日時 | 平成16年5月29日(土)16:00〜18:00 |
場所 | 京都教育大学附属教育実践総合センタースキル室 |
内容 | 1.電気の小物実験(桜井 昭三) 2.新製品(「ゼーベック効果」を利用した車)の紹介 (中村理科工業(株)中村 友香) 3.ベルヌーイの定理の実験(野口 博) 4.大学生の小学校理科の指導の自信度(川村 康文) 5.公開講座報告 地球環境を考えるための科学実験教室(小5〜中学生) 『チョークから絵の具作り』(工藤 博幸) 楽しい理科実験教室(小1〜小4) 『不思議の花びら』(川村 康文) 参加者: 川村 康文・桜井 昭三・松森 弘治・角川 佳久子・中村 友香 沖田 紗世子・野口 博・工藤 博幸・梅川 眞壽男・村山 芳幸 米谷(コメタニ)英剛さん・智仁くん・知理ちゃん・松井 真由美 |
教育大の岡本先生にお部屋をお借りでき、たいへん、充実した例会となり感謝します。どの報告もたいへん工夫された内容で楽しい報告でした。
1.桜井さんの小物実験は、ひとつの道具からいくつものことが理解できるよう工夫されてました(さすが、電気の博士ですね)
2.新製品の車については、参加してくれた子どもたちが楽しそうに遊んでました。ゆっくりス〜と走る車には『新しいエネルギー』開発に期待できそうです。
3.『ベルヌールの定理』は、学校の子どもが手作りできるよういろいろ工夫されていました。安全な実験で内容が次々と発展していって面白かったです。
4.大学生(教師になりたい)の夢が少しづつ叶うような話でした。『浮沈子』物語は今度、シナリオを貸して頂きたいような話でした(^^)
5.『チョークから7色ぐらいの絵の具が作れたそうです。この実験だけではなく2時間盛りだくさん実験をされたそうです。来月は『楽しい理科実験教室』をして頂けるので楽しみにしてます。
『不思議な花びら』は難しいけど夢中になるこども(大人?)が多かったです。作る喜びは大人も一緒ですね。完成した時は、手をたたいて喜んでいらっしゃいました。今日初めて出会った方々とは思えないぐらいのチームワークで皆さん助け合いながら仕上げてました。例会では、公開講座でお聞きしたことをさらに深く聞けて良かったです。
松井真由美
将来,先生になりたい大学生に,理科授業を指導する自信があるかどうか,さらに実験指導をする自信があるかどうかをアンケートした結果,ほとんど自信がもてないという回答でした。その理由をインタビューしてみると,「私は,理科が好きでない」「私は理科が不得意です」のような返答でした。理科離れが問題になっている現在,回答してくれた大学生は,大学では,私の授業しか理科の授業をうけない学生です。
なんとか,彼らに,理科は面白いという気持ちを感じてもらえるようと思って授業をしていますということを,報告しました。
(公開講座)
ふしぎに花びらというタイトルですが,基本的には,数学的なおもちゃの作成です。カタカタが素晴らしい作品ですが,それにも負けじという観点で,やってもらいました。ずっと前に高校生に工作してもらったときに,「知能値数開発マシーン」だと言っていた生徒がいましたが,まさに,そのようなタイプのおもちゃです。
ロボット工学の世界に進みたいお友達に,5枚の花びらをもった花をイメージしてもらって,つぼみと花びらの関係を考えてもらいました。ロボットも,これからは,自然や生物のしくみを,取り入れながら発展することがあり,そのようなスタンスをもっておくことは大切だと伝えました。
川村康文
光系の小物として、
1.省エネ電球の秘密:省エネ電球が担当しなくなったので、バラしてみました。管球の断線だったので、手持ちのU型15Wの管球を接続してみたところうまく点灯したので、全部陳列してさらし者にしてみました。
片側にチョークコイル安定器・グロースタートを並べ、始動時間の比較ができるようにしました。個々の電流を測ってみると、省エネ155mA、従来型290mAと、倍近い電流の差があります。従来型は力率が悪いのでそれを差し引いても、省エネ型の方が低消費電力です。まさしく省エネ電球の名に恥じない性能でした。
2.超高輝度白色LEDのスペクトル:電球の光を分光シートで分解してみると、白熱電球は連続スペクトル、蛍光灯は輝線スペクトルになります。今話題の超高輝度白色LEDのスペクトルは、どんなんかいなー?、というわけです。発光の原理から考えて、輝線スペクトルかな、と実は私も思っていたのですが、美事に裏切られ、連続スペクトルでした。モチロン精密に測定すれば、スペクトル分布はかなりちがうと思いますが。
桜井昭三
3.「ベルヌーイの定理」の実験について
既出の実験本には「ベルヌーイの定理」のみでその実験を解説するものが少なくない。今回は、「ベルヌーイの定理」でしか説明できない実験を取り上げた。
最近は、サイエンスショーの冒頭で「つかみネタ」として実験『吹いても落ちないピンポンダマ』が行われるようになった。ガラスロートにピンポン球をいれ、ノズルから息を吹きつづける。すると、ロートを下に向けてもピンポン球は落ちない。ロートとピンポン球の間に速い気流が生じ圧力が低くなり、ピンポン球は一見ロートにくっついたかのように安定(「コアンダ効果」せいか、ピンポン球は微振動する)し、落下しない。
この実験は「ベルヌーイの定理」でしか説明がつかない。またこの場合、速い気流は人間の呼気であるから、ロートの大きさや球の大きさ・重さが変数になる。いろいろ試した結果、ピンポン球を用いる場合、ガラスロート(理科用)は受口径90mmのものが一番よいことがわかった。
