■シンポジウムテーマ 「科学教育ボランティアの意義と役割」

■発表者 後藤道夫 元工学院高等学校教諭 古田豊  立教新座中学校・高等学校教諭  川村康文 京都教育大学附属高等学校教諭  山田善春 大阪市立高等学校教諭  河野晃  「あおぞら教室」主宰(中学校教諭) 森裕美子 「なるほどの森」発行人(主婦
■司会 左巻健男 京都工芸繊維大学アドミッションセンター教授
 
 まず,発表者のみなさんを紹介します。      
 後藤さんは,高校教諭を定年より少し早めに辞め,全国を回って「青少年のための科学の祭典」を組織していきました。また,科学手品の本がベストセラーになりました。今は,全国を駆けめぐりながら故郷で科学実験教室を開いています。
 古田さんは,ガリレオ工房の有力メンバーです。科学未来館開設の準備の仕事もしてきました。
 川村さんは,京都でサイエンスEネットいう活動をしています。
 山田さんは,科学教育ボランティアを活発に展開しているONSENの世話役です。
 河野さんは,月1回東京の井の頭公園であおぞら教室という名の実験教室を“勝手に”やっています。
 森さんは,久米さんというよきサポーターを得て,WEBに「なるほどの森」を掲載してきました。これからは「科学遊びの伝道師」を目指している主婦です。

 さて,ボランティア活動は,一般的には「無償で行う自発的な奉仕活動」と考えられています。
 ボランティアは,仕事でも義務でもありません。「...してあげる」という奉仕感より,「自分のできることをして自分自身を向上させるため」に行います。似たものに「趣味的活動」がありますが,ボランティア活動は,「自分の楽しみ」にとどまらないで積極的に社会とつながりをもっている活動と言うところに特徴があるでしょう。
 なお,ボランティア活動における無償性は,ただ働きをするということではなく,金銭的利益を追求するものではないということです。ときには自腹も切りますが,活動を支える条件についてはみんなで知恵を出し合って個人の負担にならないように工夫することも、ボランティア活動を長続きさせるため必要です。
 科学教育ボランティア活動は,はじめは,学校での理科離れ,青少年の科学離れなどに対して何か対策はないか,ということがきっかけでした。
 地域や学校PTAなどの科学実験室から大規模な科学実験展覧会までさまざまな形態で行われるようになりました。司会者も,“科学お楽しみ広場”という教員対象の実験教室を企画・実施し,科学の楽しさ・おもしろさを知らせる試みをしたことがあります。
 今回のシンポジウムでは,先ず後藤道夫さんから,全国で行われるようになった「青少年のための科学の祭典」のスタート時から,現在故郷で行っている活動までをお話してもらおうと思います。 
 次に,古田さんから、物理教育実践検討サークル(通称 ガリレオ工房)が,地域の実験教室などに積極的にかかわっていくようになったいきさつ,そこでのエピソードをお願いします。
 川村さんからは,この京都でサイエンスEネットを立ち上げ,実験教室と共に実験書の発行も行っているという話,山田さんからは今回の主催者であるONSENの立ち上げから,理科の教員だけでなく科学好きな一般の人をたくさんアクティブメンバーに加えて非常に活発に活動を展開しているようすや、今回の大会をOnsenが開催するにいたった状況などをお願いします。
 河野さんと森さんは,一人でも志をもってボランティア活動に立ち上がると,大きな世界が広がっていくということをお話してほしいと思います。 
 こうして,6人の方の基本的なお話から,時間軸に沿った過去から現在までの「科学教育ボランティアの世界」を見ていきたいと思います。
 当然の事ながら,ボランティアの実態,抱えている問題,日本の理科教育とのかかわり,その意義などもお話の中には出てくるでしょうし,フロアのみなさんの意見でさらに具体的に出し合ってもいきたいと思います。
 最後に「これからの科学教育ボランティア」に期待されるもの、その可能性などを出し合い未来に向かった夢ある方向性を参加者で確認し合いたいと思います。


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