第19回例会報告   2003年5月10日 

今回の報告は動画4本含まれています


第1部 京都工芸繊維大学左巻先生のお部屋

参加者:磯貝健太郎,松井真由美,桜井昭三,川村康文,左巻健男,河崎哲嗣,朝日秀仁,長濱聖,柴田彩英子,工藤博幸,藤本和子,岡本正志,牧幸代,萬處展正


1.経済産業省資源エネルギー庁総合エネルギー広報事業
   エネルギー教育用教材キット作成・配布委託事業
 藤本和子

2002年度、経済産業省の中学校を対象にした「エネルギー教育用教材の無料配布事業」に参加しました。そこで改良した色素増感型太陽電池キット「花力発電」の紹介を行いました。
 このタイプの電池は環境にやさしく、材料・製造コストも大幅に下げることができる次世代型太陽電池として注目されており、また現在実用化に向けて研究中のものです。このキットでは,この太陽電池を、子供達が身近な素材を用いながら自分達の手で太陽電池を作る感動を体験することが出来ます。
 また美しい花を使って発電するこの教材キットにより、子どもたちの科学への興味がより深まり、将来、世界的な科学者が日本から数多く育つことを夢に見ながら、この教材を製作に至った経緯なども合わせて紹介しました。

※これに関しては,サイエンスEネット第1回例会でも取り上げています。



2.日本原子力研究所計算科学技術推進センターITBL利用推進室Super Science Seminar(S-cube)の紹介磯貝 健太郎

 平成14年10月30(水)の第1回を皮切りに毎週水曜日、最先端の科学技術の 一端を味わってもらい、将来の科学技術者育成に役立てようと、放課後の時 間帯に近隣の中高生対象に開始したものでありコンピュータ技術や光量子、 バイオ、ナノテクなどのテーマでセミナーを行ってきました。  昨年度実績は23回開催し、延べ385名の受講者を得ました。最新情報につい ては下記URLをご参照ください。 http://wwwitblpg.apr.jaeri.go.jp/itblpg/seminar/s-cube.html

3.SSH交流会・研究発表会の報告河崎哲嗣
 
 本校SSHの活動紹介ビデオを提示して紹介しました。あと3月26日〜 28日にかけて日本科学未来館やIBC生産性センターにおいて開かれた全 国大会の模様をダイジェストビデオを踏まえながら、解説しました。  本校の詳しい活動はHP自然科学コースを御覧ください。 http://www.kyokyo-u.ac.jp/FUZOKU/KOUKOU/index/sshp/topgamen/top.htm



4.鳴き砂とサイエンスナビ朝日秀仁
(1)鳴き砂

 ゴールデンウイークに山陰地方に行きまして、島根県の「仁摩サンドミュ ージアム」というところで鳴き砂を購入いたしまして、それをお見せ(お聞 かせ)いたしました。鳴き砂の詳細はhttp://www.bigai.ne.jp/~miwa/をご覧 いただければと思います。とても平たく説明しますと、ワイングラスのふち を指でこするときれいな音がしますが、あれで「指-ワイングラス」ではなく 「砂の層-砂の層」となっている、というのが一番ピンときやすいのではない かと思います。ここで「砂の層」同士の間ですべる(こすれる)というのが 鳴き砂の特徴です。普通の砂では層はあまりできません。砂粒の表面がきれ いで摩擦がよく効く鳴き砂だからこそ可能な話です。  例会ではほかに鳴き砂が水の中に入っていて、ゆするとカエルの鳴き声の ような音がする「かえるすな」も紹介させていただきました。  個人的に岡本先生のおっしゃっていた「イラクの砂漠の砂も音がする」と いう話が新鮮でした。イラクについてはマイナスのイメージがついてしまっ ていますので。
  鳴き砂の動画(1.6MB)

