サイエンスEネット 第13回例会
【参加者】水上,松森,長浜,桜井,当銀,樋口,鈴木,川村の8人
【日時】2002年7月13日 午後2:00〜
プログラム
1.公開講座報告 (川村) 「酸性雨とpH」 および 紫イモの酸性・アルカリ性
2.発泡スチロールのパズル(水上)
3.ビー玉スターリングエンジン(桜井)
4.光触媒実験(長浜)
5.ペットフラワー(当銀)
6.サイクロイド振り子(鈴木)
7.最速降下曲線玉レース(川村)
8.カンボジア・グローバル・ミッション報告(川村)
9.高浜エルドランド実験教室(7/27.28)
10.けいはんなDEサイエンス(8/10)
1.公開講座報告 (川村)
「酸性雨とpH」 および 紫イモの酸性・アルカリ性
私のHPのエレガンス化学に,アップしてあるような内容で,公開講座を行いました。基本的な流れは,青少年のための科学の祭典京都大会でのステージと同様の流れです。
こちらに,流れを掲載しています。
紫キャベツを用いた場合,このページと,同様の実験結果が得られました。
今回は,サイエンスEネットMLで,噂になっていた「紫イモ(紅イモ)の酸性・アルカリ性」の呈色も観察しました。
<図,紅イモの酸・アルカリの呈色反応>
2.発泡スチロールのパズル(水上)
使用した発泡スチロール球は仮説実験授業の「もしも原子が見えたなら」に用いるものです。
中村理科総合カタログVol.47p.654の25ミリ球(50個で1200円)を材料に,つまようじや木工ボンドでつなぎ合わせ
○
○○ の形を2個作ります。
○○○
これと単独のスチロール球2個を組み合わせて,正6面体をつくるパズルです。(つまり上下左右の6方向から見ても同じように見えるようにします)
ちなみに川村先生が一番早く解かれました。
オリジナルではありませんが,なにかサイエンスにつながるといいですね!
3.ビー玉スターリングエンジン(桜井)
私は相変わらずの理科実験というより工作の展示ですが、やっと動き出したスターリングエンジンをお目にかけました。オモチャのようなものですが、今後少しずつ上位の機種を手がけていきたいと思います。目標は太陽熱スタ−リングエンジン発電装置です。
熱源をロウソクにしたのは西山さんのアイデアとのことです
上の写真の拡大
動画もあります → 熱源あり(119kB) 熱源なし(119kB)
こちらの方もご覧下さい!
4.光触媒実験(長浜)
実験教材が間に合わなかったので、環境光触媒の用途、可能性について、実際にTiO2 の光触媒反応により、分解した色素(メチレンブル-)、たばこのやに、微生物の殺菌効果をOHPを使用して、発表しました。
少し、難しい内容だったかもしれませんけど、環境に役に立つといった観点から少し、紹介しました。
また、実際にある有機Ti化合物に、塩酸と、エタノールとを混ぜた薬品を用意して、ガスバーナーで実際に液体から固体の薄膜を得る方法について、簡単にレクチャしました。これは、色が7色でるので、目に見えてわかるものです。
また、参考までに、いろいろな、薄膜を実際にガラス基板に材つけた材料についてもお見せいたしました。
最後に、終了間際に、やはり、コロイドを利用した方法なので、実際に水を導入して、加水分解を早めて、チンダル現象を確認しました。
レーザーは徐々に見えるようになり、最後は、ポリマー(高分子)化して、レーザーも散乱して拡散する現象を確認しました。
これは、あまりにも、分散した粒子が大きくなり、コロイドとして存在する限界域まで、達したために光の散乱がはじまったものです。
<右写真>光触媒を加えた液を加熱し,スライドガラス上に膜を作り出している。
5.ペットフラワー(当銀)
プラスチックのリユース工作「PETフラワー」
今回は熱に対する物性を利用した造形にポイントを絞りました。
●PETシート(原材)とPETボトルから切り取ったもので葉(枝)を作って試す
PETボトルは薄く延ばしたシートを型にはめて、熱風で膨らませるようにしてボトルの形に成型します。この時、ボトルの横方向より縦方向により引き伸ばされるため、工作ではミクロブラウン運動(原子が長く連なった高分子の結合軸の熱による回転運動=ゴム状態になっているため元の形に戻ろうとすること)が縦方向により強く働きます。(参考:「ゴム弾性」久保亮五
著)
●ポピー・朝顔・チューリップ型で体験
