実を伝える義務があるのではないかと思います。 
 
 別件の話題を2つ。
 デジタルテレビも安くなって、消耗品として買えるようになりました。プロジェクタの設置時間や暗幕の必要性など考えると、安価なディスプレイで動画や写真を表示することも、これからの授業では考えてもいいのではないでしょうか。
  
 最近、植物の種をまいても芽が出ない、という声を聞きます。この本を読んで納得しました。
 身近な植物までコントロールされている恐ろしさを知る必要があると思います。

 タネが危ない:野口勲 
 日本経済新聞出版社  (B6) 価格:1,680円(本体:1,600円+税)
 

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