長野理科Eネットと共催
日時 平成16年7月2日(金)18:30〜
場所 しなのき会館1F研修室(信州大学教育学部隣)
内容 1. ペットボトル燃料電池でラジオを聞こう!(有本、川村 康文)
2. クォークの不思議II(土佐 幸子)
  「難しい話題をどのように楽しく広めるか−実践と反応」(ボストン科学博物館 土佐幸子)
3. 7月19日実験教室II(森)
4. 無重量実験(古田 豊)
5. ミニ・エクスプロラトリアム(竹内 幸一)
参加者:
川村康文@信州大学教育学部助教授,伊藤和弘@東京書籍,土佐幸子@ボストン科学博物館,
有本@日本テレビ,中澤美三@柳町中,竹内幸一@,古田豊@立教中学・高校,平方素樹@信州大学大学院,
森@,野口亜弥@,中川明子@,内藤由季子@,麻蒔ひろみ@,島田英俊@,八木智彦@,熊義史@,
佐藤真也@,鳥居純司@,篠原弥生@,舘裕介@,
塚田和子,塚田広志(中三),塚田更沙(小5),塚田美優(小三)

長野理科e-netでも第6回例会にて紹介しています.

1. ペットボトル燃料電池でラジオを見よう。(有本、川村 康文)
 鉛筆の芯(2Bか3Bを使用、4Bでは折れやすいので不適当)を900ml入りアイスコーヒーの入ったペットボトルのキャップに穴をあけて差し込み+、−の電極とする。その電極が1本当り0.5Vの電圧を発生するので、100本のペットボトルをつなげれば、50Vとなり、200本つなげれば100ボルトの電圧が得られるはずである。その仮説に基づき約200本のペットボトル燃料電池を会場の机の上に次々と直列につなぐ。その際、電極の+、−が接触してないように気をつけた。
◆燃料電池約200本を100V・12型・消費電力24Wの白黒テレビに直列でつないでみた
テレビの音声は聞こえ,一瞬うっすらと画像が写った。その時のテスターでは240Vで8ミリアンペアあった。その後再度試みたが、画像は映らなかった。20Wの蛍光スタンドのグロー球で試すとつく。
◆発想を変え、並列につなげ流れる電流量多くしてみるとどうなるか試してみる
 電極同士がぶつかってしまったペットボトルを取り除いたところ、4列に41本ずつ合計164本のペットボトルを並列でつなげてみる。先程の12型の白黒TVでは、期待に反して音声のみ。その時の電圧流計は100vで9ミリアンペアに下がってしまっていた。ペットボトルの現象としては、最初は直列でつなげた時は泡がぶくぶく出てくるペットボトルもあった。時間の経過と共にその泡はなくなってきたものもあり、実験時間が長くなると、燃料電池は劣化していくようだ。
◆並列×41本の合計164本のペットボトル燃料電池で3V(単4電池2本使用)の携帯型ラジオをつなげてみると・・・
 みんなの期待を託してつなげてみると聞こえた。いきなり「ローズのホームランが出ました!」という野球生中継が。今回の実験の成果として、ラジオが聞けた!その他、ミニ扇風機(2V)にもつなげたが回らず。
★〈今後の検討課題〉
・ 鉛筆の芯を電極に使用するとどうしても、プラス・マイナスがクロスしてくっついてしまう物も出てくるので、つなぎ方を考える必要がある。
・ 鉛筆の芯の変わりに備長炭でやったらどうなるのか。
   (川村経験談:やったことはあるが,大きな性能のアップは無かった)
・ 鉛筆の芯の表面積でも充電量もきまるのではないか。
 
2. クォークの不思議II(土佐 幸子)
 ◆ガリレオ工房の古田先生より土佐幸子先生の紹介
「土佐さんは夏になると、日本に来て励ましてくださる。クォークが6個。サイエンスの素粒子がどうなっているか教えてくださる。ロジェスター大学では原子核をクォークで理解することにより学位を取られた。ふるた?先生の授業を分けていただく。今日は『クォークは何だ!クォークは知っていますか?』と言うことで難しいと言われるクォークの内容について講義していただく。」
◆ボストン科学博物館 講師 土佐 幸子先生から
例会の前16:30〜信州大学教育学部中等理科指導法特論において「クォークて何だ?−物質の一番もとを探れ!」というテーマで講義されたことの報告。
・ クォークという実際に先程の講義で使われた新聞紙を提示してその新聞紙の袋の中からクォークを出すまでを実演。サイエンスフォーラムでの20分間のショーにも触れた説明をされ、今回もクォークの魔法使いに扮してショーさわりを見せていただく。
・ 素粒子のカード並べをしていくうちにだんだんわかってきたという学生の意見。
・ 陽子と中性子のブレスレットを作ろう
・クォークてどんなものか(u、s、dと書かれた)赤、青、黄の色のついたものを選んでゴムバンドの紐を通してブレスレットをつくる。
・選んだ物が
  u2個とd1個の組合せ →陽子
  d2個とu1個の組合せ 中性子
 
