「ふしぎの花びら」

■20本のつのをもった「はりのやま」!

 正20面体は,その表面に正三角形が20枚集まってできています。それだけでも図形として面白いのですが,表面の正三角形につのをはやしてみましょう。20本のつのをもった「はりのやま」ができます(図1)。

■5本のつので,花びらが開いたり閉じたり

 図1の「はりのやま」の5本のはりを集めて,5本のはりの中心を中心としてすぼめてみましょう。なんと,つぼみのようにとじるでしょう。つぼみの真ん中をそっと開いてみると,5枚の花びらがはじけるように,ぱっと開きます。

 この「はりのやま」は,5枚の花びらの組み合わせの選び方で,いろいろに閉じた形になります。例えば,最初に5枚の花びらで作ったつぼみの対称の位置にある5枚の花びらを選んだ場合は,図2のようになります。また,できるだけ多くのつぼみを作った場合は,図3のようになります。

■さあ!作ってみよう!

 材料は,牛乳パックの紙かB4判のプラ板を使います。牛乳パックを使う場合とプラ板を使う場合では,作り方がほんの少し異なります。

 まず最初に,牛乳パックに底辺が4cmで高さが7cmの二等辺三角形の底辺をくっつけて菱形にしたものを30枚書きます(図4)。牛乳パックを使う場合は,菱形の短い方の対角線を,牛乳パックの折り目と一致させましょう。牛乳パックの底面は,一辺が7cmの正方形になっています。そこで,牛乳パックを菱形に切り抜き,短い方の対角線を折り曲げます。プラ板を使う場合は,二等辺三角形に切り抜きます(二等辺三角形は60枚できます)。そして,二等辺三角形の底辺をセロテープで張り合わせて,菱形にします(結果,菱形が30枚になります)。

 その菱形を,三角錐のつのができるようにセロテープで張り合わせていきます。図2のようなイメージに張り合わせる場合には,上側に10枚の菱形を,下側に10枚の菱形を,つぼみができるように張り合わせ,これら2体のつぼみを残りの10枚の菱形でジョイントします。

■さあ!実験してみよう!

1)無色蛍光ペンで着色した場合

 完成した「はりのやま」を無色蛍光ペンで着色してみましょう。普通の光(日光や電球の光)を当てている間は,どこに何が書かれたり,塗られたりしているのかわかりませんが,ブラックライトをあててみると,それまで見えなかった文字や図があぶりだしのように浮かび上がります。また,東急ハンズのようなショップで「オーロ・レインボー・シート(赤,緑,青など他にもいろいろな色があります)」というのが売られています。このオーロ・レインボー・シートをつのに張っても楽しいです。

 5本のつのの内側の部分を花びらと考えて,赤を発色するシートを張ります。閉じたときのつぼみの部分に緑を発色するシートを張ってみましょう。つぼみを開く瞬間に,植物のエネルギーに似たものを感動として感じることができます。

 また,花びらの内側に青のシートを張り,つぼみの部分に緑のシートを張れば,青い花をイメージすることができます。

 夏の暑い一夜を,ブラックライトと「ふしぎの花びら」で涼しく過ごしてみて下さい。線香花火よりも長続きする楽しみが待っています。

 ブラックライトは,最近は電球型も市販されていますので,普通の電球ソケットにはめれば使えます。また,学習机に置く蛍光スタンドの蛍光灯と同じサイズのものもありますから,それを利用することもできます。

2)カラーペイントをした場合

 「ふしぎの花びら」に,いろいろな色を塗ったり,おりがみを張ったりしてみましょう。とてもきれいです。これを,学校の先生に頼んで,理科室にある「ナトリウムランプ」でみてみましょう。これまで,きれいに色がついていた「ふしぎの花びら」がグレーの明暗だけの世界に変わってしまいます。

 ナトリウムランプは,自動車道路のトンネル内の照明として利用されています。お家の方に,車通りの少ないトンネル選んでもらって,自動車で普通にトンネルを走ってもらって下さい。明暗だけの世界を少しの間,満喫することができます。トンネル内は危ないので,「ふしぎの花びら」をみなさんだけでトンネルの中に持っていってはいけません。お家の方の自動車に乗せてもらう場合も,普通にトンネルを走ってもらって下さい。トンネルの途中に止まってもらったりしては危険ですので,そのようなことはお願いしてはいけません。

 エレ先生の実験教室のページへ戻る

 エレ先生のホームページ(TOP)へ戻る