京都教育大学附属高校物理・地学共同研究例会・第26回例会報告

日時 : 12月13日(土)  15:45〜18:10
場所 : 京都教育大学附属高校 物理教室(北校舎3階)
参加者(敬称略)
桜井昭三・長濱聖・川村康文・高木淳子with息子さん・松森弘治・福田佳子with息子さん娘さん・
松井真由美・西恭兵・梅川眞壽男・柴田彩英子・野口博・保田倫子・鈴木麻友・小竹芳雄


発表者
1.リニアモーターカー試乗会に参加して(福田佳子)
2.『JR鉄道総合研究所米原風洞』見学会報告(松森弘治)
3.紫いも入りホットケーキ(松井真由美)
4.海野十三=佐野昌一著「おはなし電氣学」&バンデグラフ(桜井昭三)
5.「草の根科学実験教室」(川村康文)
6.八百屋さんで買ってきたキュウリに光合成をさせる(野口博)
7.地球温暖化デモンストレーション実験(梅川眞壽男)
8.クリスマスレクチャーの打ち合わせ(川村康文)
9.事務局からの連絡(長濱聖)



  参加者の感想




.リニアモーターカー試乗会に参加して 福田佳子
10月4日、山梨県都留市のリニア実験線でリニアモーターカーに試乗し、時速500キロを体験しました。
時速160キロ前後でタイヤ走行から浮上走行に変わるときは、音も変わって不思議な感覚でした。
スタートから約80秒で最高時速に達する間の圧迫感は結構なものでしたが、
速度が安定してからは予想以上に振動も少なく、比較的快適でした。
子どもに方位磁針を持たせて乗りました。スピードが上がるにつれて、針がグルグルと
高速で回転したそうです。
試乗は当選しないと出来ないのですが、試験走行は毎日のように行われているので、
実験センターそばで500km/h超のスピードを全身で感じる事が出来ます。


.『JR鉄道総合研究所米原風洞』見学会報告  松森弘治

2003年10月27日(月)午後に見学の機会を得たので報告する。
大学時代の恩師が所長という縁で見学させて頂いた。世界に類のない大型低騒音風洞で,
新幹線車両の高速化と環境対策の両立に腐心。
車両から発生する騒音は速度の6乗から7乗に比例。
風洞の低騒音化のため吸音コンクリート等の技術を駆使。JR各社の他自動車メーカー等も使用。
構内に500系等新幹線試験車両3種を展示。
詳しくはhttp://www.rtri.or.jp/index_J.html参照。


.紫いも入りホットケーキ 松井真由美

材料:ホットケーキミックス・水・紫いも粉末少々


【食べ物編マジック】
ホットケーキミックスには、重層(炭酸水素ナトリウム)が入っていて、
紫いもがアルカリ性の色に変わります。
溶いていて少し時間が経つと緑色にもなりますが、熱が加わると
プツプツと穴ができ、アルカリ性がさらに増し、すごい緑色になります。
(言葉では説明不充分なので、一度皆さんも試してみてくださいね)
見た目はちょっと(@。@)香り・味は最高!!
ポイントは、間々田先生に教えて頂いたよう
『普通のホットケーキよりちょっと低めの温度でじっくり焼くときれいに焼けます』



<おまけ編>
アイスクリームに紫いもの粉末を少し混ぜて、レモン汁を入れる
とピンク色に変化します。これはとっても美味しい色をします。
(赤路さんに教えて頂きました)


.海野十三=佐野昌一著「おはなし電氣学」&バンデグラフ  桜井昭三

 私が長年探していた本があります。昭和14年に発行された「おはなし電気学」という本で、
著者は佐野昌一、この人は海野十三というペンネームで昭和の初期から数百編のSFを書いており、
日本のSFの父とも言われた人です。本職は逓信省の無線研究所の技師でした。

 私は小学校6年のときこの本を読み、電気に非常に興味を持ち、結局電気のエンジニアとして
今まで暮らして来ました。

 この本は終戦後どこかへ行ってしまい、三十代になってからもう一度読みたくなり、
約四十年間古本屋を探し歩きましたが見つかりませんでした。

 インターネットでも何度か検索していましたが、最近やっと山形県の古書店に一冊あることがわかり
購入しました。読んでみて、64年前の記憶がよみがえりました。記事は古いのですが解説が懇切丁寧で、
今でも十分通用する、というより現在の本より分かりやすいかも知れない本です。
機会があれば復刻して、ご紹介したいと思っています。

 バンデグラーフ起電機は、この実験室に前から有り、一度使ってみたいと思っていました。
今回公開講座で使ってみましたが、子供たちは興味を持って見てくれました。
付属のアクセサリがなくなっているので、今後復元して活用したいと思っています。


