いろいろな発電機の分解(桜井昭三)

腕力発電機1号

1.腕力発電機に使っているシマノのハブダイナモ、壊れた自転車から採集したのがあるので一度分解したらと川村先生にそそのかされ、やってしまいました!。
(少し前のタイプです。多分第2世代?のもの)持って帰って眺め回したところ、二つのブロックを圧入してあるらしく、並の方法では分解できそうにもないので、荒技一発、ノコギリでゴシゴシと切断しました。鋸刃はスエーデンのサンドピック社製、これはよく切れます。写真のように約5mm厚のアルミダイキャストですが、20分くらいで切れました。(^_^;)中は浸水したのか、かなり錆びていたので、灯油と歯ブラシでゴシゴシ(また)洗いました。
ハブダイナモ旧型

2.ハブダイナモの内部構造について、多分多極発電機を使って低速回転で発電しているのでは、と憶測を述べていたのですが、見事!ハズレでした。しっかり増速機構を使っています。遊星歯車ではなく遊星摩擦ホイールです。これが2段使ってあります。さび付いて動かないので増速比はわかりませんが、多分1/20あたりではないかと思います。

電機子

3.電機子の方はポールピースが8極あります。コイルは1組です。マグネットの方も鉄片で調べると8極みたいです。ところでこれを眺めていてハタと気がつきました。これは内装式3段変速機の応用ではないか?とね。ちなみにシマノは世界有数の自転車用変速機メーカーです。
遊星ホイル1

4.ことのついでに普通の(リムドライブ型)の発電機も切開してみました。こちらはアルミが薄いのでラクチンです。発電機の構造は同じで、これは4極でした。この発電機の場合、先端のギザギザのついたホイル(摩擦輪)は直径20mmです。タイヤの横にこすりつけて廻りますが、大体地面に直接こすりつけているのと同じと考えてもいいでしょう。自転車が時速10kmで走ると、分速約166m、166/0.02×3.14=2643(回転・分)となります。
リムダイナモ1
リムダイナモ分解

 ハブダイナモは、ハンドルを付けるだけで簡単に手回し発電機が作れます。出力は6V0.4Aで、ダイオードで整流すると、乾電池式蛍光灯、トランジスタラジオ、玩具の扇風機等、乾電池4本で動作する機器が使えます。電気分解の電源などにも使えそうです。なにより危険がありません。もう少し出力が大きければなお良いのですが、シマノで作ってくれないかなー、と考えています。