◆〈土佐さんの感想〉
・ 「クォークのお話を聞いて、聞く前と変わりましたか?」というアンケートには16人中15人が変わったという結果となった。インタラクションを受けている側も変わったということは、いつでも教えるということは伝えることであり、言葉のキャッチボールである。みんなと言葉のキャッチボールと言うやりとりの中で、宇宙の話にまで及び、教える事、伝える事はお互いに作っていくことだと思った.
■『クォークの魔法使い』R.ギルモア 江沢洋監訳 土佐幸子訳 培風館
クォークのこと比喩でわかり易く説明した本で、ギルモアのもっともっと皆に教えたいと言う思いが伝わってくる本と紹介。
 
3. 7月19日実験教室II(森)
 7月19日実験教室の中間報告として朝日新聞、信濃毎日新聞、長野市民新聞で紹介していただいたところ、募集40名のところ現在14名応募がある。当日取材は依頼してある。13人で協力してやっており、みな専門が理科以外の者で科学の楽しさをわかってもらえるようにがんばっている。
 
4. 無重量実験(古田 豊)
・ 地球上での無重量を理解するための実験。
・ ペットボトル(中身は○○○)を天井近くまで投げて見せていただきその中の様子を見る。
・ 無重量→氷のかけらならどうなるか?
・ 中身に油を入れたら→石も一緒にいれたらどうなるか?浮くだろうか?
           →ビー球だったら?
・ 投げる時天井ギリギリに投げるのがコツ
・ 宇宙船の中で実験してみたらどうなる?
◆出された質問や課題
・ もっと大きなもので見せていただくとわかり易い。例えば、ビーチボールだとか…
・ 中の石に発光ダイオードをつけて光らせてみたらどうか。
・ ペットボトルの形は丸型の単3型のようなペットボトルにした方が見やすい。
・ 蓋の大きいペットボトルの方が入れやすい。
・ 宙に浮かせる時は、天井かゴムでつり、糸の端にはゴムをつける。
・ 今回は加速度がないけど、安全に滑車を付けてやれば面白い。但し、エレベータではなく動くおもちゃとして。
 
5. ミニ・エクスプロラトリアム(竹内 幸一)
・ ソニーが1989年に行ったエクスプロラトリアム展では65点を1億5千万円でサンフランシスコから購入し、3年間日本国内を巡回し100 万人の来訪者がありました。主に、このときの展示の中から手作りしたものも紹介。また、7月31日、8月1日の信州大理学部での科学の祭典と9月11日の佐久市での長野県主催チャレンジサイエンスパークでの「科学の遊び エクスプロラトリアム」「だまし絵ミュージアム」の紹介。
・ 信州大学農学部の学生さんたち9人が7日間協力してくれてエクスプロラトリアムの展示物を合計7万円で手作り製作し、2002年8月、信州伊那での科学の祭典に66点出展からの紹介。
・ アジレントからサイエンス教育の支援金頂いているので、ご要望があれば100人以上の子ども達と6人程のスタッフが用意して頂ければ、移動ミニ・エクスプロラトリアムを各地の子ども達のために事件教室を開催できるということで例会でも紹介していただく。
◆実験紹介の一部
・ドライヤーのスイッチを入れて、発泡スチロール球の下からかけると球が浮く。ドライヤーを隠して見せれば、手品になる。
・100円ショップは実験のネタが多い。
・定規の中に埋め込んだ円形の輪の中に鉛筆の芯を入れてお花がかけるもの。
・知恵の輪(知恵の輪を試す時には2個買っておき、恵の輪がはずれる前のものとして残しておくと良い。
・手動オルゴール。(三協精機製、9000円)楽譜は手作りで作成できる。五線譜がロールペーパーに書いてあり、楽譜の音符のところを専用の穴あけパンチで開けるとそこが音のなる所となる。手動なので好きな速さでオルゴールの音の響きを楽しめる。
◆ 竹内さんが撮影されたビデオ、お持ちになった外国の本も紹介。
『だまし絵』の本の紹介→イギリスで出版しているな不思議ダマシ絵絵本(3000円)壁に貼れば144枚のだまし絵が作成できる。
塚田和子
アルバム
01
燃料電池で大実験
02 03
燃料電池でTVがつくか? 燃料電池でネオン管の点灯
04 05
クォークの不思議 (土佐さん)
06
宇宙実験 水玉が丸くなる (古田先生)

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