台北通信  第7回 

台北日本人学校 能登 敬久

はじめに

 先日歩いていたら保護者の方に「台北通信見ましたよ」と言われて嬉しく
なったので頑張ります。北海道の12月は札幌のホワイトイルミネーション
などで、クリスマスシーズン一色といった感じでしょうが、台湾はクリスマ
スソングが街で流れていてもクリスマスを感じないのは雪のせいでしょうか。
師走でも年末と感じないのは私だけではないと思います。さて今回は、台湾
の気になる文化芸能を紹介してみましょう。


1 中国ゴマ

中国の伝統芸能と思っていたのですが、別名をディアボロと言います。ディアボロ
とはジャグリングの道具の一種で、空中で回転させるタイプのコマです。お椀を2つ
つなげたようなコマを2本のハンドスティクに通した糸でまわすことにより安定させ
操ります。

               

 現在台北日本人学校の小学部でブレイク中です。糸にコマを乗せるのに一苦労しますが、
それができるようになると、ハイトスやムーンサルトなど多くの技を繰り広げることができる
ようになります。小学部の子供たちのレベルも相当なもので、廊下や駐車場でそんな光景
が見られます。2007年まで続けばこのブームも本物かもしれません。

2 中国結び

唐の時代に流行し一種類の結びだけで飾る形態だったものが、清の時代になって広
まった基本結びが今に至っているそうです。「編む」「引っ張る」「整える」過程
を通して、構造が複雑で、左右対称で、立体的な結びになっています。

            

小学部の中国台湾伝承クラブや課外活動の中国結び、日本人会の婦人部のサークルなど
でも行われています。一本の紐が複雑に絡まり、その組み合わせでいろいろな作品を作る
ことができます。ちなみに私はやったことはありません。作品はなぜかわが家にたくさんあり
ます。(笑)

3 茶藝

紀元前2700年頃中国で生まれたそうです。中国茶は大きく分けて6種類です。
茶葉を発酵させない「緑茶」、自然に発酵させた「白茶」「青茶」「紅茶」、微生物の
働きで発酵させた「黄茶」「黒茶」に分けられます。烏龍茶は「青茶」の総称です。
道路は、今でも台風などの災害で被害を受けている。

           

 お茶の種類によって、適した温度や浸出時間が変えるそうです。茶壷を温め、茶器を温め、
葉を入れ、その香りを楽しみ、茶壷にお湯を注ぎ、一煎目でもう一度茶器を温め、お湯を絞り
きり、再びお湯を注ぎ、茶壷の温度が下がらないようにお湯をかけ、浸出したお茶を茶海に
入れ、聞香杯に注ぎ、そこから茶杯へ移し、上下させて、聞香杯の香りを楽しみ、ようやく
茶杯のお茶にたどりつきます。(ふぅっ)

4 京劇

チャイニーズオペラとよばれ、派手なメイクと独特なストーリー展開で楽しませてくれます。
演目は、愛や歴史をテーマに、1000近くもあり、演奏には20以上の楽器が使われるそ
うです。役者は歌、せりふ、しぐさ、立ちまわりの四功を演じて物語を進めていきます。

 何度か外国人向けの招待で見に行かせていただきました。中国文化大学にはこれらの
後継者を育成する学部があり、将来の中国伝統の指導者として、社会で活躍するそうです。
日本のような後継者不足の現状には至っていないそうです。

5 民俗芸能

先住民族はマレー・ポリネシア系民族で、6000年前に台湾に到着したと言われています。
17世紀以来漢民族に追いやられ、山岳地方中心に住むようになった。9つの民族は、山や
海を舞台に、独特の習慣をもち、機織りや踊りなどの伝統文化を受け継いでいる。。

                         

台湾東部の民族踊りの中には「ソーラン」という言葉が入っていて非常に驚きました。日本と台湾の
つながりというより、台湾と北海道の結びつきも歴史的に見てもあるようで親近感を覚えました。

日本を離れてみないとわからないということがやはり多くあるようです。しかし、現在の日本が何千年、
何万年という歴史から振り返ってみたときには、同じアジアに暮らす民族として、切っても切れない縁
を感じるのは私だけでしょうか。世界の中の日本という認識と同時にアジアの中の日本という認識を
もっていなければならないのではと思っています。それでは、今回はこの辺で…。
今年もよろしくお願いします。