.「草の根科学実験教室」 川村康文
 草の根科学実験教室8----第2回のクリスマス京都レクチャーの取材です。
JSTのサイエンスチャンネルで放送されました。この実験教室は,サイエンスEネットとしては,
20世紀最後の実験教室となりました。比較的初期の活動でエネルギシュな勢いが伝わってきます。
この時期は,自力で助成金を獲得しながら,企画,運営を行っていました。
このときの精神を温故知新してもらいたいという願いで,発表しました。


.八百屋さんで買ってきたキュウリに光合成をさせる 野口博

材料:キュウリ、重曹(炭酸水素ナトリウム)、ペットボトルなど
道管・師管が断たれたキュウリでも、葉緑体がいきていれば
光合成させることができる。
約0.5mol/Lの重曹水溶液(水溶液の調製は小学生で
できるように水500mlに対し約2g)中のキュウリの表皮
(約30g)から、最高気温25℃以上の好天の日なら3〜
4時間で約30〜35mlのガス発生がある。
ガス中の酸素濃度は、採取したガス中で線香が花火の
ような燃え方をすることからかなり高いと思われる。

《無駄話》冷蔵庫の中の野菜は呼吸している。最近の冷蔵庫
の野菜室は、低酸素・高二酸化炭素状態を保つようになっている。

《補足》過去の実験データから
ピーマン:試料52gで5時間でガス発生量31ml、OK
シシトウ:試料50gで4時間でガス発生量20ml、OK
ピーマンのことが気になって帰宅してからナス科のデータをさがしたらありました。
但し、試料が15g位だと8時間かけてもガス発生量は5ml前後です。
例会では「ナス科はダメ」なんて言ってしまいましたが、訂正します。


.地球温暖化デモンストレーション実験 梅川眞壽男



.クリスマスレクチャーの打ち合わせ 川村康文
 クリスマス京都レクチャーのHPへ


加者の感想  MLより転載

●川村康文さん
 野口先生のキュウリの光合成による酸素の発生は,とても面白かったです。
松井さんは和服姿で,あでやかに,紫イモ入りホットケーキを,焼いて下さりありがとうございました。
桜井さんの本の話も,まさに温故知新の精神を感じました。福田さんと松森先生の
ご両名のお話は,鉄道ファンの私にしびれました。
梅川さん,地球温暖化実験器の製作ありがとうございました。

●保田倫子さん
昨日の26回例会に参加させていただきました。
初めてだというのに、道に迷い大幅に遅れてしまいすみませんでした…
とても楽しかったです。
どの方の発表も、
『へえ』ボタンをいっぱい押したい気持ちで、
わくわくしました。
自由研究ってこういう気持ちを育てるためにあったんだ、
と思いました。
私も身近なところにある、なんで?を解決して
この『わくわく』をひとに伝えれるようになりたいです。
皆様、ありがとうございました。

松井さん、紫芋パウダー、プレゼント、ありがとうございました。
ホットケーキで友達をびっくりさせようと計画中です。
焼きそば、紫キャベツ入り計画付きで…

●松井真由美さん
鉄道マニアでもない私ですが、福田さん・福田さんのお子さん・
松森先生のお話には興味深かったです。
バンデグラフに実際さわらして頂き感動!髪の毛が逆立つのを
お見せしたかったですが、カメラはお断りしました^^;
やっぱり体験型は楽しいですね。

野口先生の『光合成』の話、瓜科のものなら出きるとのこと。
ピーマン、ナスはダメなど面白かったです。来年の夏、取れたての
キュウリでじっくりとしてみます。

梅川さんの『地球温暖化デモンストレーション実験』は、川村
先生のつくられたものとまた少しかたちが違ってました。
クリレクでお披露目して頂く事楽しみにしてます。

ホットケーキは私は、ただ焼くだけ・・
道具の揃わないなか、子供たちが、上手に混ぜてくれました。
科学的な説明は、長濱さんに助けていただきました(報告の内容が
間違ってたら、訂正いれてね^^;)
たくさんの方のご協力により、美味しいホットケーキが何枚も
焼けました。ありがとうございました。

●野口博さん
5.「草の根科学実験教室」(川村康文)
お土産にいただいたCD−Rをワクワクしながら拝見しました。
自然科学の眼を持った地球市民を地域から育成していくことは素晴らしい、
と同時にこれからますます必要だと思いました。

7.地球温暖化デモンストレーション実験(梅川眞壽男)
太陽光を用いずいつでも室内でできる実験装置ですね。
子どもたちに単位時間毎に温度を記録させ、上昇率や下降率を計算させる
ことから温室効果を考えさせることができますね。蓄光シートのミニ地球儀が
またいいですね。子どもたちから歓声が上がるのが、容易に想像できます。