サボニウス風車風力発電機   川村 康文

 (1) サボニウス型風車
 サボニウス型風車は,円筒形を縦に2つに切った形をしたバケットを,中心を少しずらして心棒を取り付けたような形をした風車である。
 よく知られている風車の1つに,ロビンソン風速計に利用されるパドル型風車がある。この風車は,風に押されて回るタイプの風車で,風を受ける方のパドルに対して反対側のパドルは,風に対して抵抗となる。このタイプの風車を抗力方風車という。サボニウス型風車はこの欠点を改良したものである。
 抗力型風車の風の受け方をみると,片方のパドルが風を受けているとき,反対側のパドルは,形状がお椀型であるため幾分かは抵抗を減らしてはいるが,風に対して抵抗力となっている。それに対して,サボニウス型風車は,図4のように,2つのバケットの間を通り抜ける風も,反対側のバケットを回す方向に利用して,回転の効率を高める。サボニウス型の風車でも,風を受ける面と逆の面では回転するのに抵抗になるが,風を受けている面から,風に抵抗になる側の方に風が流れ込んで,回転方向に押すので効率がよい。
 サボニウス型風車は,プロペラ型などの風車に比べると,回転速度が上がらないという弱点をもっているが,微風でも回転を始めるという特長をもっている。したがって,高速回転を求められるタイプの発電機には向かないが,少々回転させるのが重くても,低い回転数で発電できる発電機には向いている。
 サボニウス型風車では,風向きを問わないという特長も持ち合わせている。どの向きから風がふいてきても回転を始める。プロペラ型の風車では,風向きに対して正面を向いていないと回転数があがらない。
 
 (2) サボニウス型風車風力発電機の製作手順
 性能よく発電することができる風力発電気を実際に製作し,発電実験を行った。この実験教材としての発電機の特徴は,以下の3点である。
@発電機に,自転車のハブダイナモを用いた。
A大きなトルクを得るために,70リットルゴミバケツを風車として利用した。
B授業における学習効果をあげるため,自転車のヘッドライトのみならず,携帯用の蛍光灯や,模型の扇風機,携帯ラジオを作動させた。特に,ラジオが鳴ったときには,生徒が感動する場面がみられた。
 1) 材 料
 ゴミバケツ70L,ハブダイナモ,自転車の車輪,大きな円形ベニヤ(26インチ自転車の車輪程度か,それより大きなのもの),重い台,整流用のダイオード,自転車のヘッドライト,トランジスタラジオ,携帯用蛍光灯,模型の扇風機
 2)工作方法
@ 自転車の車輪の車軸の片側をスタンド台のような重い台に固定する。
A 自転車の車輪の上に,円形のベニヤ板を固定する。ベニヤ板に自転車の車輪のリムをあわせ,リム付近に穴をあける。この穴にコマひもを通して,リムにくくりつけ車輪にベニヤ板を固定する。
B 円形ベニヤ板の上にゴミバケツを,半分に切って互い違いに固定する。下図のように円形ベニヤ板の上に半分に切ったゴミバケツを設置し,これを木ねじで,ベニヤ板に固定すると完成である。

 (3) サボニウス型風車風力発電気を用いて行う実験
 サボニウス型風車風力発電機を用いて,実際に風力発電実験を行う。室内での実験の場合は,扇風機で発生させた風をサボニウス型風車にあて,風車を徐々にあげ風車を速く回転させる。野外では風の強い場所を調べ,雨に濡れないように設置する。
 このとき発電した電気は,家庭用のコンセントに届いている電気と同じく交流である。そこで,ダイオードを用いて交流を整流し直流にする必要がある。自転車のヘッドライトは,交流のまま点灯を確認し,携帯用蛍光灯,携帯用ラジオ,模型のモータで回転する扇風機は,整流し直流にして発電を確認する。
 自然風でラジオを聞く(radiosoto.mpg)