例会速報 99/04/21 慶應高校


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長焦点レンズによる教室カメラ 喜多さんの発表

 前回、金子さんが披露してくれた、遠視用眼鏡レンズ(0.25ジオプター=焦点距離4m)を用いての「教室カメラ」の追試です。今回は明るいうちだったのでとてもよく像が見えました。実験室の外の焼却炉の煙突がはっきり写っています(左下)。
 スクリーンが改良されて扱いやすくなっています。右下の写真のような半透明ゴミ袋を油絵用のキャンバスの枠に張っただけです。不思議に透過光のほうがよく見えます。スクリーンは光軸上にある必要はありません。像は教室内のかなり広い範囲で観察されます。スクリーンをたくさん用意して、生徒にそれぞれ持たせるのも面白いかも・・・


お手軽電気分解用電極 徳永さんの発表

 この春から中学生も教えている徳永さんが、授業で愛用している配線用ケーブルの被覆をむいただけでできるお手軽電極です。ステンレス電極より性能がいいとか。曲げ伸ばしも自由で、使い捨てにしても惜しくない。


原子力セミナー報告 徳永さんの報告

 原研の原子力セミナーに参加してきた徳永さんが、数々のおみやげを披露してくれました。左は低温拡散型霧箱。ドライアイスの上に乗せて使います。閃ウラン鉱の線源付き。右は炭素14をトレーサーとして撮影した葉の写真。炭酸同化が盛んなところが赤く表現されています。



同時落下実験器? 喜多さんの発表

 某社の同時落下実験器。左のハンマーを振り下ろすと、右のハンマーが右の球を水平に叩き出し、同時に左の球がはずれて自由落下・・・するはずです。

 しかし実は同時落下にはなっていないのです。デジカメがとらえた決定的瞬間。右の球がやや遅れて落下しているように見えます。球を固定する穴のため、水平投射ではなく若干斜方投射気味になっているようです。

 喜多さんは、デジタルビデオを使って連続撮影した画像をコマ送りで解析し、発射装置自体を十数度右下がりに傾けることで同時落下にできることを突きとめました。しかし、「生徒をだましているようで後味が悪い。」とは喜多さんの弁。



「おむすび」販売組み立て会 金子さんの製作指導

 12月例会で公開され、YPCでは「おむすび車輪」の愛称で親しまれている定幅図形の車輪の量産が完成。予約者に実費で頒布されました。購入者は金子さんの指導のもと、その場で組み立て実習です。

 たくさんそろったのでこんな事もできます。市江さんの巨体が指二本で軽々動かせます。「全然揺れなくて快適ですよ。」と市江さん。こんな事をするのは世界広しといえどもYPCだけでしょう。



みんなで逆さ試験管 鈴木さんの発表と全員での練習会

 これもおなじみの「逆さ試験管」の実験。手持ちバージョンに全員で挑戦。

 「君たち下手だね。こうやるんだよ。」浅見さんは見事に成功。

 「どれどれ、俺にもやらせろ。」「なかなかむずかしいぞ。」あとは練習あるのみ。


絶縁抵抗計 山本の発表

 某大学の研究室閉鎖に伴う放出品の中にこんな掘り出し物がありました。1MΩ〜2000MΩの高抵抗が計れる絶縁抵抗計(通称メガー)です。一般には絶縁体と信じられているものでも、その抵抗値はさまざまです。木や竹は湿気の含み方で10MΩから2000MΩ以上まで抵抗が大きく変化します。チョークも100MΩ程度と意外に抵抗が小さいのですが、ライターであぶると見る見る抵抗が上がって行くところから見て、やはり水分がかなりきいているようです。色チョークの方が抵抗が大きいのもちょっと面白い。


続ワインスタンド 小河原さんの発表

 これもYPCの人気アイテム。明治公園のフリーマーケットで購入。

 小河原さん自作の「二本立て」。おそれいりました。


ストレートは変化球? 小河原さんの発表

 ストレートもマグヌス効果で球を若干ホップさせて「のび」を演出しているという話を実演するために開発した説明用ボール。発泡スチロール球にディンプルをつけてあります。回転をつけて投げると変化がよくわかります。室内でも安全に実験ができます。



折りたたみ可能な竹トンボ・計算編 小河原さんの発表

昨年10月例会の発表の続編で、小河原さんは折りたたみ式竹トンボの運動を詳しく解析した。羽根が水平に開いてホバリングする条件は毎秒約31回転、などの結果を得ました。詳しくは次号YPCニュースで。


 


「8コマ写真」による運動の解析 右近さんの発表

 富士フィルムの「写ルンです・8コマ写真」という使い切りカメラがあります。¥1400+同時プリント料¥1000で8コマ連写写真が15枚とれます。撮影間隔は約1/7秒ごとで、物体の運動などの解析にもってこいです。右近さんは、さっそく鉛直投射を撮影して、重力加速度の計測実験をしました。空気抵抗のため上昇時と下降時で加速度が違っているのがグラフからはっきり読みとれます。


 YPCの好奇心はカメラそのものにも向けられました。いったいどんな仕組みで「連写」を行うのでしょう。レンズが8つあるのは外観ですぐにわかります。シャッターを次々に開いて、1コマに8フレームの写真を一気に撮影するわけです。ではそのシャッター機構はどうなっているのでしょう。


 これが種明かしです。レンズの裏には歯車機構のシャッターがありました。一つの歯車が二つの窓を担当し、等間隔の時間差で露出を制御しています。これが使い切りカメラだなんてもったいない。¥1400なら安い!!見かけたら即買い占めですね。


交直両用クリップモーター 市江さんの発表

 科学の祭典用にチューンナップしているネタ。スタンダードなクリップモーターですが、いかに作業工程を短縮するかなどの試行錯誤をしています。右は自転車のダイナモを使って交流を発生させ、それでクリップモーターを回そうという実験。うまくタイミングが合うと回転が続きます。いずれも途中経過のご報告でした。乞うご期待。



ダイヤモンドの燃焼 渡辺さんの新製品紹介

 中村理科がまもなく発売を予定している「ダイヤモンド燃焼キット」の実演を渡辺さんが見せてくれました。開発者は東大付属中・高校の左巻建男さんです。

 石英管の中に小さな天然ダイヤを入れ、レギュレータ付きの酸素ボンベから酸素を供給しながら強熱するというものです。ダイヤモンドが炭素の同素体であることは有名ですが、実際に燃えるところを見た人は少ないでしょう。

 石英管の中のダイヤモンド。

 酸素を送りながらバーナーで強熱します。

 ダイヤが燃えはじめました。バーナーを取り去っても静かに燃え続けます。

 青白い炎が幻想的。石灰水が濁ることから、確かに炭素であるとわかります。


バコチンくん 佐藤さんの発表

 学研の「1年のかがく」の編集者の佐藤さんが、4月新入学号の「豪華付録」を披露してくれました。バコチンくんというキャラクターをあしらった、磁石の実験セットです。強力磁石がいくつもついていてたくさんの磁石遊びができるのですが、中でも目を引くのは「磁性流体」。磁力線に沿って角を出しながら生き物のように動きます。例会出席者からも欲しいという声しきり。



二次会 日吉駅前「949」にて

 例会には33名が、二次会には21名が参加。持ち込んだ発表ネタが消化しきれないくらい盛り上がった例会でした。新天地へ異動になった、小沢さん、宮崎さんの前途を祝して「カンパーイ」。まだまだ忙しいけど、今年度もガンバロー!


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