サイエンスEネット 第25回例会in八幡浜

【参加者】加藤隆弘,藤山周治,海老崎功,眞鍋健一 ,三好美覚,川村康文
【日時】2003年11月21日


プログラム

1.「省エネ電球の不思議」など (川村)
2.「対決!科学マジックバトル!」 (海老崎)
3.「折り紙ポンポン蒸気船を作ろう」など (加藤)

  参加者の感想




1 分光筒
 これは,八幡浜の科学の祭典のステージでも行うものです。
祭典のステージでは,省エネ電球の不思議を解き明かす道具として利用します。

2 ハンディブラックライト暗箱
 蛍光灯の原理的説明を行うのに,付随して利用できる実験器です。
子ども達は蛍光実験が大好きですが,明るい場所でも簡単に蛍光実験はできます。
ブラックライト管を圧電素子で光らすとうものですが,蛍光灯では,紫外線が発生して,
その紫外線が蛍光管内部の蛍光物質にあたって,蛍光物質から可視光がでてきますねと説明します。
 蛍光物質にRGB(赤,緑,青)の3色を準備しておいて,この3色を混ぜると
いろいろな色が作れますよ,ということを説明します。







1 ブラックウォール

 筒の中に黒い壁が見えるが…

 実は、なんにもない

2 さいころマジック





1 折り紙蒸気ポンポン船 (資料はこちら)
 船体の材料は、台所で使うアルミシ−トを折り紙で作るのが私のオリジナルです。
いわゆる和船の形にするものです。エンジンはよく使うアルミ管(3mm径)で、
コイル状(約2.5cm径)に3回巻きます。このコイルを巻くときの冶具は、木製の
円柱にクギをうち十手状に折り曲げたものを使用します。アルミ管をクギに引っ掛けて、
円柱面を案内に巻きますと、管を折ることなく、曲げることができるような工夫をしました。
エンジンに水を入れる方法は、タレピンで注入します。燃料は、ロウソクを立て、エンジンを熱します。
船体が軽いので、かなり速く走行することができます。



2 傘クギモ−タ− (資料はこちら)
 クリップモ−タ−を改良したものです。クリップモ−タ−は、簡単に作れますが、
コイルの中心とバランスが取りにくく、回転力も弱い点が欠点でした。そこで、屋根
の波板を固定する傘クギを回転子として利用しました。このことは私のオリジナルです。
傘クギの傘の部分にエナメル線(0.6mm径・長さ1m)を20回弱巻き、余りの部分は軸にして、
片方は全部、他方は半分エナメル部をはがします。電源部は、割りばしの割れ目部分に
クリップを軸・軸受けに成形したものを挿入して立てます。その間に単三電池を挟み輪ゴム締めて、
通電を強化します。電池の上部にフェライト磁石を置いて、軸受けに回転子を置くと、
高速回転をする傘クギモ−タ−が完成します。
この回転子と極が横に長くある磁石・レ−ルを組み合わせ利用すると、疑似リニア−モ−タ−カ−に応用ができます。





3 振動で回る不思議なプロペラ (資料はこちら)
 ギジギジプロペラを改良したものです。振動を回転運動に変換する不思議なおもちゃです。
割りばしに番線1mm径(カラ−針金)を約5〜6mm間隔で螺旋状に巻き、振動体にします。
この部分は、私のオリジナルです。割りばしの先端の溝に楊子をセットして、輪ゴムで固定し回転軸にします。
この軸に、画用紙で作ったプロペラ(4〜5cm径)をセットします。プロペラは、
中心に軸より少し大きい穴を鉛筆を削ったもので空けます。
ドライバ−などの金属製の丸棒で番線のデコボコ部分を擦ると、プロペラが勢いよく回転します。
擦る部分、手で握る場所によって、回転方向を変えることも可能です。
軸を立体的に多くセットして、プロペラを、一斉に回すと楽しい演示になります。






参加者の感想 (MLより転載)

 大会前日の八幡浜オフ会(例会?)では、加藤・川村・海老崎さんに、実験ネタを披露していただきました。
 参加者は他に、地元の中学校の先生と、真鍋健一、私の6人でした。
 ネット上のメールの世界ではなく、実際にお会いして話すことの大切さを感じました。


 海老崎先生の実験は,いつもよく工夫されていますが,ブラックウオールがさらに進化
しているのみて,素晴らしいと思いました。なんでも今回は,偏光板をプロの方に
切ってもらっておられるとのことで,その境界面がまさに,「黒壁一枚もの」になっていました。

 海老崎先生のもう1つの実験は,マジックで,これは,まったく見破れませんでした。
 フィルムケースのような入れ物に,さいころを入れると,さいころの上の目を当てて
くれるのですが,これがどうして当たるのか?
種明かしをしてくれたので,今度は,一度,僕も作ってみようかと,マジックへの
チャレンジ精神がわきあがってきました。

 加藤先生のご発表は,これまた,職人を越えたというか,超人加藤先生というイメージです。

 まず,祭典ネタの折り紙で作ったポンポン船。なるほどと思いました。
 クリップモータを誰にでも作れるように,素晴らしい工夫をなさった「傘クギモ−タ−」。
これは,感動の一品です。
 しかし,それで終わらないのが加藤先生。振動で回る不思議なプロペラは,圧巻でした。
左右に自由に制御できるし,4方に伸ばした4個のプロペラを,同時に回転させられるところなど,
おお!としか,声が出ませんでした。
 こちらの方は,日本理科教育学会の四国のブロック大会でご発表なさるということで,
これは,実験そのものも素晴らしいですが,それに対する理論的説明も素晴らしかったです。
ご発表の方も頑張ってください。