第5回クリスマス京都レクチャー
2003年12月21日
日時:12月21日(日) 13:30〜15:30
場所:京都府・近畿地方発明センター
(京都市左京区吉田河原町14
京阪電車 丸太町駅下車・出町柳駅下車)
内容:
テーマ『地球温暖化と二酸化炭素−京都議定書を守ろう!』
1.理事長あいさつ・きよしこの夜(13:30〜13:40)
「ロンドン王立協会でのマイケル・ファラディのクリスマスレクチャーのことにも触れていただけ,
さらに,そのクリスマスレクチャーを受けた若者たちのなかに,
後にノーベル賞をもらった人がたくさんおられる。
京都のこのレクチャーを受けたみなさんの中から,ノーベル賞をもらう人がでてくれればいいですね。」
2.ロウソクの科学(13:40〜13:55)<ステージ型実験>
ロウソクを,2Lのガラスビン(物理にあります)に,そろりと入れます。
「さあ,みなさん,このロウソクの炎はどうなりますか?」
「消えるでー。」
双方向で,やりとりしているうちに,ろうそくの炎が消えます。
「さて,みなさん,ロウソクの炎は,どうしてきえたのでしょうか?」
青の博士:「それはな。ロウソクにもうこれいじょう,もえるものがなかったからじゃ」
赤の博士:「いやいや,ロウソクは,まだそこにあるじゃないですか?
まわりの空気に,もうこれ以上もえるものが無くなったからじゃ。」
青の博士:「ロウソクの胴体はあっても,もう,もえるものは,全部ろうそくから出ていって,も抜けのからじゃ!」
赤の博士:「そんなことをいうなら,そのビンから出して,もう1回火をつけてみればいいじゃないか」
司会 :「では,赤の博士の言うとおり,やってみますね。あらー!燃えました。ということは,,,,」
青の博士:「うん。こりゃ,どうもワシの負けだな。」
白の博士:「でも,赤の博士の言っていることがただしいのかな?」
赤の博士:「白の博士,なにか,ワシの言っておることに間違いがあるのか?」
白の博士:「ここにあるのがガス検知管といって,みなさんのなかには学校でもう勉強した人もいるかな?
これを使って,ロウソクが燃える前とその後を比較してみよう」
司会 :「白の博士,この検知管は何を調べるのですか?」
白の博士:「これは,酸素調べる検知管じゃ。さあ,司会者さん,試してみてください。」
司会 :「まあ,約20%の酸素がありますね。」
白の博士:「では,青の博士と赤の博士で,もう一度,ロウソクをもやす実験をしてみてください。
そして,ロウソクの炎が消えたら,司会者さん,こんどはこっちの検知管を試してください。」
司会 :「こっちは,何を調べるのですか?」
白の博士:「それは,二酸化炭素を調べるものじゃ。さあどうなったか?」
司会 :「うーん4%ぐらい,ありますね。」
白の博士:「なんと,4%もあるのか?そのむかし,自動車がいっぱい京都の町中を走り回る前は,
この二酸化炭素は0.3%もなかったのになあ。」
青の博士:「いやいや,白の博士。そんな閉じこめておいたところだから4%もあるのであって,
本当は,そうやって燃やしたヤツでも,大空までに広がっているから,そんな心配はないよ。」
赤の博士:「いやいや,青の博士。そんなのんきなことを言っている博士がいたから,
いまごろになって,地球が温暖化して大変な話になっているのじゃないか!」
司会 :「そうですよね。みんなが,あまり気にせず,空気中に二酸化炭素をぽいぽい捨ててきたから,
大変なことになっているんですよ。
博士さんたち!博士さんたちは,京都議定書っていうのを知っていますか?」
司会 :「それでは,陰の博士に,京都議定書の説明をしてもらいましょ!
陰の博士,どうぞよろしくお願いします。」
陰の博士:「京都議定書というは,,,,,,,(パワーポイントで説明),,,,」
司会 :「陰の博士,どうもありがとうございました。みなさん,わかりましたか?