受口径90mmのガラスロートのノズルの内径は約7mmである。このことから、画用紙でほぼ同径の受口をつくり、6mm径のストローをセロハンテープでとめてロートを作った。ピンポン球で実験するとガラスロートの場合とおなじ結果になった。前述の手作りロート4個をもちこみ、ハサミでストローを切ってどんどん短くしていった。長さを変えても呼気を吹き込めるぐらいの長さがあれば、ピンポン球は落下しない。最後に、ストローの根元(画用紙とストローの接合位置)にハサミをいれ、ストローがない状態で呼気を吹き込んだ。上向きに吹き込むと、ピンポン球は画用紙の受口から外へ飛び出した。一方、下向きに吹き込むと落下した。
これらのことから、人間の呼気での旧来型「ベルヌーイの定理」関連実験はストローを用いた方がその定理での説明の妥当性・信頼性を高めるのではないか、と考える。
以上のことを実験をまじえながら紹介させてもらいました。
0.2mm厚ぐらいのプラバン用のシートに印刷してあげれば、低学年の子どもたちでも作れそうです。ピンポン球は公式球は高いので同じ形質量のセルロイド球(6個で100円)、ストロー(100本で100円)、プラバン用シート1枚から工夫次第で3〜4個分切り出せると思います。『吹いても落ちないピンポンダマ』実験キット1セットの材料費は、50円以内で十分収まりそうです。
野口 博
第30回という記念すべき例会に参加させていただきました。
”ゼーベック効果””ベルヌーイの定理”私には、聞きなれぬ言葉で(いつか習ったのかもしれませんが、知識として
なく)実験中は、何の事かわからないまま過ぎていきました。
聞きなれぬ言葉ながら、これを機に勉強することができるのは例会に参加したからだこそと嬉しく思います。
今回の例会は予定の時刻より大幅に遅れての開始でした。今回、時間に合わせて来られていた方が、発表をひとつも聞けず途中で帰られなければならないという状況はもったいないと思います。時間厳守で始めるか、開始時刻を遅らせるかどちらかにしたほうがいいのではと思いました。
沖田 紗世子
大変申し訳ありませんでした。公開講座と同じ会場の設定にしてあるため、講座中は、時間を気にしながら、講師の川村先生に『あと○分ですよ』としていたのですが、一生懸命されている公開講座参加者の方に対して『時間ですからお帰りください』とは言えませんでした。
それと会場が今までと違い、お湯などを用意することが遅れたこと・例会参加者にご協力いただくことをお伝え出来なかった(尋ねて頂いたのに、私に気持ちの余裕がなく申し訳ありません)のも原因です。段取り良くしたい気持ちはありましたが講座の手伝いも初めてで、要領を得てませんでした。何を並べても言い訳となりますね。すいません。
時間厳守を心がけて今後、公開講座の講師の先生にもお願いはします。でも、参加されている子どもたちには『納得がいくところまでして頂く』ことが大切と思いますので(同じお部屋での開催ですから、)会場の中を仕切るかたち(机の配置換え)をして例会をしたいと思います。
今回の反省として時間通りに例会が開催できるために、例会参加者にお願いする事項を、事前に準備することが大切と思います。次回は出来るよう準備しておきますのでどうぞ、ご協力をよろしくお願いします。
なお、開始時間を遅らすことが書かれてましたが、終了予定時刻がその分遅れますので考えてません。会場の後片付け後の後片付ける(道具を運ぶ)ことをしないといけませんので申し訳ありませんが、短時間での準備となりますが、どうぞよろしくお願いします。
松井真由美
今回も弊社の新製品を紹介いたしました。
「ゼーベック効果」を利用して模型自動車(カー)を走らせる実験キット「ゼーベッカー」です。
熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換する熱電半導体モジュールにより、お湯と氷の温度差で1.5V以上の直流電流を発生させて走ります。
この実験キットは、捨てられているエネルギーをリサイクルする事がテーマです。私たちの生活の中で、気が付かないうちに捨てられているエネルギー・・・それは熱です。自動車エンジンの廃熱、ごみ焼却場の廃熱、給湯器からの廃熱などなど色々な形で熱が排出されています。未来エネルギーの最有力候補の燃料電池も、残念ながら廃熱を発生させます。このキットでは「お湯」を「廃熱」に見立てて実験します。捨てられている熱を回収して再利用する事は、新たに石油を燃焼させて発電する電力を削減する事にもつながります。
「ゼーベック効果」とは、異なる2種類の金属の一端を接合して温度差を与えると起電力が発生する現象です。この現象を利用して車を走らせます。
(実験)
約8センチの箱の中に金属でできている2つの層があります。この一方にお湯(廃熱)、もう片一方に氷(冷却する)を入れ模型自動車の上にセットします。この時、お湯と氷の温度差で発電します。模型自動車にはモーターが付いており、箱から出ているリード線をモーターに接続すると走り出します。
(感想)
以上の内容を発表いたしました。
が、実際に発表してみて思うように伝える事ができず皆様にはもどかしい思いをさせてしまったと自分の勉強不足を反省しております。次回参加させて頂くときはもっと勉強してまいります。
また、当日準備を手伝って頂きましてありがとうございます。大変感謝しております。
中村友香
アルバム
当日のプログラム 当日の風景 参加者 桜井昭三先生のご発表 分光筒による観察 野口博先生のご発表 工藤博幸先生のご発表 川村康文先生のご発表