1時間に200mm降る雨を体験

地学分野ではさまざまなシミュレーションも紹介したいと思います。
今回はその一です。
6月に紹介するので、雨にこだわってみました。茨城県つくば市の防災科学技術研究所には1時間あたり200mmの雨を再現する装置があります。その様子を紹介します。



防災研には「大型移動降雨装置」というのがあります。土砂災害の研究などに使うそうですが、この巨大な倉庫がまるごと実験棟となっているのです。しかもこの棟は移動する!?


素っ気ない(?)入口から入ると・・・


そこはとても高い天井の、がら〜んとした建物でした。中には土や砂が積まれています。


圧巻なのは天井に張り巡らされたパイプです。どうやらここから雨が降るらしい。


パイプの末端にはこのような4本セットのノズルが付いています。必要な降雨量に応じて、水を出すノズルを替えるのです。


ちょっと不安?そうな先生。ちなみに水は棟外に設置された、50メートルプールに匹敵する貯水槽から引いてきます。


いよいよ雨が降り出しました。室内なのに雨が降ってるなんて、なんだか不思議です。


降雨量はだんだんに多くしてゆきました。最初は1時間15ミリの雨。次が、50ミリ、100ミリ、200ミリです。


どんどん雨足が強くなります。観測史上の最高は1時間180ミリオーバーだそうですが、この施設では200ミリまでOK。
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実験用として、ムラの少ない細かな雨ですが、その量には圧倒されます。いま200ミリ。水によって風が起こっていました。

文/撮影:久保庭敦男 2002年6月21日