紫外線の強度を測定し,比較/積算を行うことができる測定器を使って京都教育大公開講座で演示実験を行いました(松森先生)。
例会ではこの結果を踏まえ,教材としてどのような可能性があるのかご出席の先生方に検討していただきました。総合学習とのからみもあり今後面白い分野になりそうです。
2窓のセンサーで,UVカット商品の効果を調べるなどの実験ができるので,教育現場でも有効かなと思いました(コメント:川村)
2.サイエンスEネットHP(川村 康文) Yasufumi Kawamura
漸く,サイエンスEネットHPが,動き出しました。STS教育関係の情報をアッ
プしていくこと,授業プリントを多くの方からアップしてもらい,HPのさ
らなる充実を図って行きたい旨を説明させて頂きました。
3.a.おしゃべり定規(川村 康文) Yasufumi Kawamura
I Love You と描いた型紙で,実際に,おしゃべり定規を工作して頂き
ました。
「サイエンスEネットの親子でできる科学実験工作」(かもがわ出版)に入っています。
b.省エネ電球実験器(川村 康文) Yasufumi Kawamura
教卓においた,省エネ電球(電球型蛍光灯)と白熱電球のスペクトルの違
いをみるため,携帯型暗箱を利用し,分光筒で見比べて頂きました。携帯用暗箱は,ばらして保管すると場所をとらないですむように工夫してあります。
「サイエンスEネットの親子でできる科学実験工作」(かもがわ出版)に入っています。
4.残像現象(山口 道明)
名刺サイズにの白色の用紙に赤、緑、青の風船と黒い点を書いておきます。黒い点を20秒間集中してじっと見つめます。その後目を閉じると書かれてある風船と異なる色の像(残像)がうかんできます。
ある程度集中して見ないと残像が見られないことからか集中力を養うものとして利用している1例(テニス)を紹介しました。
色彩の心理学 金子隆芳 著 岩波新書には残像のことが書かれています。
それによると、残像には陽性と陰性があり明暗が反転しないのが陽性で反転するのが陰性です。普通は陰性残像を見ることが多いです。
寝る前に蛍光灯を消すとき、目をつぶると黒い傘の蛍光灯が見られます。これは陰性の残像です。しかしまれに、みたままの蛍光灯をみることがありこれは陽性の残像です。2年ほど前から残像には興味を持っていますが、この現象を私はうまく説明できていないのが現状です。
5.a.力のつりあい(萬處 展正)
意外に実験のなされない項目ではないかと思います。滑車があればどの学
校でもスムーズに取り組めるはずです。滑車のない状態で糸を付けると、摩
擦が相当生じます。滑車は必須です。生徒も達成感が得られる実験となりま
した。サイエンスEネットでもプリントのダウンロードを用意していただい
ていますので、ご利用下さい。
b.風船滑走体「すべる君」(萬處 展正)
第1回例会ではいざはじめようとすると接着部分がはがれてしまい、不発
に終わりましたので、今回は準備万端で臨みました。なかなか楽しいです。
「すべる君」というネーミングにしようと思います。他に同じ名前のものが
あれば取り下げますので、情報提供お願いします。
参考:「NHKやってみよう なんでも実験」(NHK出版)
6.a.水のアート(東郷 伸也)
ペットボトルにキャップを閉めた状態で上から水を落としてやると,綺麗な球状に水の膜が広がります。これは単に水の表面張力だけではなくて,ボトルキャップとの摩擦によって膜の上と下とで流速に違いがあるためだと思われます。
b.ぶくぶくスーパーボール沈め(東郷 伸也)
これは海老崎先生が他の本でも紹介されているものですが,水中に空気の泡を充満させることによって浮力を小さくしてしまうという実験です。これをペットボトルで簡単にできないかと思ったのですが,やはり下から広い面積で泡が出てこないと,水の対流の影響が出てきてうまく行きませんでした。
確かに,海老崎先生のは,泡の吹き出し口が広いもので,広域にわたって泡が発生するシステムになっていました(コメント:川村)
