宇宙へのあこがれを誘う微小重力実験

神奈川県立湘南台高等学校 山本明利

●子供は宇宙好き
 生徒たちの宇宙へのあこがれは極めて強い。授業では折にふれて天体や宇宙船を引き合いに出して興味付けを行っている。 特に、いわゆる「無重力」の世界は選ばれた宇宙飛行士のみが体験できる環境として関心が高いが、生徒はこれを全く別世界のこととして自分の住む地上の環境や一般的な物理法則と切り離して考えてしまう傾向がある。

●教室内で微小重力実験
 教室内で手軽に微小重力の世界を垣間見る手段として、小型CCDカメラとビデオトランスミッターをとりつけた実験箱を用意し、自由落下中の箱内部の画像をワイヤレスで送受信してTVで観察する実験を行っている。落下塔による微小重力実験の簡易版である。
 1秒足らずのわずかな時間だけ実現する「ミニ宇宙」をVTRで記録し、あとからコマ送りで再生して観察する。まことにけなげな努力と言わざるを得ないが、自分達の手で実験を行い、目の前で起こっている現象を別の立場から観察して比較することで、生徒たちは宇宙船内で起こっていることが特殊な現象ではないことを理解するようになる。
 日本人の感覚で選んだ身近な現象を宇宙実験と比較してみることができる点で、JEM青少年プログラムは教育効果が極めて高いと期待される。

●E-mail・パソ通でアイデア募集を
 宇宙実験の公募にあたっては、文書による以外に、最近教育現場でも普及の著しいE-mailやメイリングリスト、パソコン通信を活用したストレートで双方向的な応募手段もぜひ用意してほしい。
 リラックスした環境でこそ良いアイデアは生まれてくる。現場の方との直接対話を経ながら実験を企画できれば、生徒も宇宙をより身近に感じることができるだろう。


【「JEM青少年プログラムのためのシンポジウム」レジュメに掲載 97/09/06】


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