例会速報 99/06/16 湘南台高校


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風船の内部気圧 山本の発表

 前回の柏陽例会で、時間切れのため高杉さんが出しそこねた発表ネタがあった。「大きいシャボン玉と小さいシャボン玉を管で連結すると、必ず大きい方が膨らみ、小さい方がしぼんで終局する。」というよく知られた現象を、よりダイナミックにゴム風船で説明できないか、というものだった。

 この話題は、その後YPCメーリングリストで討論されていたが、結論からいうと風船での実験は必ずしもシャボン玉と同じ結果にならない。そのわけは「ゴム風船の表面張力がシャボン玉のように一定ではないから」ということになる。

 山本はゴム風船の半径と内部気圧の関係を、自作の「水マノメータ」(写真)により測定し、このことを突きとめた。風船内外の気圧差は、膨らませはじめの時大きなピークを迎えるが、その後半径が大きくなるにつれ低下していき、ゴムの弾性限界に近づくにつれ、再び急速に増大する。

 圧力差と半径から計算によって求めた表面張力は、膨らませはじめで0からジャンプして一定値に達してしばらく保持されるが、弾性限界に近づくと急激に増大する。これはメーリングリストでの右近さんの予想の通りだった。

 詳しくは次号「YPCニュース」を。


人が乗れる大型振動ゴキブリ 山本の発表

 一時YPCでも流行した、振動ゴキブリシリーズに、ついに「人が乗れる」巨大バージョンが登場。板の上に乗ってバタバタ足踏みをすると、板が少しずつ前進していく。

 しくみは下の写真の通り。100円ショップで求めたブラシ8個を中央で切断して毛足をそろえて取り付けてある。振動によりネコジャラシと同じ原理で前進するのだ。

 しかし、なんでこんなばかばかしいもの作っちゃったんだろ・・・(自戒)



不思議な水中逆さコップ 山本の発表

 底に穴をあけたプラスチックコップ(比重は水とほぼ同じ)と水槽を用意する。空気が漏れないように穴を指でふさぎながら、コップを逆さにふせて水槽の底に立てる。さて、ここで手を離したらコップはどうなるだろう。

 もちろん浮かぶ?!・・・それとも・・・

 結果はご覧の通り。穴から空気が漏れつつ、コップは底にはりついたままだ。水が下の隙間から入り込み、コップをほぼ満たし、泡が出なくなると、コップはおもむろに浮かんでくる。

 山本の息子が風呂場で偶然発見した不思議な現象である。

 穴の大きさを変えてやってみる。初期条件をそろえるのが難しいが、水が滲入する速さが同じなら、穴の小さい方が先に泡が出なくなり、より多くの空気を残したまま浮上してくる。これは表面張力による圧力差で説明ができる。

 この現象の詳しい解説は「天神の研究室」の「不思議な水中逆さコップ」へ。


ミウラ折り指南 鈴木健夫さんの発表

 人工衛星の太陽電池パネルの展開などに応用できるという、一軸平面展開法「ミウラ折り」の自作法を鈴木さんが指南してくれた。


 折りあがった紙の対角線をつまんで・・・

 そのまま押し縮めて行くと、紙は自然に畳まれて・・・

 こんなに小さくなってしまう。もちろん展開も両端を軽く引くだけでOK。


静電遮蔽 徳永さんの発表

 内側が銀色の袋がある。きっと金属のフィルムが使ってあるのだろうと思って、静電遮蔽の演示でラジオをいれて見た。しかし、左の写真のホームパイの袋のように、全然遮蔽してくれないものもある。お茶やコーヒーの袋(右)だと確かにシールドされている。同じように銀色に見えるのに、前者は伝導性がないのだ。なぜだろう。
 さっそく袋を分解したり、テスターをあてたりして探求が始まった。その場の結論として、ホームパイの方は、蒸着膜が局所的には光が反射できる程度の粒径にはなっているが、互いに接続しておらず、膜全体としての伝導ができないのだろうということになった。さて、真相はいかに。そもそもどうして袋の内側は銀色なの?光線による内容物の劣化を避けるためかなあ。



楕円の焦点 喜多さんの発表

 喜多さんは3月のAPEJで京都の笠潤平さんが発表された話題をもとに、任意の楕円についてその焦点を示す方法を開発した。

 まず、以前に紹介した「楕円書き」で楕円形を描く。

 銀メッキつきボール紙を描いた楕円形に沿って磁石で固定する。一方の焦点からレーザー光を発すると、反射光は必ず他方の焦点を通る。こうして任意に描いた楕円について、焦点の意味を示すことができる。


スペクトラマジックグラス 山本の発表

 たれぱんだを思わせるデザインのこのメガネ。この夏、玩具屋の店頭でよく見かける花火セット(株式会社オンダ製)におまけとしてついている。このメガネを通して花火のような点光源を見ると・・・

 なんと、こんな風に見える!!あまりの美しさに一瞬言葉を失う。レーザー光をあてても同じように渦巻き型のパターンが投影される。回折格子の応用であろうことは容易に想像できる。さて、どんなしくみになっているか・・・

 今回は時間がなかったので、全員に宿題が出た。出席者は¥300の花火つきスペクトラグラス(ちがうって・・・(^^))の即売に群がった。

 一つ、強力ヒントを出そう。左の写真は同じ光源を、同じメガネを通して撮影したものだが、カメラの絞りを絞ってある。上の写真は絞りを開いて撮影したものだ。両者を比べてその違いに注目しよう。

 正解は、「天神の研究室」の「驚異のスペクトラマジックグラス」を!


コリオリの力を示す実験 金子さんの発表

 中村理科の「フーコー振り子実験器(ばね振り子式)B」地球の上で揺れる振り子をイメージするのにはよいが、地上の観測者の視点に立つのがむずかしい。

 市江さんが撮影しているのは、同じ中村理科の「フーコー振り子実験器(ばね振り子式)A」。これだと観測者自身が自転する地球となるので振動面の変化が直接体感できる。効果的な教材だ。

 そこで金子さんが考案したのは、細いアクリル管の先におもりを取り付けた大型逆振り子。これを揺らしながら回転いすに乗って回してもらう。振り子の振動方向が見る見る変わっていくのがわかる。

天燈(テンダン)の型紙 鈴木亮太郎さんの発表

 昨年、YPCで共同購入して好評だった台湾の熱気球「天燈」。鈴木さんは、再び台湾に飛び、その作り方を修行して帰国した。次回慶應湘南藤沢での例会でその技術を伝授する製作会を開く予定だが、今回はその予告編だ。

 黄色い紙と同じ形のものを4枚貼り合わせると、赤い紙のような気球の本体ができあがる。四角い紙で天井の穴をふさぎ、下部に竹の輪を取り付けてできあがり。作ってみたい人は、次回SFCに集まろう。


二次会 湘南台「紅葉」にて

 16人が参加して、かんぱーい!!二次会も大いに盛り上がった。本日のメニューはお好み焼きともんじゃ焼きのフルコース。

 もんじゃ焼きは二度目だが、前回の失敗を生かして、各班とも確実な技術の向上が見られる。何事も経験。体験型学習の重要性を証明する食事であった。実はこれも研修のうち?

 小沢さんが持ち込んだ「二次会ネタ」は、「イオン歯ブラシ・口臭快道」。

 なんと、「ガルバー二の電気の法則」により、純金+メタルのパワーで歯垢を分解する。電池いらずの優れものだ。う〜、チョーアヤシイ!?


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