京都発 ストップザ温暖化宣言
〜地球温暖化防止に向けた、京都市民から世界へのメッセージ〜

                      2003年2月22日(土曜日) 於:京都産業会館


   

 ストップ ザ 温暖化 京都市民宣言起草委員会委員      ストップ ザ 温暖化 京都市民宣言の一部を読み上げた


 以下に,当日採択された「京都発 ストップザ温暖化宣言 〜地球温暖化防止に向けた、京都市民から世界へのメッセージ〜」を掲載します。










京都発 ストップザ温暖化宣言

〜地球温暖化防止に向けた、京都市民から世界へのメッセージ〜

  

環境の都・京都をめざそう

 

今、私たちの地球は危機に瀕しています。私たち人類が、豊かさや便利さ、快適さを追い求めるあまり、地球温暖化を引き起こし、これまで多様な生命を生み、育んできた母なる地球を大きく傷つけてきました。このままでは、破滅的な結果を招くだろうと言われています。未来の子どもたちのために、恵み多い地球の環境を引き継いでいくことは、現在を生きる私たちの責任であり、義務だと考えます。今ならまだ間に合います。温暖化防止に向けて行動を始めましょう。

 

今日から始めよう 大切にしたい自然、人、まち、暮らし、支え合い

 

 ■ 知ろう・学ぼう・つたえよう

  環境への取組は知ること、学ぶことから始まります。地球規模で考え、行動する人を育てることが必要です。そのために、環境にやさしい家庭や学校をつくり、その活動の輪を、親から子へ、子から親へ、さらに地域にもつなげます。

 
  

 

○温暖化と私たちの暮らし、身の周りの生活と環境との関わりを知ることから始めます。

 ○京都議定書のことをもっと知り、みんなに広げます。

○温暖化について、家族や近所の人と話し合ったり、学校や地域で学んだりする機会を増やし、それをつなげる人材をみんなで育てます。

○京都独自の環境管理認証制度であるKES学校版に取り組む学校の輪を広げます。 

 

 

 ■ 自然を愛し、水や緑を守り、ともに生きよう

  水は生命の源です。森は、自然の循環のかなめであり、水や生き物を育みます。樹木は、空気もきれいにしてくれます。自然を愛し、生き物を慈しむ心をもって、川や山を守り、育て、その恵みを大切に活かします。そしてみんなの周りに緑を増やしましょう。

 

 

 

○京都の周りには山がいっぱい。みんなで里山管理に協力し、山や森を守ります。

○河川は生き物の宝庫です。水は生命の源です。ごみを捨てたり、汚水を流したりは、もってのほか。きれいだからといって、周囲をコンクリートで固めることもどうかと思います。

○まちに緑を増やすことは、私たちの心を和ませてくれ、空気をきれいにしてくれるだけでなく、ヒートアイランド現象にも効果的です。あちこちにビオトープをつくったり、屋上や壁面の緑化などを進めましょう。

 
■ 暮らしの工夫から、ごみを減らし、エネルギーを大切にしよう

  温暖化対策も、まずは身近なごみ問題から。モノをつくり、使うにも、ごみとして捨てるにも多くのエネルギーが必要です。一人ではわずかなことも、みんながやれば大きな効果が期待できます。日々の暮らしを、少しだけ環境の視点で見直し、「しまつ」する心をもって、モノやエネルギーを大切にし、ごみを出さないように工夫します。

 

 

○電気やガスなどを効率的に利用し、節約することで、家計にも温暖化対策にも

役立ちます。

○モノを大切に、長い間使い、使えなくなったときには再利用やリサイクルを考えます。

○ごみを出すときはきちんと分別して、再利用やリサイクルをしやすくします。

 

 

 ■ 自然のエネルギーを活かそう

  自然の恵みはありがたい。太陽の光や水、風、木など自然のエネルギーをもっと効果的に使い、石油や石炭など化石燃料の使用を減らします。

 

 

○日なたの温もり、日陰の涼しさ、風の冷たさ、雨水の潤いなど、くらしの中に自然の恵みを取り入れます。

○太陽光やバイオマスなどの自然エネルギーを利用する機器を積極的に取り入れていきます。

 

