三相交流発電機 (桜井昭三)

ハブダイナモの腕力発電機は簡単に作れて、結構パワーがあります。はじめは軽く考えていたのですが、川村先生にそそのかされていろいろ実験した見たら、蛍光灯(電池式4W)玩具の扇風機、ラジオなどいろいろ作動させることが出来るようになりました。ただハブダイナモの入手がちょっと手数がかかるのが弱点です。

そこでもっと簡単なシカケはないかと探していたら、ホームセンターで手回し発電ラジオというのを見つけました。以前にも見かけたことはありますが、1万円近くするので見送っていました。ところがナント特価2480円です。これは買わぬ手なしと1台買って帰りました。

(あとで他の店でも見かけましたが、最近数種類出ているようです。私が買ったのは、ANABAS MG−100 というもので、(株)太知 MADE INCHAINA です。単3ニッカド×2内蔵、高輝度LEDのライトと切りかえでAM/FMラジオ付でした)
外観    表面
裏面    発電機
家に帰って早速裏蓋を開けてみました。一見マブチモーター風のメカから電線が3本出ています。辿ってみるとダイオードが6個。これはなんと3相交流発電機です。ハンドルを回すとメカ全体がぐるぐる回ります。ということは多分外側にマグネットがあって、内側に固定された発電コイルがあるわけです。そうすると普通はコイルを1組または2組付けて、単相交流にするのですが、なぜわざわざ3組のコイルで3相にしたのかは判りません。

内部  

ところで3相交流を全波整流すると、非常にリップルの少ない直流が得られます。また三相交流は誘導電動機のシミュレーションに持ってこい、ではないかと考えてました。なかはかなりスペースがあり、かなりのイジリが可能です。とりあえずスナップスイッチを2個取り付け、三相交流出力およびDC出力の外部とりだし、内蔵電池のON:OFFが出来るようにしました。

赤黒のリード線はDC。黄・白・緑の線は交流です。DCで4Wの蛍光灯(電池式)、玩具の扇風機が動作します。DC出力は無負荷で6Vくらい、負荷がかると2.4V位です。電池をoffにしてラジオを鳴らすと、充電表示灯が点滅してかなりノイズが入ります。基本的には電池を充電しながらラジオを聞くというのが正しい使い方のようです。

改造内部  改造外部

磁気コンパスにコイルを3組くっつけ、三相交流を流せばこれは同期電動機(シンクロナスモーター)になるのではないかと考え、手持ちのエナメル線で20mmφのコイルを巻いてみましたが、エナメル線が短くて3個作ろうと思うと20回しか巻けません。とりあえずそれで実験しましたが、抵抗(インピーダンス)が低すぎるのか、発電機がショート状態(ハンドルがすごく重くなるので判ります)になって失敗です。せめて100回くらいは巻かないとダメののようです。
三相コイル(失敗)