<司会者は,ココデもう1度要点を整理しておく>」
司会 :「さて,地球温暖化のおもな原因が二酸化炭素の大量放出だということがわかりましたね。
今日は,二酸化炭素のいろいろな性質を勉強して帰ってもらいましょう。
それでは,二酸化炭素ってどんな性質をもっているか,
各テーブルの先生,どうぞよろしくお願いします。」
3.石灰水を白く濁らせる実験(13:55〜14:10)<参加型実験>
ナイロン袋に空気をつめて,その空気を袋の先にストローをつけて,石灰水に入れる。にごらない。
気体検知管で,酸素の濃度(%)と二酸化炭素の濃度(%)を,各児童に計らせる。
次に,子どもの息を,ストローで直接,石灰水に入れる。にごる。
ナイロン袋に子どもの息を吹き込ませて,気体検知管で酸素の濃度(%)と二酸化炭素の濃度(%)を計らせる。
はいた息の中にも酸素が約18%程度残っていることを,各テーブルに主任講師が,意識させる。
大抵の児童は,「そんなに残っているの?」とびっくりする。
4.大型風船をつかった実験(14:10〜14:25)<全空間参加型実験>
博士:「さあ,こんどは,ステージの方をみてください。こんなに大きな風船があります。
この風船をもってみると,片方がとっても重いです。うーん,二酸化炭素が
入っているんだね。さて,みなさん,どっちが二酸化炭素だと思いますか?」
児童:「さっき,ロウソクの炎が消えたときのことを考えると,二酸化炭素はまわりの空気より重く,
下に沈んでたとおもいますので,大きな風船にしても,二酸化炭素の方が,重いと思います。」
博士:「うーん。素晴らしい意見だね。その通りです。では,いまから,大型風船をみんなでついて,
二酸化炭素の重さを感じてみましょう!!」
そのあとは,ランダムに風船をつく大型風船付きをする。スタッフはストーブに風船が行かないようにする。
メガネをかけている方には,二酸化炭素いり風船は,ぶつかると衝撃があるので,外すか注意するように呼びかける。
12分たてば,撤収を始める。なお,このとき,同時に風船のエアーを抜いていく。スタッフは,それに集中する。
5.二酸化炭素は,水にとけて酸性を示すよ(14:25〜14:45)<ステージ型・参加型実験>
水によく溶けることを,2Lペットボトルに水を半分入れて,その後二酸化炭素ボンベから
二酸化炭素を入れ,振るとペコとへっこみます。
これを,行う前に,わりと大柄な子どもに,ステージに来てもらい,息を吸って,
ペットボトル(やや固い目)をへこましてもらいます。息をすったぐらいだと,小学生の場合は,
へっこまないので,二酸化炭素が水にとけて,ペットボトルがへこむと,「おお!」と歓声があがります。
さらに,そのペットボトルのふたをあけ,もとに戻してから,さらに二酸化炭素を追い込みます。
するともう1回ぐらいだと,そのままへこむので,子ども達に二酸化炭素は水によくとけることを
しめすことができます。
そして,引き続いて炭酸飲料の話にふれます。
各テーブルで,紫キャベツを使って,二酸化炭素を溶かした量をかえたものを入れ,
色の変化を調べます。濃度がこいと,より酸性であることを示します。しかし,
ある程度以上は,色の変化がなく,酢やレモンの方が,激しく色の変化があることを示し,
二酸化炭素は水にとけると弱い酸性であることを,各テーブルで,徹底してください。
6.二酸化炭素による地球温暖化デモンストレーション(14:45〜14:55)<ステージ型実験>
2つの球(ひとつは空気。もうひとつに二酸化炭素)を用意し,光源から赤外線を当てて,
温度の測定を行い,二酸化炭素の温室効果を示す実験です。
7.20mビニルチューブ型爆鳴気でロケットを打ち上げよう!(14:55〜15:05)
<全空間参加型実験>
ものを燃やすと,二酸化炭素がでますが,ものを燃やしても二酸化炭素を発生しない
エネルギーの取り出し方,この爆鳴気で,ロケットを飛ばします。
8.輝く地球実験(15:05〜15:25)<参加型実験工作>
今年のサンタさんからのみんなへの贈り物は,「美しく輝く地球をいつまでも大切にしましょう!」です。
輝く地球をひとりづつ作ります。これは,京都議定書発行の地,京都だからこそ,
地球を大切にしよう!という思いを,子ども達に共有する実験です。
作り方:地球儀(海の部分)に、蓄光シールを貼る。
9.閉会の挨拶(15:25〜15:30)
<バックに,きよしこの夜が流れていると,いかにもクリスマスレクチャーの雰囲気がでていいので,お願いします>
以上で,120分のご案内です。
スタッフ: 川村康文・川村棟吾・桜井昭三・松森弘治・松井真由美・沖田紗世子・角川佳久子・
小宅理沙・小宅玲奈・水上祐次・中川拓也・大見祐佳・保田倫子・宇高史昭・山縣宏美
業者さま: 梅川眞壽男
《京都新聞の記事》
●参加者の感想 (MLより転載)
●沖田紗世子さん
クリレクは二回目ですが、出し物も違うので緊張しました。
酸素と二酸化炭素を調べる検査管というものを初めて
使わせていただき、勉強になりました。
数値はともかく、数値を示す色の変わり方が管によって
違うのは何故なんだろうと不思議でした。
この検査管の後始末の方法をしっかり聞いていなかったらしく
置いてあった袋に一緒に何気なくいれてしまい
梅川さんにご迷惑をおかけしました。
ごめんなさい。
初めて扱うものは扱い方はもちろんのこと
後始末に至るまで注意を払うべきだと言う事を
今更ながらに気づきました。
これからはそいういことも含めて勉強していきたいと思います。
またいろいろお教えください。
光るシートを貼った地球、とってもすてきでした。
私たちの地球、きれいなままで残したいですね。
●中川拓也さん
いつもの"積木遊び"ではなく
「今回は、理科実験のお手伝いをした!」という実感がありました。
同じ班の角川先生・沖田先生に頼りながらも
生来の"理数系アレルギーのおっちゃん"が、
嬉しいような恥ずかしいような感覚で一日を過ごさせていただきました。
去年の今頃は、こんなことをしているなんて
思ってもいませんでしたが…
お土産でいただいた蓄光シートで
PATAPATAを作ってみようかな?