 

■ 人と環境にやさしい交通で、みんなが楽しく暮らせるまちをつくろう

  車の使いすぎは、地球温暖化の大きな原因の一つです。安全に安心して利用できる、環境にやさしい交通システムをつくり、みんなが利用することで応援し、マイカーの利用を控え、歩く楽しさ、自転車の快適さも取り入れた、誰もが楽しく暮らせるまちづくりを目指します。

 

 

○歩く楽しさ、自転車の快適さを、積極的に生活に取り入れます。

○みんなの足であるバスや電車をみんなが利用することで支えます。

○外出時には、徒歩、自転車、公共交通機関、自動車など賢く使い分けて車の利用を控えます。

○自動車が必要な場合は、低燃費・低公害車を選びます。

 

 

■ 環境にやさしい買い物をしよう

  企業や事業者も温暖化に大きな影響をもたらします。私たちは、省エネ製品や長く使える製品を選ぶことで、環境対策にがんばっている企業や事業者を、消費者として応援し、環境にやさしい買い物を心がけます。


 

○買い物やサービスを求める時には、環境に配慮したモノを選び、環境に前向きに取り組む企業を応援します。

○買うときからごみのことを考え、必要以上にモノを買わない、ごみになりにくい商品を選ぶなど、環境にやさしい買い物を心がけます。


 

■ 人と環境にやさしいおもてなしの心を大切にしよう

  京都にはたくさんの観光客が来られます。日本の心のふるさととして、おもてなしの心を大切に、環境活動にも取り組む観光をつくります。

 

 

○環境のことも考えた経営や環境にやさしいサービスを選んでいただくことを通じて、環境に前向きに取り組む宿泊施設などを応援し、環境観光(エコツーリズム)都市・京都を世界にアピールします。

 

 

 ■ 私から始め、地域へ広げよう

  まず、私たちができることから行動します。でも一人で続けることは難しく、仲間づくりが必要です。地域とのつながりを大切に、個性や多様性も尊重して、互いに学び合いながら、それぞれの「良さ」を活かして取り組みます。

 

 

○地域の活動を見直し、積極的に参加します。

○みんなが楽しめる仕掛けを工夫し、仲間の輪を広げます。

○温暖化防止の活動が生み出すメリットを、地域ぐるみで考え、つくります。

 

 

 

■ 市民・事業者・行政が、協力して、行動しよう

  一人一人ががんばっても温暖化を防ぐ仕組みがなければ広がらないし、その仕組みがあったとしても、みんなの協力がなければ機能しません。事業者も行政も市民の一員です。市民、事業者、行政が、お互いの思いや立場を理解し、一緒に考え、支え合って、温暖化対策を進めます。

 

 

○環境活動に必要な人材、費用、情報、参加の場、知識など、行政だけでなく市民も事業者もそれぞれが主体的に関わって、みんなが持ち寄り、支え合います。

 

 

 

地球の未来は、私たちの行動にかかっています

 

地球を守るために、地球温暖化防止に向けて、世界の人々が協力しようとしています。これを実現するために世界が決めた約束が「京都議定書」です。

私たちの京都は、この議定書が生まれたまちです。温暖化防止に向けて世界の人々が歩むであろう長い道のりの間、いつも「京都」の名前が人々の心に刻まれつづけるのです。そして、京都の人とまちがどのように振る舞うのか、常に大きな関心をもって見つめられることでしょう。だからこそ、京都市民として、そして「地球市民」として、自覚と誇りをもって、この議定書を大切に守り、育てていきましょう。

 

主役は、わたしであり、あなたであり、一人一人が行動することから第一歩が始まります。

 

2003(平成15)年2月22日

ストップ ザ 温暖化京都市民会議

 

 

※ 枠内には、その宣言項目に関連すると思われる別の表現や具体例などを、あくまで例として示しています。このほかにもいろんなことが考えられると思います。これにこだわらず、みなさんで考え、実践してください。