(2)サイエンス・ナビ

 名古屋にある浜島書店で出しているDVD−ROMです。ML上で何度か 宣伝されているのでご存知の方もおられると思いましたが、ぜひ一度実物を 見ていただきたいと思い紹介させていただきました。時間に余裕がない感じ でしたので、「サイエンス・ナビ」の面白い部分を十分にご紹介できなかっ たのが、残念です。  お土産としてお配りしたデモ・バージョンのCDには見出しすらでていな いコンテンツがかなりあったのですが。「サイエンス・ナビ」の詳細は http://www.hamajima.co.jp/snavi/をご覧ください。



5.滋賀大で環境を学ぶ 長濱聖

滋賀大学教育学部環境教育課程に入学したときの入学式でひとり一冊配布された本を紹介しました。非常に中身が濃くて読みやすいものになっており、環境を学ぶ上での非常に良好のテキスト。
でも販売はしていない書籍です。(市販の可能性もあるそうです。)

 内容−京都新聞より−
環境問題への取り組みと琵琶湖を題材とした研究などをまとめた本「滋賀大学で環境を学ぶ」が入学生一人ひとりに手渡された。
同書は同大学環境フォーラムが製作。宮本学長や川嶋宗継教育学部教授ら17人の研究者が「地球温暖化と琵琶湖」「酸性雨と湖沼」など13の研究を報告している。

この中で、特に、酸性雨や、生物代理訴訟から公害、環境経済、社会取り組み、環境NGO、生涯学習など多彩なことを書いている。

少しでも環境について考えてもらえたらなということの紹介




6.手回し発電機大研究 桜井昭三

 マブチモーターを使った手回し発電機について。タミヤ模型のギヤセット を使うと、簡単に手回し発電機(直流)が作れることはよく知られています が、ハイパワーギャセットとハイスピードギヤセットの2種類があり、前者 は減速比(増速比)が大きいので、約120回転/分で2.5V.025Aの豆球を点灯 させることができます。   ハイスピードの方は減速比が小さいので、400回転/分くらい回す必要があ り、手回しでは大変です。その代わり水車を付けて水力発電機とするとうま く行きます。(これは安岡先生が作られています。)  2台の発電機の出力を接続して片方を回転させると、もう一つの方が回転 することで、発電機と電動機(モーター)が等価であることが理解できま す。テクノキットという通販で手回し発電機のキットがあり、こちらは増速 比も大きくモーター(発電機)も特注のもので、6Vの出力が得られます。燃 料電池の電気分解にはこれの方が適しています。  川村先生のリニアモーターを発電機で動かしてみたところ、タミヤのギヤ セットの方がよく動くことが解りました。これはタミヤは電圧は低いが内部 抵抗が小さいので大電流が流せるのに反し、テクノキットは電圧は高いが、 内部抵抗が高いので大電流を流そうとすると電圧が下がってしまうためと推 定されます。  最後にこれらの発電機で超高輝度白色LED18個を点灯、明るさを実感し て貰いました。  なおこれらの実験にケニスの村田さんから提供して頂いた非接触型回転計 が大変役だったことを申し添えます。村田さんに感謝します
  モーターの回転数を計測(動画1.2MB)



7.超簡単フロッピーケース型リニアーモータ  川村康文

 今回は,以前に報告した「フロッピーケース型リニアーモータ」(写真, 乾電池と豆電球付き)を,子ども達の実験教室でもコストが合うように考 え,部品の削減と手間の削減にチャレンジしました(新しい方の写真)。  かもがわ出版の「サイエンスEネットの親子でできる科学実験工作2」に 掲載されたものよりもさらに簡素化を図りました。  テクノキットの発電機でよりも,タミヤのハイパワー型ギアーで,発電し た方が,よりよく走ることがわかりました。桜井さん,感謝申し上げます。
  リニアモータの動画その1(734KB)     リニアモータの動画その2(1MB)



8.アシスト君  萬處展正 
私の個人的なプロジェクトとして,高校物理アシストCD-ROM「アシスト君」を製作しています。5月中には2003年度版が完成します(予定)。授業を受けている生徒には希望者に配布して,自宅学習に活用してもらおうと思っています。また来年度版は動画を盛り込もうと計画しています。(プロジェクターをお貸し下さり,ありがとうございました。)
私のホームページで近いうちにアナウンス致します。
ロゴはこれです → → → 