また、PET(ポリエチレンテレフタラート)は、70℃前後(ガラス転移点)で柔らかくなります。更に温めると、120〜150℃で結晶が増え始め、そのために白くなります。
※PETボトルの口部が白いものを見かけますが、これは口部を強化するために、わざとこの部分の結晶の量を増やしているためです。
またもっと温度を上げると、250℃前後で融けて、再び透明になります。
NHK松山放送で7月30日に川村先生が生で演示される実験テーマの一つです。
子ども達に、楽しく「身近なものの不思議」を伝えて下さることと楽しみにしています。
エアコンの気流があるとカセットコンロに影響するためエアコンを止めている。代わりに扇子で当銀さんをあおぐ桜井さん。
下は作品や説明が見ることが出来る当銀さんのwebです。
「The page of Utilization of waste material.The
plastic-PET/PS/PP-technical art.」
6.サイクロイド振り子(鈴木)
授業で行った振り子の等時性についてサイクロイド振り子をつかって報告させていただきました。
まず約60cmくらいの長さの振り子を小さな角度と大きな角度で周期をはかりました。そのあとサイクロイド振り子で小さな角度と大きな角度で周期をはかりました。
授業での実験結果などを こちらにアップしてあります。
以上です。
今日も前回に引き続き参加させていただきありがとうございました。
7.最速降下曲線玉レース(川村)
6のサイクロイド振り子を受けて,サイクロイドの曲線上を転がり落ちる「玉のレース」をみました。
サイクロイド曲線が,最速降下曲線になっていることを,体感して頂きました。
8.カンボジア・グローバル・ミッション報告(川村)
すでに,サイエンスEネットMLで報告しましたが,今回は,飛行機の上からみたカンボジアの田園風景と,メコン川の氾濫の様子,プノンペン大学での,「環境と経済のためのフォーラム」の様子を発表しました。
9.高浜エルドランド実験教室(7/27.28)
10.けいはんなDEサイエンス(8/10)
(チラシはこちら → 表面 裏面)
【出席者の感想】MLより抜粋
●鈴木さんの発表も高校生と思えぬ立派なものでした。西山さんといい、鈴木さんといい川村先生はいい教え子をお持ちですね。
●当銀さんのペットフラワー、実験のオリジナリティも立派ですし、そのうえデザインセンスのよさに感心しました。
●長濱さんの光触媒の発表,なにか秘めたすごさを感じました。
桜井さんのスターリングエンジンはろうそくの炎とビー玉のぶつかる音がエレガンスでした。
当銀さんのPETフラワーはまさに名人芸でした。あそこまで追求するというのがサイエンスですね。おみやげもありがとうございました。
鈴木さんのサイクロイド振り子の発表は自分の計測結果がとても不安でしたが,川村先生が頭をこくりこくりと振ってくださったので助けられました。本当によい師にめぐり逢いましたね。
最後に松森先生のゴッドハンドはやはりナマでないと伝わりませんね。
これからもよろしくお願いします。
●桜井様
スターリングエンジンには、感動いたしました、ビューティフォー!!としか、いいようありません。
こんど、自分でも製作してみます。感動でした。一度、屋根裏にも遊びにいきたいです。
鈴木様ことすずっちへ
高校生でも、あれだけの発表ができたらすごいですよ。これは、誇りにおもってください。大学生でも、なかなかあういう、発表の場は無いですから..
サイクロイド振り子の実験は、ふりこの等時性について、あらためて、勉強するいい機会になりました。ありがとうございます。
ひさしぶりに、川村先生の書かれた公式で、、、sinをみて思い出しました。
当銀様
お会いできて、うれしかったです。ぜひともに、ふらわーちゃんを出展いたします。あれは、芸術ですょ。素晴らしかったです。感謝です。
松森先生様
ごっとハンドを生でみることができて、感動いたしました。あらためて、自分のイメージを、発想を考える良いきっかけとなる実験でした。
ほんと、実験は、生でみないといけませんね。
川村先生様
カンボジアでの出来事、科学的な御質問等々、いろいろ今後の、教材開発に向けて、取り組む良い、きっかけとなりました。
また、良い、一期一会させていただきました。感謝です。
感謝です。よい、研究会に出会いました。