台北通信  第5回 

台北日本人学校 能登 敬久

はじめに

 第27回北海道国際理解教育研究大会のご成功おめでとうございます。
苫小牧からの発信を少しでも吸収できればと考えております。関係各位
の並々ならぬご尽力に敬意を表します。お疲れ様でした。

 さて、台湾では中秋節をむかえ、月見をしながらバーベキューをする
光景を見たばかりです。10日の国慶節に向けて大通りには台湾の旗…が
掲げられています。朝夕少し冷え込みますが、日中はしっかり30℃ち
かくにまで気温があがります。

今回は身近で見かける台湾らしい植物を紹介してみたいと思います。

1 大王椰子

台湾では台風がよく来ますが、枝が多く葉がたくさんついている木がとき
どきたおれているのでは葉が少なく,幹は丸くしなやかなので,風をまと
もに受けないため,根があさくても倒れません。

               

日本人学校のシンボルになっています。校歌にも歌われています。
1999年度に学校の塀(へい)が造りかえられるときに,シンボルの大王
椰子が随分なくなってしまいました。とても背が高くなりますが,根はそれ
ほど深くありません。

2 ガジュマル

台湾では一般的に見られる常緑樹です。枝から根のような毛をたらしている
ものもよく見られます。湿気の多いところでは空気中からも水分を吸収でき
るようになっているのです。

            

ちゅらさんで注目された木です。台湾はこの木が至るところで見られます。
厳しい陽射しの中でも、しっかりと命の根を張っているところに感動させ
られます。ガジュマルの実が落ちるころになるとメジロなどの鳥が集まっ
てきます。

3 ハイビスカス

原産地は中国大陸。花が咲く時期がとても長いのが特徴で,台湾ではほとんど
1年中咲いています。大きな赤い花をつけますが,色は少しずつ変化があります

                   

「男はつらいよ」の中で出てきたイメージがありましたのでずっと沖縄産かと思ってい
ました。夜は朝顔のように花びらを閉じてしまいますが、日中になると花びらを開きます。

とても綺麗な花です。

4 ホウオウボク

オジギソウやネムノキに似た葉をもっています。初夏の頃に赤い花を咲かせます。
そして大きな豆ができます。冬になると,葉が落ちます。でも全部なくなること
はありません。

花を咲かせたときの姿は壮大です。鳳凰と名づけられた所以でしょう。
南国の華やかさが感じられます。でも、花や葉を落としたときは掃除が大変
なんです。(笑)


5 ビンロウ(檳

ビンロウの実は,噛むと覚醒作用があります。そのため台湾の各地で実を取るために
植えられています。また,幹(みき)と葉の間の緑色をした部分の芯(しん)は食用
となります。「半天筍」といって,タケノコのような味がします。

                         

台湾にはこのビンロウ(檳)の実をとるためにたくさんのビンロウの木が植えられています。しかし,
根が深くないので大雨が降ると土砂くずれをおこしやすくなるといわれています。

今回は代表的なものだけでしたが、校内だけでも、ウメ、くすのき、ツツジ、
ジャスミン、グアバ、ソテツ、マンゴー、パパイヤの木だって見ることができます。
少し足を伸ばして3月の台北北部の国家公園の陽明山に行くとカーラーと呼ばれる
山芋の花や桜も見ることができます。現在、私は密かにライチを育てているところ
です。いつの日かこの実を学校で食べることを夢見ています。

 北海道は今が紅葉の見ごろでしょう。ナナカマドの街路樹やポプラ並木、
ハスカップやハマナスの花を思い出しながら台湾の景色を目に焼きつけているところ
です。北海道では間もなく厳しい冬がやってくるころですね。皆様お身体にはくれぐ
れもお気をつけください。18年度も折り返しに入ったばかりですから…(笑)。
それでは、また。