なんでも 理科室
NANDEMO RIKASHITSU


   「いちご」 イチゴの苗作りから出荷までをおってみます /// No.2 ///


/// イチゴの病気を予防する ///

 イチゴには,線虫のような土壌生物からウイルスまで,たくさんの病気の元があります。夏の間水田にしたり,水をつけたりすることが,線虫の駆除には有効です。臭化メチルによる「くん蒸」も行われてきました。これは,強い毒性をもつので,使用には細心の注意が必要です。オゾン層保護のため,フロン同様この薬剤も,まもなく使うことができなくなります。なかなかよい代替物質が見つからないようです。

  

 スプレー缶のような容器に臭化メチルが入っています。一定間隔に土に差込み,畑全体をビニルで覆います。もちろん,ビニルに穴があれば,くん蒸前にテープでふさぎます。準備ができたら,缶きりのような金具で容器に穴をあけていきます。これで,土壌消毒ができます。

 病気の元になるウイルスは,土を通してうつってきます。苗のときにウイルスに感染すると,その苗からはいいイチゴはできません。ひとつの発想として,土を使わないことが考えられます。

 上の写真のように,ランナーを中空に伸ばします。これを採って,前ページのような育苗箱に植えていきます。こうすることによって,苗はウイルスから守られます。

 栽培の技術的な面からは,より詳しい情報が要求されることでしょう。ここでは,理科の話題ということで,苗をとるときにこのような方法もあるという紹介にとどめておきます。     

  (Sep 15 1999)     (Sep 15 1999)

 くん蒸を終えた畑に定植します。「畝立て」は機械で行うようになりました。左端の畝は,雨で崩れてしまいました。これは「くわ」で修復します。

 右の写真は,苗をとっていたものです。前のシーズンに実をつけていた株からとった苗を「親株」としています。苗をとっていた「親株」をそのまま実を採るための「株」としても使うことができます。窒素肥料が不足した状態をこれから1週間ほど維持することで,花芽が形成されます。これから先,肥料や温度が調整されるので,苗をとった後でも「株」の体力(?)は十分です。(この作業は,品種による特性にずいぶん影響されます)


 左上のSep/15と同じハウスのイチゴです。
 花が咲き始めました。
 そろそろ,ビニルハウスの屋根をかけ始めます。
 左の写真に見える黒いものは,潅水用のチューブです。


(Oct 17 1999)


 

           
 黒いポリエチレンのフィルムをかぶせます。(マルチといいます)
 これは
    地面の温度を保つ
    雑草が生えないようにする
 という目的の作業です。
 ビニルハウスに屋根をかけ終わりました。
 
(Oct 24 1999)

  9月15日の写真の場所です。
  11月になり,ビニルハウスの屋根は完全に張り替えられました。
  イチゴにとっては,もう,春です。

  右上に見える電球は,「電照」用です。
  「長日処理」をします。

 (Nov 06 1999)


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