7.燃料電池 (参加者 全員)
燃料電池キットを用いて,参加者みんなで,ワイワイガヤガヤしながら,
なんとか 発電し,0.92Vを実現しました。 電子メロディーも鳴りましたし,太陽電池モータでプロペラも回せまし
た。
8.エコ電卓(宇高 史昭・京都市環境局地球環境政策課)
商品名は,「エコデン」です。 電気,ガス,水道,ガソリンなどの使用量や家庭ゴミ,食品トレイ,ペット
ボトル,缶,紙パックなどをごみに出した量から,私たちの暮らしから発生した二酸化炭素(地球温暖化の主な原因物質)の量を測る「環境家計簿」というものが開発
されてい ます。原理としては、エネルギーの使用量又はごみの量×二酸化炭素換算係数=二酸化炭発生量です。
このエコデンは,物質毎の換算係数がすでにアイコンキーに登録(記憶)されているというエコライフ評価専用電卓で,例えば,1日のガソリン消費量で,その日
に排気ガスとして吐き出した二酸化炭素の量(kg-C)をすぐに計算できるというすぐれものです。もちろん四則計算もできるふつうの電卓です。
購入希望の方は,理化学用品を扱うお店にお聞きになるか,
関西の方は (株)イシダ 075-771-4141 までお問い合わせください。
環境家計簿は,「サイエンスEネットの親子でできる科学実験工作」(かもがわ出版)に入っています。
感想欄:
黒木優子:初めての例会参加でしたが,楽しかったです。
特に燃料電池は、いろいろと本で原理や開発状況を
読んでい ましたが,実際に水素と酸素で発電できること
を 目の前で見て ,感動しました。
西尾豊:分光筒は何度見てもいいですね。子供が喜ぶ教材の一つだと思います。
「力のつりあい」 高校で物理が無かったので(選択できなかった),変な先入観がなく かえって楽しめました。僕が生徒だったら、きっとあの釣り合いのところで不思議な顔をしてるんでしょうね。
「風船滑走体「すべる君」」 面白かったです。小学校でもやってみたいですね(小学校教員になれたらの話ですが・・・)。
「水のアート」 これも面白かったです。あの時も話が出ましたが、これをもっと大きくして、子供がその中には入れたら楽しそうですね。
「ぶくぶくスーパーボール沈め」 これは、「特命リサーチ200X」か何かで見たことありますね。これで実際に沈んだ船もあったとか・・・。
「燃料電池」 一時どうなることかと思いましたが、無事に動きましたね。プロペラが回った時のみんなの喜びは、きっと、点かなかったマメ電球が点いたときの子供の喜びと同じなんだと思います。
「エコ電卓」面白い発明ですね。「走るのが趣味」とかいう人に持たせたいもんです。
☆全部を通しての感想
やっぱり実験は楽しいですね。
最近、「体験活動の重視」ということが叫ばれていますが、それは子供が直接体験することによって、具体的な知識を持つことができ、理解も深まるからだと思います。そういった面では、「実験」というのも「体験活動」の一種ですし、今まで以上に実験が重要なものとなるでしょう。
4月2日の実験教室がTV放映(ケーブルですが)された時、アナウンサーの方が「私も、実験だけは楽しかったのを憶えています」と言っておられましたが、それは目の前で、そして自分の手で疑問が解決されているからだと思います。最初にしっかりとした疑問を持つことが前提となりますが、それでも実験があるのとないのでは大違いでしょう。
教師になってやりたいことがまた一つ増えました。実現できるように、とりあえず採用試験を頑張ります。
残った疑問:
6.a.の水のアートの物理学的理論について,当日だけでは,議論が十分にできず,理論的説明が課題として残りました。
これについて,意見やアドバイスのある方は,是非,サイエンスEネットML上で,ご議論頂けますようにお願い申し上げます。また,サイエンスEネットの会員でない方は,松森弘治(PAF02635@nifty.ne.jp)まで,是非,ご意見・アドバイスをお願い申し上げます。