つりざおの実験(辻井智子・川村康文)

 釣竿で魚を釣り上げるとき、釣竿の傾きの違いで手応えが異なります。この物理現象を力のモーメントを利用して解明してみましょう。
 長さ2m,直径3cmの塩ビパイプの端(Bのところ)に,お魚(おもり)をつるします。点Oと点Aを手でもって,魚をつり上げます。

   


 釣竿の角度を,30°,45°,60°と順に,変えています。つまり,魚を釣り上げていくというわけです。そうすると,徐々に,手応えが軽く感じるようになっていきます。
魚の質量(mg)は,一定ですが,点Oから,魚の作用線までの垂直距離,すなわち「腕の長さ」が短くなるため,「力のモーメント」が小さくなり,手応えが軽く感じるようになります。

なお,塩ビのパイプは,おもりつるすとよくしなり,まるで釣竿で本当に魚つりをしているように実感できます。

(付 記) この実験は,2002年度に教育実習にきた辻井智子さんと一緒に考案しました。授業では生徒実験を行いました。サイエンスEネットの学習指導案の力のモーメントのところに,学習指導案がアップされています。また,授業プリントの物理の11番のところに生徒実験のプリントがアップされていますので,是非,ご覧下さい。