2016年9月17日(土)明和高校での例会の記録です。


 手作り演示用レンズ (佐野さん)  

 三重県の四日市南高校の加藤英紀先生が試みた大型レンズを使った実験を紹介してくれました。

 レンズは、ユニットバスなどに使われるFRPの素材を使ったそう。
 ホームセンターなどでも入手可能な二液性ポリエステル樹脂にその硬化剤を加えるだけで製作できます。
 特有のにおいが発生すること、硬化時に長時間続く発熱があり、型をつくるのに素材を考える必要があることから、自由に使える部屋を2〜3日確保するのが賢明です。
 安価に型を作るため、100円ショップで手に入るポリプロピレン製のPP樹脂ボードを切り、隙間ができないようにホットボンドでしっかり空間を塞ぎます。
 また、熱での変形を見越し、型の開口部をセロハンテープ等で補強するといいです。

 より高い精度を実現するには耐水ペーパーで研磨し、最後はピカールで仕上げるといいそうですが、研磨なしでも実用可能です。
 下が欠けているのは落として割ったとのこと。
 これを使えば、マグネットシートを利用し、黒板にレンズを張り付けることで、像の作図を実証しながら、説明することができます。

 また、このレンズはレンズ中での光路も見やすいことが長所であり、屈折の実験などに利用価値があります。
 演示結果から、作図を完成させます。
 右の写真は、三重県の物理生徒実験書の問題に合わせて製作した直角三角形のレンズです。

 屈折や全反射を含む演習の正解をすぐ確認できるので、三重県の物理研修で製作会を行う予定だそうです。
 ほぼ理屈通りの結果が出ます。


 上向き吹き矢の改良 (岡田高明さん)  

 前回の上向きの吹き矢の問題点を解消して持ってきてくれました。

 改善点はストローの内径に対し吹き矢の矢を少し小さめにしたことです。

 前回は径が近すぎて、湿気で?飛ばなくなったのではとのことでした。


 今度は失敗なしでした!

 仕事量が2倍なら位置エネルギーが約2倍になることが簡単に示せそうです。
 仕事とエネルギーの量的関係の確認に最適です。


 電磁調理器  (前田さん  

 原理むき出しの電磁調理器を製作を目指した前田さん。

 コイルはいろいろ試した結果、電磁調理器を分解し本物を使用。

 
 コイルは本物の電磁調理器から。
 IH対応のフライパンを使って、目標としていた目玉焼きも右の写真のとおり、きれいに焼けました。

 美味しく、前田さんの口におさまり演示実験終了!

 心憎い演出です。    
 演示の効果も味も抜群!?


 宙に浮くコマの研究 (向陽高校科学部)  

 これまでは部の顧問である伊藤さんが代わりに発表していた向陽高校科学部の研究ですが、ついにクラブの生徒さんたちが参加してくれました。

 U−CASに興味を持った研究グループのメンバーは、U−CASが長時間浮遊する条件を明らかにし、高性能の浮遊ゴマを自作するという目的で研究を始めました。

 顧問の伊藤さんからはU−CASの分解はしないとの指導があったため、浮遊コマが浮く際の磁場の様子を、まずは鉄粉入りのペットボトルで調べました。
 初登場の向陽高校科学部の生徒さん達です。
 すると、磁石から外側に向かい輪っか状に磁場ができます。これが復元力を作っているのではないかという考察です。

 円形磁石を使うとコマは安定しないことから、リング型磁石と合わせに磁力線の様子を詳細に調べるため、テスラメーターや川田さんから提供を受けた磁気プローブを使って調べました。
 結果としては、円形磁石では磁石の中心付近で磁場が強すぎて磁石コマが回らなかったのではないかと思われます。  一方、リング型磁石は、以前にもサークルで話題になったように、内側と外側で磁力線が逆になることから中心付近での磁場が弱められたと考えられます。
 そのような理由で、円筒形のネオジウム磁石を円錐面を描くように複数を並べることで、この磁力線の状態に近づけることにしました。
 磁場の様子を探るために鉄粉入りペットボトルを使いました。
 ここでしばし、作り上げた作品の実演となりました。
 何度も練習を繰り返し、技を習得した部長さんがチャレンジ!

 緊張感からか思わぬ失敗でしたが、何度か挑戦し、見事浮遊しました。
 ほっとした表情が印象的でした。

 今後は、コマの回転を阻む要素を調べようと考え、空気抵抗がその理由ではないかと考えたメンバーは真空中でも実験を行い、空気との摩擦がなければ、2.4倍長く回ることも突き止めました。

 他にも渦電流の発生により、エネルギーロスがどれほど影響するかを調べる予定です。
 ついに成功!安堵の表情です。


 重力レンズを光学レンズでシュミレーション!? (明和高校SSH部)  

 明和高校SSH部の1つの研究課題は重力レンズと等価の光学レンズを実現するというものです。

 あぶら粘土で型を作り、レンズモデルを成形しました。

 レンズの作り方に関するアドバイスをもらうはずが、サークル常連は、発表者が高校生だろうがお構いなし。重力ポテンシャルを光学レンズにするのが可能かという疑問で口ぐちに喋っている状態。
 重力レンズを光学レンズに変換したものだそうです。
 サークルの洗礼を浴び、さぞかし、発表しづらかったでしょう。

 この試みは名古屋大学の教授からの課題だそうで、今後、堂々とした発表で皆を納得させることを期待しています。
 まだ、高校2年生のお二人。前途洋々です。


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