サイエンスEネット 第14回例会

【参加者】松森,長濱,岡田,名和,川村,笠井,野村,松井,大見,鈴木,角川,萬處 
【日時】2002年10月12日 午後3:00〜


プログラム

1.ミニ燃料電池(名和)
2.クリスマスレクチャー実験メニュー(松森)
3.OHPシートの話(岡田)
4.ガラスの屈折率の簡易測定・CD-ROM「アシスト君」・小ネタ(萬處)
5.光のアートショップ(長濱)
6.after 5 years(野村)
7.怖いけどそこがオモロイ生態学(笠井)
8.エアロゾルによる地球温暖化冷却化デモンストレーション実験(川村)


.ミニ燃料電池 (名和)
西野田電工の菅さんのご紹介で,大同メタル工業(株)の名和さんが,愛知県よりお越しになってくださいました。
燃料電池の特徴や原理,歴史,種類,課題などを説明。その後いくつかの実演。
すでに1839年に世界初の燃料電池実験がされていたことを知り,びっくりしました。

原理的な実験ではその場で組み立てキット(販売されています)を組み立て,赤色LEDランプをともしたり,実演では子供用のおもちゃの電気自動車を燃料電池自動車に仕立てたものや,懐中電灯,ラジコンカータイプなども見せてもらいました。

子供なら乗ることもできる燃料電池自動車。走るときはヘッドライトも点灯する。車の後ろの黒いボンベは水素を吸蔵しているもの。持つとズシリと重い。


懐中電灯。右後ろのボンベの1/4サイズのボンベが内蔵されている。普通の電池の感覚では使いにくく,ガスボンベを使っているという認識が常に必要か。


懐中電灯を手にとって試用する参加者。(この2人は写真ではよく似ていますが,双子ではありません。兄弟でもないです。)


燃料電池は組み立てキットがあります。2タイプあり,電圧の高い方で1万数千円らしい。その場で簡単に組み立てていく名和氏。さすが!


組み立てた燃料電池でモーターを回したり,小さく車を走らせると,すぐに動き出しました。あっという間です。レスポンスは結構いいぞ。


その他にもたくさんの話を伺うことができました。
なお小型燃料電池は次の2種類あります。
  「PFC−ED2」(組立用)  「PFD−ED2F」(完成品)
販売元はNeWave,Inc.  TEL:0568-61-8400  FAX:0568-61-1326
〒484-0061 愛知県犬山市大字前原字天道新田   大同メタル工業株式会社 犬山事業所内

.クリスマスレクチャー実験メニュー (松森)
(報告者より)ここでは詳細な報告はなじみませんので,割愛させていただきます。(メーリングリストの方で・・・・)

.OHPの話(岡田)
OHPシートを重ねると,妙な模様が・・・・。これは光の干渉によるもので,ガラス板を2枚重ねた場合にも観察されることがあります。

.ガラスの屈折率の簡易測定・CD-ROM「アシスト君」・小ネタ (萬處)
すでに私のホームページに掲載されているもの(こちら)ですが,レーザーポインタと直方ガラスで簡単に屈折が観察でき,屈折率の測定も素早くできます。(下の写真は実演しているところ)
次に「高校物理アシストCD-ROM『アシスト君』」の紹介です。これは現在コンテンツを作成中で,60%程度できています。高校生が家庭で物理の学習を行う援助となるような目的で私がhtmlを書いています。詳細は来年度4月をめどに整理して発表したいと思います。現在はお試し版を希望者に無料で提供中。
小ネタ → ポケット・マルチメーターを紹介しました。こちらを参照して下さい

5.光のアートショップ (長濱)
「光のアート」
・創ったきっかけ
 芸術という楽しみを与えながら、光が引き起こす現象の美しさや、
 面白さを特殊なものをつかわないで、 簡単に子供〜大人まで工作でき、
 楽しみながら光の効果を体験できるかな?!と考えて製作。
 すると北極圏にいかなくてもオーロラを体験すること
 ができ、自分でもびっくりな感動でした。旅費の節約が目的。

・光のアートの製作
 ミラーシート、アルミホイルを利用して光の乱反射の箱です。
 トレッシングペーパー、写し紙などの薄い紙を張った箱の中にいろいろな形に
 した、ミラーシートや、アルミホイルを入れて、短冊状にしたカラーセロファンで
 ふたをするだけ。
 あとは、太陽光や、蛍光灯にかざすと、色セロファンで着色(吸収・透過)された
 光線はミラーシートやアルミホイルによって、乱反射して、それが、トレッシング
 ペーパーに光の色、形としての写像として映される。 

