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44 タネ(果実・種子)の形のサイエンス
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愛媛大学教育学部 渡邉 重義
● ねらい
みなさんは「タネ」と聞いてどんな植物のタネを思い浮かべますか?学校で栽培したことのあるヒマワリのタネでしょうか?それとも夏に食べたスイカのタネでしょうか?ところで、ヒマワリのタネやドングリは正確に言えば種子ではなく、果実です。そこで、ここでは果実と種子をまとめて「タネ」と呼ぶことにします。
一口にタネと言っても、1個の重さが100分の1ミリグラムしかないランの仲間のタネから、10キログラムを超えるフタゴヤシのタネまで大きさはいろいろです。また、タネに翼のようなものがついていたり、トゲがたくさん出ていたり、毛が生えていたり、その形も多様です。そこで、いろいろなタネに触れてもらいながら、そのタネの形の多様性、巧妙さ、美しさや不思議さを感じてもらいたいと思います。
● 内容
(1)マメから多様性を学ぶ −ダイズ、ウマゴヤシ、モダマ−
(2)“くっつく”ためのつくりの進化 −オナモミ、センダングサ、ツノゴマ−
(3)風をどのように利用する?
□毛を使って風に乗る −タンポポ、ブタナ、ガガイモ−
□回転しながら飛ばされる −カエデ、ユリノキ、ニワウルシ−
□滑空して距離をかせぐ −ヤマノイモ、ウバユリ、アルソミトラ−
□風で転がる −フウセンカズラ−
(4)タネの標本プレートづくり
● 参考文献
中西弘樹:「種子はひろがる 種子散布の生態学」平凡社 1994
香取一:「写真で見るたねの旅立ち」文一総合出版 1994
鷲谷いづみ(文)埴沙萠(写真):「タネはどこからきたか?」山と渓谷社 2002
キンミズヒキのタネ(左)とそのとげ(右) コセンダングサのタネ(左)とそのとげ(右)
“くっつく”タネと“くっつく”ための構造