9.広島での自然環境放射線の計測について  工藤博幸
 
 春休みに2泊3日で生徒たちと一緒に広島で、市内各地の?線と、空気中の 塵の?線を計測をしてきました。?線の計測結果を示した広島?線マップを、校 内?線マップ(昨年12月例会で発表済み)や京都市内?線マップ(昨日の遠 足で計測)と比較し、よく言われる「自然環境放射線は西日本ほど強い西高 東低傾向がある」点が今回の計測でも現れていることを報告しました。 http://chemchem.infoseek.livedoor.com/hiroshima/ また、現存する被爆建物リスト(広島市役所作成)を資料とし、広島市立袋 町小学校の様子も平和学習の観点から報告しました。被爆直後の尋ね人の 書き込み、救護所のあとも残り、戦争の悲惨さ、核の恐怖など被爆の生き証 人としてのこの建物の存在をご紹介しました。



10.パイウオータ 左巻健男

 かつてπウォーターは、なんにでも効く「魔法の水」と言われて話題になった。
 その水は、「生体水」で、ふつうの水との違いは非イオン化性をもっているというふれこみである。非イオン化性というのはたとえば青酸カリも水の中で陽イオンと陰イオンにならないので有毒でなくなるとか、酸化還元という反応がおこらないという性質である。
 そこで銅粉をπウォーターに入れて、そこへ硝酸を加えて、変化無しかどうかを見ようとしたのだが細かい銅粉が入手できずうまくいかなかった。代わりに金属カルシウムを入れてみた。こいつはふつうの水に入れると水素ガスを出しながらイオン化する。やってみたら、さてさてπウォーターと称する水でも発泡しながら溶けていきよった。
 機会があったら、今度は銅粉、硝酸できちんと定量してやってみたい。


第2部 般若
1.テーブルマジック  岡本正志 

懇親会の席での誰でもできるテーブルマジック。一つはコイン・マジック。コインがどこからともなく現れて,どこかに消える。あるいは貫通するというマジック。これは,道具をマジックショップで買ってきただけ。道具さえあれば誰でもできる。技術がいらないので私向きなのです。
今ひとつは,蓋をしたプラスチックキューブの中に球を貫通させるマジック。これは少しだけ技術が必要。でも簡単。おそまつでした。


2.香りのするクス玉75 松井真由美
 香りがあるものを使いますので、場所を選びますが誕生日のお祝いなど の、ちょっとした場所でのミニのクス玉です。今回は、初めての作品?(と いえるかどうか)をサイエンスEネットの桜井さんのお誕生日のお祝いにつく りました。花吹雪の代わりにお風呂の入浴剤(花や葉になっているもの)で す。ぱっと開けた瞬間に、ほのかに香りが出るくす玉でした。

3.はずれないリング  朝日秀仁
「ザ・ダイソー」
 第2部の飲み会の場でコソコソとお見せしました一応は手品です。 文字通りタネも仕掛けもないはずなのに、バネにひっかかった輪が なぜか(?)急に外れなくなります。と思えば、一瞬で外れることもある。 決して複雑な仕掛けがあるわけでもなく、部品はバネと輪だけという 恐ろしくシンプルな構造なのに、なかなかからくりがわかりません。 名古屋の百円ショップで買ったのですが、百円だからといって馬鹿にできな い面白いネタだと思います。もしお近くの百円ショップで手品道具が売られ ていたら、ぜひチェックなさってください。


感想
1.小野則子@大阪市立科学館友の会 でございます。 例会後の懇親会に参加させて頂きました。 「幸せだったなぁー。」  (#^‐^#) 海老崎先生   小野は相対性理論の『光速不変の原理』が大好きです。 『光』を通して、物事(自然界)を統一的にとらえたいと考えています。 また、いっぱい教えてくださいね〜。 (懇親会始まるまで、海老崎先生とおしゃべりしてました。ほっ) 左巻先生 懇親会のお料理美味しかったです。  お店も粋で素敵でした。それに、それに、左巻先生のお隣の席に座らせて 頂いて、幸せが膨らんでました。有り難うございました。