結局はそこにいってしまうんですね
…KATAKATAのおっちゃんとしては。
サイエンスEネットとの出会いのおかげで、
楽しい1年でした。
みなさま、ありがとうございました。
●松森弘治さん
今回は炭酸ガスによる地球温暖化をひとつの柱として組み立てられた
実験の数々と受け取っています。
京都議定書の英語版やロシア語版等は私も初めて見せて頂きました。
実験教室でキャンドルサービスを行ったのも私は初めての経験でしたが,
この時期に行うクリレクならではのものだったかと思います。
最後におこなった,輝く地球のモデルをつくる実験は子ども達の地球を大切に
する心を育むものになるように祈っております。
●宇高史昭さん
クリスマス京都レクチャーで青博士を演じました宇高です。
さて,いろいろ準備いただいたり,各グループで御指導いただいた皆様,お疲れさまでした。
個人的には,つかみの部であるろうそくの実験のところ,シナリオどおりうまく進まず,
思ったより時間をとり反省しています。
人前で話しをするのがもともと不得意なので学校での劇の発表会を思い出し,
すごく緊張してしまいました。
桜井さんや角川さん,サンタ・松井さんリードありがとうございました。楽しかったです。
実験する前に,結果がどうなるのか「わくわく・どきどき」する気持ちがとても楽しいです。
実験なので失敗もあり。うまくいかなかった場合「どうして?」と考えることも好きです。
実験する時間が十二分にある方が良いにきまっていますが,事実だけを告げる
議定書の説明の箇所だけ余分だったような気もしますが,みなさんどうでした?
子供向けに説明というは,やはり難しいですね。
紙芝居風にプレゼンしたいのですが,(気持ちだけ?!)なかなかうまくいきません。
データの加工方法など,参加された皆さん,気づかれた点をまた教えてくださいね。
●松井真由美さん
青の博士またの名は影のお助け博士(^^)
お疲れさまでしたと同時にありがとうございました。
京都議定書関連のお話、とってもわかり易い説明をしていただき感謝です。
子供たちも真剣に聞いてましたよ。
人間だけでなく、生きているものすべてに大切なことですよね。
いつまでも゛輝いている地球”であって欲しいと思います。
宇宙から見る地球ってとっても綺麗ですものね。
個人で出来る小さなことからしたいと思います。
はじめて顔合わせするスタッフがほとんどでしたが、
準備・リハーサル・本番と忙しい1日でも笑いありの楽しい実験でしたね。
本番は『ピーン』と緊張感があり、子どもにケガもなく無事に終わる事できたのも、
各テーブルの担当のチームワークの良さだったと思います。
司会進行の出来は??これは、緊張して覚えてません。
でも帰られる保護者・子供たち、素敵な笑顔で『ありがとう』
って言って頂いた事が嬉しかったです。
スタッフの皆様のおかげです。ありがとう!
●水上裕次さん
敦賀からクリレクのスタッフとして参加させていただいた水上裕次です。
当日は緊張して会場に一番で到着しました。でも昨年の例会でお会いした梅川さんと
材料の搬入をしているうちにずいぶんほぐれてきました。
午前中の打ち合わせでは,爆鳴気の予備実験をしたり,ジャンボ風船をくくったり,
ミニ地球儀にぺたぺた光るシートを貼り付けたり,紫キャベツの塩もみをしたり・・・
と初めてのことばかりでとてもめまぐるしかったですが,
ますます気分がほぐれてきました。
松井さんが赤いサンタの衣装にお色直ししていよいよ本番,
小宅さんのピアノ伴奏で「きよしこのよる」を歌ったあと,主にドナルドのテーブル
(他にはミッキー・ミニー・101ぴきわんちゃんのテーブルが設置されました)
で10人の子どもたちの実験をサポートしました。
いちおう年長の私がリーダーに指名されましたが,先の小宅さんと山縣さんに助けられて
なんとか他の3テーブルについていけました。
予定されていた2時間が本当にあっという間でした。
今回は特に二酸化炭素にこだわったメニューが中心でした。
ジャンボ風船で身体を動かしたり,静かに京都議定書の説明を聞いたりした子どもたちの
心の中にはクリレクの記憶が深く刻みつけられたと思います。