2019年2月16日(土)の記録の第2ページです


 円運動する物体と浮力(田中さん  
 目盛りのついた木の板の下にはステッピングモーターがあり、速さをボリュームで可変できるようにしてあります。
 徐々に速度が上がるようにプログラミングし、最終的に物体を目視できる程度の速さで等速円運動させることができます。

 第1問  回転する台の上に、水の入ったペットボトルに@重い金属球A発泡スチロール球を入れ、それぞれペットボトルの上端または下端と糸でつなぎます。回転台を回すと、2つの球はどうようになるでしょうか?

 金属球は外側へ、発泡スチロール球は内側へ傾きます。水と比べて密度の大小で、密度の大きいもの動きが先に決まるという説明が成り立ちます。  
 目盛りの間には窪みがあり、ペットボトルの台座とピッタリ!  金属球とスチロール球の円運動。
 次に、ペットボトルの水を減らし、発泡スチロール球が水に浮き、球をつなぎ止めている糸がたるむようにします。
 この装置を回転させると、発泡スチロール球はどうなるでしょうか。
 (ア)外側へ動く。(イ)内側へ動く。(ウ)動かない。

 結果は速くなっていっても動きませんでした。⇒(ウ)
 円運動する立場から運動を考えると、重力と遠心力(慣性力)を合成した「見かけの重力」が、斜めに働きます。(確かに水面は『みかけの重力』と垂直な方向になることが観察できました。)

 浮力は見かけの重力方向と逆に生じるため、力がつりあって動かない状態が続くという訳です。  
 水を抜き、水面に球を浮かばせると...  遠心力を使い説明する奥村さん。

 500円で光の3原色 (飯田さん  
 飯田さんがデモンストレーション用に開発し、国際会議等でも好評を博してきた光の3原色の実験。
 ダイナミックに見せるため、そして、均一な線光源を得るため、以前は、蛍光灯型のカラーLEDを使っていました。
 100円ショップで販売されていた9SMD・1LEDという光源で代用したところ、十分に線光源として機能しそうということで、3原色は赤はゼラチンフィルター、青・緑は2重のセロファンで覆います。

 実験結果は右の画像の通り、十分実用可能なレベルです。細かい事をいうとセロファンによって、光の透過率が異なるため、同じ強さの光ではないため、白色光を作るにはスクリーンからそれぞれの光源までの距離を調節する必要があることくらいでしょうか!?
 でも、簡単に作れる魅力は大きいです。授業に、自由研究に是非どうぞ!  
 補色を調べる実験も御覧の通り、鮮やかに。  スクリーンを傾けると、より分かりやすい。

 浮力のモデル実験 (飯田さん  
 奥村さんから刺激を受け、浮力のモデル実験の有用性を検証しました。

 まず、容器にBB弾を詰め、そこにBB弾で満たした容器を押し込みます。
 そして、バイブレーター(電動マッサージ器)を容器の下の側面に当て振動を加えると、BB弾で満たされた容器が浮かんできます。

 水の中の水が浮くような話、もっと言えば、容器分密度が増しているにも関わらず、このモデルでいう浮力が増えてしまい、浮力の理論値との矛盾が生じます。
 ペットボトルから作った容器。側面の変形と形状も気になります。
 BB弾では、理論とは決定的に反する結果がでましたが、飯田さんは小豆でも実験をしてみました。
 小豆で実験すると理論値にほぼ一致したそうで、会場でも実験を行いました。
 測定値がおかしいと実験を続ける飯田さんは無意識に?理論値に近付けているだけではという疑いの目が...
 そんなことはお構いなしに、真剣に「あずきだと・・・」と連呼する飯田さんに皆苦笑い。

 それにしても小豆とBB弾の結果が大きく異なる理由は何なのでしょうか??
 左に見えるのが小豆入り容器。

 本の紹介 (佐野さん  
 「昆虫学者はやめられない 〜裏山の奇人、徘徊の記〜」という本の紹介でした。

 著者の小松 貴さんは佐野さんの大学のサークルの後輩で、大型書店で物理の本を見ていたところ、近くの生物学コーナーの著者名に目がとまり、見つけたとの事。
 小松さんは大学時代から講義が終わると、毎日のようにタモを持って里山へ自転車で虫探しに勤しんでいたそうです。
 非常に面白い本です。

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