2.こんばんは。まきです。  遅刻してしまいましたが、例会に参加させて頂きましてありがとうござい ました。また、懇親会でもおいしいお料理に楽しいお話、マジック五感を総 動員して楽しいひと時を過ごせました。  岡本先生、バージョンアップしたマジック、また見せてください。  工藤先生の発表では、データもさることながら、広島の映像に見入ってし まいました。是非、子供たちとあの小学校を訪れたいと思います。ご紹介頂 きましてありがとうございました。


3.【感想】
左巻先生、大変お世話になりました。
工藤先生の報告は、今、こうして生きていられる事の幸せをありがたいな〜 と思いました。
河崎先生の報告ビデオは、もう少しじっくり見たかったです。SSH事業を良く 知らないままの参加で失礼しました。例会後の丁寧な説明で、近い将来に多 くの学校にも普及されると良いな〜と思ってます。ありがとうございまし た。
高校生の柴田さんも熱心に聞いてられたのがとても印象的でした。ぜひ、お 友達と一緒にまた例会に参加してくださいね。
懇親会での岡本先生のマジッ ク指導はとても楽しかったです。



4.初めて参加させて戴き、つたない発表で上手く説明出来ず、すいませんでした。
あまり理系は得意ではありませんでしたが、例会に参加させて戴き、色々なお話をお聞きして、自分もやってみたかったなと思うものも沢山あってとても楽しかったです。もう一度学生になりたい位です。
二次会も普通にお話させて戴けて嬉しかったです。途中で退席して申し訳ありませんでした。
なんとか無事に帰ることが出来ました。有難う御座いました。



5.今回例会に参加させていただいた感想(報告?)を書かせていただきます。

1.「色素増感太陽電池・経産省キット」
「花力発電」のキット、とても興味深い物でした。花という身近で尚且心惹かれるものを使われていて小さなお子さんでも楽しんで学んでいただけると思います。

2.「日本原子力研究所計算科学技術推進センターITBL利用推進室Super Science Seminar(S-cube)の紹介」
紹介のプリントを見せていただくと、私の興味のあることばかりで参加できないことをとても残念に思います。

3.「SSH交流会・研究発表会の報告」
SSHでこのようなことをされているとは全然知りませんでしたので知ることが出来た良い機会だったと思います。
>河崎先生
お疲れのところ駅まで送ってくださいましてありがとうございました。

4.「鳴き砂とサイエンスナビ」
鳴き砂は聞いたことはあったのですが、実際に鳴らしてみるのは初めてでとても楽しかったです。
サイエンスナビの方もデモ版バージョンでも十分に楽しませていただきました。どうもありがとうございました。

5.「滋賀大で環境を学ぶ」
発売された折には是非、購入させていただきたいです。
少し見せていただきましたがとても分かりやすく、授業の一環で環境を学ぶ中学生の皆さんにも読んでいただきたいですね。

6.「手回し発電機大研究」
回転数の測定など自分でやり、自分で見ることができてとても良かったです。電球や白色LEDを使われての実験でしたので目で見てすぐに納得でき、とても分かりやすかったです。

7.「超簡単フロッピーケース型リニアーモータ」
あんな小さな箱の中であんな仕組みが出来ることに驚きました。見ているだけでとても楽しめました。
機会があれば是非作らせていただきたいです。

8.「アシスト君」
早速使わせていただいています。写真などが分かりやすく配列されており、説明も丁寧でとても使いやすいです。
どうもありがとうございました。

9.「広島での自然環境放射線の計測について」
学校全体でこのようなことをされていることに驚きました。先生方が生徒さんと協力して一つのことに対して積極的に取り組み、結果を導き出されていくこと、本当に素敵なことだと思います。

10.「パイウオータ」
説明がとても分かりやすく、勉強になりました。実験の方もとても面白かったです。本の方、楽しく読ませていただいています。ありがとうございました。


拙文失礼いたしました。