2014年12月13日の記録の第2ページです


 テスラコイルで音楽再生2 (臼井さん  

 前田さんの呼びかけのもと、製作したテスラコイルでの音楽再生装置の応用例を紹介してくれました。

 まず、電源部にはパソコンの電源と三端子レギュレータを利用し、コンパクトで安価にしました。

 音楽を再生しようと試みましたが残念ながら一瞬だけ音楽が聞こえただけに終わりました。微妙な調整が必要な装置ですので、臼井さんは調整を繰り返しましたが、なんと回路に断線が見つかり、残念無念でした。  
 装置をコンパクトに収められました。
 他にも、この回路2次コイルを除き、LC回路を作ると、ディップメーターを使って共振周波数が測定できます。  
 共振周波数を調べています。

 自作!はく検電器 (臼井さん  

 前回、林煕さんが紹介したお店でアルミ箔を大量購入し、はく検電器を自作しました。
 容器はガラスがベストですが、安価に多く作るため、プラスチックも検討してみました。

 伊藤昇さん監修のもと、EHCで作ったクーロンメーターを使い、はく検電器を帯電させたとき絶縁できているかどうかを調べました。
 予想通り、プラスチックの方が帯電しやすいので絶縁するのには難がありますが、それなりに使うことができそうです。
 市販品は高価ですし、箔が取れた際も修理できる自作は魅力です。

 フィリピン物理学会参加報告 (山岡さん 
 愛知物理サークルは、『自分の実験で貢献ができるなら出費は惜しまない』という国際交流に積極的なメンバーが多く、約30年にも歴史を持ちます。

 今年10月には、藤田さんの呼びかけで、山岡さんをはじめ、林煕さん、石川さん、山本さん、それに勤務先のパプアニューギニアから訪れた杉本さんの6名が、フィリピンのマニラで行われた物理学会に参加してきました。
 学会の受付の様子です。藤田さん、杉本さんの姿があります。
 学会では、通称「STRAY CATS」こと愛知物理サークルの発表の会場は立派なホールとなりました。

 藤田さんの「ロウソクの炎に高電圧をかける実験」、杉本さんの「コイル傘」、山岡さんの「引っ込み思案」等、おなじみのデモンストレーションを行いました。  
 立派な会場を用意して頂きました。
 参加者の反応はまずまずといったところで、大成功とはいかなかったそうです。

 それもそのはず、参加者は物理学会ということもあり、物理学の大学教授中心で、教育関係者は将来教員になる可能性のある現地の大学生だけだったそうで、温度差が生じたのも当然かもしれません。
 引っ込み思案のデモです。
 藤田さんの教え子であるラモス教授が世話役をしてくれたため、物理サークル面々は、恩師である「藤田先生御一行」として、夕食パーティーや市内観光、フェアウェルパーティー等、手厚い歓迎を受けました。
 中でも、飲酒禁止の大学構内でアルコールを振る舞ってもらったり、藤田さんの講演の裏で街に繰り出したり、変わらぬ傍若無人ぶりを発揮するも、快適な時間を過ごしたそうです。

 甘〜い甘〜い食事を除いては...
 何不自由ない時間を過ごせたのも、藤田さんの人望のおかげです。


 NHK「大科学実験」で音のレンズ(佐野さん  

 
 今後の放送予定に「音の特等席」という記載があります。『二酸化炭素をつめた風船を通った音は聞こえ方が変わる。このときの音の強さの分布を見てみる。』との予告です。

 実験監修はガリレオ工房です。

 「水のハイジャンプ」との題で、以前にサイフォンも扱っています。

 例会の記録をまめにチェックしてくれているのですかね。それなら、サークルに連絡くらいあってもいいので?とも思うのですが...

 何はともあれ、実験の詳細はまだ分かりませんが、結果が楽しみです。


 ひと手間加えたプラズマボールの実験 (佐野さん  
 ICPE2006でタイ人のジャンチャイに教えてもらったというプラズマ球を使った生徒参加型の実験です。

 プラズマ球は高電圧がかかっており、ネオン管や蛍光灯を近づければ、放電がおき、ランプが点灯し、手で触れると、電流が集まってくることが実感できる装置です。

 では、実験方法です。
 まず、手の平全体をプラズマボールを触ります。

 次に、もう片方の手にネオン管を持ち、写真のようにネオン管のもう片方の電極を2人目に持ってもらいます。

 同様に、3人目、4人目と加わっていき、つかなくなるまで続けます。
 雑貨屋さん等でも扱っているプラズマボールです。
 ここで皆、揃って片足を上げると、もう1人点くはずでしたが、条件により上手くいかないことも。

 そんなときは、皆椅子に座って、両足上げると大抵、点かなかった最後のネオン管が点きます。
 もちろん、絶縁体の上に乗っても同様の結果が得られます。

 回路に流れる電流の大きさをネオン管の明るさで判断できることから、地面(アース)に逃げる電流が減ったため、人に流れる電流が増えたと考えられそうですね。

 小中高校生問わず、この実験は大盛り上がりだそうです。
 参加すると面白さが倍増します。

 閉管楽器と開管楽器 (伊藤政さん  
 11月に行われた愛知県理科教育研究会の研究発表で東海南高校の森長宇内先生「デジタル教材を用いた音の授業」という題で発表されました。

 「WaveSpectra」という音のスペクトラムを表示できるソフトを使用し、様々な楽器が閉管か開管かを生徒に調べさせ、基本振動に対して、2倍音が大きく出ている場合は開管、3倍音が大きく出ている場合は閉管と捉えるさせると、人の声は開管振動であったという報告がありました。

 伊藤さんは、人の声を開管、閉管と区別することに違和感を感じるとともに、実際に様々な楽器でスペクトラムを調べてみました。
 様々な楽器の倍振動を調べました。
 まず、気柱の共鳴と物体が共鳴体となる場合の区別について、気柱共鳴の場合は長さや太さで音の高さが決まり、空気の圧力等にはよらないので、コカコーラのペットボトルを叩いたときに出る音は空気の量で音色が変化するので、気柱共鳴ではないと考えられるという説明でした。

 次に、様々な楽器を調べた結果が紹介されました。
 気柱共鳴とそのものの振動を区別しないと議論が混乱します。
   閉管楽器だとの記述も見られたクラリネットをラで吹いてみると、445Hz(2倍?)、701Hz(3倍?)、886Hz(4倍?)、1138Hz(5倍?)等にピークが見られました。
 また、興味深いことに、奇数倍の音は吹き始めのみで顕著になるだけで、安定して出たのは偶数倍のみです。
 閉管での気柱共鳴なら、基本振動に対して奇数倍の振動が起こるはずですが、実際に出ていない222Hzを基本音と考えていいのかという事も議論を残すところです。

 『偶数倍音が出るものが開管楽器、奇数倍音が出るものが閉管楽器』と無理やり分類した結果、どちらに属するか判断が難しいものもあるのかもしれませんね。
 楽器の「閉管、開管」は単純な気柱共鳴で説明がつきません。

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