・メリット
 1.レーザーやストロボや、スポットライトなどの特殊機材、大型設備を使用せずに
  製作することができる。
 2.電気、機械、光などの特別の知識を使わなくても誰でも製作できる。
   (光の三原色も説明すると効果的!!)
 3.光の引き起こす現象を身近なオーロラとして体験できる。
   (理論は知らなくても、光の効果や現象を体験できる。)
 4.いろいろな創造や工夫をできる。
   (光を体験しようとすると、光源からの距離や、角度が重要になってくる。
   必要十分条件が意外と多いので、自由に扱えない。しかし、このアートでは、
   複雑な規制もなく、自分で工夫して作り出すことができる。)
 5.芸術と科学の融合、ファンタスティックサイエンスとして体験が可能。
   (色セロファンの貼り方、光源の違い、ミラーの入れ方などで、光の
   模様は無限大に可能性が広がる。単純なものつくりで、曲面での光の反射
   、色の混合、さまざまな光源の違いなどを卓上の理論としてではなく、自然に
   体験することができる。)

身近にある材料で、あっというまに出来上がります。
箱と、反射するものと、光を写像するものだけ。
ぜひとも、手元にオーロラを置いてください。  (以上,発表者からのコメント)




(報告者の感想)
黒い紙と,4色のセロハン,銀色の厚紙を使って,きれいな光の芸術を工作しました。芸術に造詣が全くない私でも心配なくできました。同じ材料でもできあがりは一人ひとり違うというのも楽しい要素です。

6.after 5 years (野村)
先日東京に遊びに行ったついでに行ってきた「after 5 years」という5年後に実用化されるであろう工業製品の展示会のパンフレットを持って来ていただきました。
なお、「after 5 years」は、〜10/30 東京駅前 丸の内ビル 1Fと7F で行われていますので、興味がある方は是非。
HPアドはhttp://www.so-net.ne.jp/af5/です。なかなか楽しい催しでした。(以上,メーリングリストから発表者の文を引用)

(報告者より) 写真がぶれてしまい,申し訳ありません。
本当に5年後にはどうなっているのか?全く予想が付きません。

.怖いけどそこがオモロイ生態学 (笠井)
生物の進化に関する陥りやすい誤解を解説し、タカ派ハト派によるゲーム理論の概略、私の研究対象であるクスノキのダニ室の生態的意義を3者系相互作用の観点から解説しました。(以上,発表者からのコメント)

(報告者より) いろいろと発問があり,ずいぶん楽しい発表でした。ヒトの祖先は何だったか。サルではない。ヒトとサルの共通祖先があった。進化とは何か。生物は利他行動をするのはなぜか。う〜ん! レジメ3枚も用意していただき,そのすべてを聞けずにとても残念でした。機会があれば続きをお願いします。

.エアロゾルによる地球温暖化冷却化デモンストレーション実験 (川村)
これまで「温室効果ガスによる地球温暖化デモンストレーション実験器」を用いて,地球の温暖化を示す実験を行ってきたが,昨今,エアロゾルによる地球冷却化・温暖化が問題になっている。
白色系のエアロゾルは,硫酸塩や硝酸塩などがあり,酸性雨の原因物質となっているのと同時に,太陽放射を散乱させるため,地球の冷却化を生じさせているのではと懸念されている。
一方,黒色系のエアロゾルは,黒色炭素などがあり,こちらは太陽放射を吸収するため,地球の温暖化に寄与しているのではないかと考えられている。
エアロゾルによるこれらの現象を,デモンストレーション実験により,広く市民に知らせるため,「温室効果ガスによる地球温暖化デモンストレーション実験器」を製作した。 (以上,発表者からのコメント)
データなどはこちらのページをご覧下さい。

(報告者より)エアロゾルには白色系と黒色系がある。これを地球温暖化実験機に用いると,白色系では冷却化が,黒色系では温暖化が見られた。


参加者の感想(MLより転載)

●例会の内容が理解できたかと問われるとちょっと困ります(笑)が、楽しかったです。(Eネットの高いレベルを下げたかもしれない・・ごめんなさい)
萬處さんのCD‐ROMアシスト君は、生徒さん向けの資料ということでしたが、もっとゆっくり見たかった。
野村さんの資料の紹介も良かったです。数年後の未来の商品が楽しみです。
長濱さんのアートは、綺麗な作品に仕上がりました。(下手でもそれなりの綺麗さが出るところが良いですね。)
今日、太陽光も見てみました。蛍光灯は、オーロラのように神秘的なのに比べ、鮮明な色が出て綺麗だった。
笠井さんの話は、とても難しかったけど、面白かった。クスノキとダニの共生関係に、人間も学ぶところがあるのかなと思いました。(ズレていましたらすいません)
MLを読んでいるだけでも参考になることが多くありますが、やっぱり体験できてお土産までいただけるのは、例会っていいですね。
また、参加させてください。ありがとうございました。

●理科の知識がまったくない私にはほとんど???という感じで、難しかったです・・・。何を言ってるんだ?って感じでした。でもすごく楽しかったです。
萬處先生のCD−ROMアシスト君は物理を習ったときに家で勉強するのにすごく活用できそうだな〜と思って、生徒にとってはすごくいいな〜と思いました。
長浜さんの光のアートはすごく楽しかったです。そしてきれいでした。でも美術のセンスがない私には作ることに一生懸命でしたが・・・。鏡が片面しかなかったけど、両面の鏡だったらどうなるんだろう?という疑問が出てきたので、機会があれば試してみたいなと思います。
途中から参加して途中で帰ったので、すべての話を聞くことができず残念でした・・・。