光の科学 2000/12/10

12月の活動は湘南台高校で、光についての勉強をします。
魚眼万華鏡、虹色万華鏡を作りながら、光の屈折や反射、光のスペクトルなどについて実験をとおして学んでいきます。
虹スクリーンを作って、人工虹の実験も行います。


 はじめに団長の高山先生のお話を聞きます。レーザーポインターの危険性などについて注意がありました。

 今日作る教材はこれ。プラスチックの鏡を三角形に組んで万華鏡にします。筒に透明ビー玉をはめこむと「魚眼万華鏡」に、回折格子をとりつけると「虹色万華鏡」になります。

 作りながらいろいろ実験していきます。はじめは鏡を入れずに、筒にビー玉だけをはめてのぞいてみます。

 ビー玉に写る世界はさかさまになっています。それにずいぶん広い範囲が見えています。光はどのように進んでくるのでしょう。

 ビー玉をはめた筒で紙の上の文字を見てみましょう。ルーペのように拡大されて見えます。

 ビー玉を通して見た文字。今度はさかさまでなくとても大きく見えています。上の写真のように見える距離と、この写真のように見える距離の境目がどこかにあるはずです。

 回折格子のフィルムを通して光源を見てみましょう。まず太陽の光や白熱電球の光から。そのほかにナトリウム灯、カドミウム灯、水銀灯、蛍光灯を見比べました。

 回折格子を通してみた蛍光灯の光。きれいな虹色がすきまなくつながって見えます。こういうのを連続スペクトルといいます。水銀灯などの光はとびとびの光になっています。

 実験の後は万華鏡の工作です。黒い紙を切り抜いて穴をあけ回折格子を貼ります。

 小さな穴のあいたスリットと、回折格子のついたふたを筒の両端に取り付けると簡易分光器のできあがり。さらに筒の中に鏡を入れると「虹色万華鏡」になります。

 万華鏡の先にビー玉を入れた「魚眼万華鏡」の世界。見慣れたものでもこれを通してみると別世界になります。

 「虹色万華鏡」をのぞいたところ。スペクトルが鏡で何重にもなって、幻想的な光景です。

 今度は虹スクリーンを作ります。黒画用紙にスプレー糊をふきつけて、虹ビーズという直径0.2mmの細かいプラスチック球を一面に貼り付けます。

 虹ビーズをのせているところ。糊のついた紙の一端に虹ビーズを盛り、ゆっくりと持ち上げると紙の表面にビーズがくっつきます。トントンはたいてできあがり。

 部屋の中でOHPを太陽に見立てて人工虹の観察。虹スクリーンの上にできた自分の頭の影に虹の輪が現れます。虹は自分にしか見えません。

 タイミング良く陽が射してきました。太陽を背にしてスクリーンを見てみましょう。やはり本物の太陽の光で見た方がきれいだね。

 虹はこんなふうに円形をしています。色の順番も大切な知識です。外側が赤、内側が紫になっていますね。虹の輪の中が明るく外が暗いことにも注意しましょう。

 もうすぐクリスマス。ツリー用のイルミネーションを虹スクリーンの上にかざしてみると、それぞれの電球を中心にシャボン玉のように虹の輪が浮き上がって見えます。

 そうこうするうち、外には本物の虹が現れました。ラッキー!!なんて運がいいんでしょう。こっちは晴れているけど、あの下では雨が降っているんだよ。おとなりの長後方面は雨だね。

 白昼に見える虹は珍しく、太陽高度の低い冬ならではの光景です。虹の色の順番、虹の輪の中が明るいことなど実物で確かめられました。外側にはうっすらと副虹も見えています。神様から20世紀最後の大プレゼントです。

12月活動テキスト「光の科学」(PDFファイル556KB)のダウンロード

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