信越実験教室
世界物理年イベント
日時 平成17年7月29日(金)
場所 長野県栄村
内容 2005 世界物理年講演会「信越地域の中学・高校生に物理学研究の感動を」

全体報告

 サイエンスEネットとしては,会場の250人の中高校生に,手回し発電機を工作させて,それを用いて実験を行いました。中村修二先生にも,ステージで一緒に実験を行って頂きました。菅さんには,ステージで司会進行をお願いしました。
 まずは,豆電球を点灯させる実験で,左右のどちらに回転させても点灯することを確認しました。
 続いて,3色型のダイオードを用いて,加色の実験を行いました。最初は,赤のみ,緑のみ,青のみを,点灯させ,ダイオードには極性があることを体験してもらいました。続いて,赤と青を混ぜるとどうなるなど,フロアーの生徒に聞きながら,3色の加色を行いました。
 最後に,省エネ電球実験器を用いて,いつもだと,白熱電球と,電球色電球型蛍光灯との,電流,温度,スペクトルの比較実験を行っていましたが,今回は,それに白色ダイオード電球も加えて実験を行いました。
 その後,中村先生の講演,そして午後から小柴先生の講演となりました。
川村康文

感想など

 まさに盛夏のこのごろです。皆さんには講演会も終了し本来のお仕事に励んでおられることと存知ます。講演会開催に当たりましては、組織委員、拡大組織委員、運営委員などをお勤め頂いた方、また開催前日、当日をふくめ準備、実務に携わって頂いた方々に多大のご尽力を頂きました。中村先生の講演に際しましては、実験指導のため各地からおいで頂き熱心に指導に当たられました。皆さんの努力により、お陰さまで講演会は目的を達成することができ、成功裡に無事終了することができました。有難うございました。
 講演会に関しましては、前日に複数の新聞にて報道され、事務局は参加問い合わせに大童であったとお聞きしております。また開催当日夕刻には、早くも通信社から配信されたものもあり、以降、多数のマスコミにて取り上げられました。やはり全国的にみても大きな企画であったこと、混乱なく終了できたことを、今更ながら幸運であったと安堵いたしております。これは皆さん方のお力添えと、着実熱心な取り組みのお陰であったと感謝いたしております。
 この講演会の特徴の一つは、生徒に進行を担当していただいたことです。関係中学校の先生方の指導による講演者についての学習が事前に行われ、またこの講演会が自分たち生徒を対象に行われるという自覚が、会場の雰囲気にも出ていたと思います。生徒たちは大先生を目の前にしても、臆せず堂々と進行を行い、質問をしていたのが印象的でした。子供達一人ひとりに、何か一つでも心に残るものがあれば、開催した意義があったのではないかと思います。
 このような催しは、都市およびその近郊では頻繁に行われていますが、信越のこの地域で開催できたことも、特徴の一つといえるでしょう。これは、お二人の講師のご賛同があって実現したことは勿論ですが、よし、やるぞと燃えて、着実な計画性と実行力を発揮して頂いた皆さん方の、すごいとしか言いようのない力の賜物です。この貴重な経験は、日頃のお仕事に、地域起こしに、新しい発想の実現に生かされていくと確信し、また子供たちにも引き継がれていくと思います。この講演会をこの地で計画し成功裡に敢行できたことは、子供たちにも自信と教訓を与えていただいたと思います。
 これから講演会の記録集の作成に取り掛かります。編集や原稿書きをお願いすることになります。何卒よろしくお願いいたします。皆さんの発揮していただいた努力と協力に再度感謝し、お礼の言葉とさせていただきます。
久保 謙一 (組織委員会委員長)
 7月29日の長野県栄村での2005世界物理年企画に多大なるご協力をいただき,有難うございました。成功裏にイベントを終了することができました。村では,子供達の科学への関心を呼ぶ取組を続けていかれるそうです。今後とも,ご協力のほど,よろしくお願いいたします。
 菅さんも交えて,トリオ漫才のような様相を呈していたようにも見えたのですが,・・・!?大変楽しかったです。(タイムキーパー役の私としては,心配もありましたが)重ねて,感謝申し上げます。
矢部 正之
 今回の信越実験教室は、長野県の栄村という過疎の村に、その村長さんの子供たちの理科教育に対する熱い気持ちが周囲の多くの人を動かし、小柴教授、中村教授を初めがすべての人々が善意で結びつき画期的なプログラムになりました。ここにサイエンスEネットが参加できたことを一メンバーとして誇らしく感じました。
 プログラムのしょっぱながサイエンスEネットの実験でしたが川村先生は冗談を交えながら楽しくしかし進行具合をチェックしながら解説、中村先生とのやりとりも面白く進みました。一方TV放映のかげで、限られたスペースで机もなく時間も少ない中、細かい部品をなくさないよう、複雑な実験を時間内に終わらせるためにTAは要領よくちょっと必死で駆け回っていました。無事終了しましたあとみな快くぐったり・・・!
 美しい自然にかこまれて育つ子供たちの純真な目は輝き、両先生に対する質問もあふれるように続きました。参加できてほんとによかったです。自分自身にとっても非常にエキサイティングで勉強になる経験をさせていただきました。有り難うございました!
 川村先生有り難うございます。ご一緒させていただきました皆様また大阪においでの節はお立ち寄りくださいませ。思い出話に花をさかせましょう。
菅 留視子
 中村先生,小柴先生の講演会が栄村で開催される.ぜひ聞きに行きたい.でも対象は地元の中高生.村外の私には一般客としての資格はない.なんとか聞きにいけるルートは無いかな....と思っていたら,ありました.実験ショーのTAとして会場にもぐりこむという方法が.
 前日のリハーサルでは「部品を床にばらまいてしまう生徒が出るんじゃないか」「その説明ではわかりにくいんじゃないか」などいろいろな心配事がありました.しかし実際にやってみると,さすが中高生,みんな順調に工作が進み,全員がダイオード点灯まで成功しました.
 もっとも印象的だったのは,中村先生が「好きなことに打ち込め」そして小柴先生が「夢を大切にせよ」と,それぞれことばは違っても同じ意味のことをおっしゃっていたことです.中村先生は熱く子供たちに語りかけ,小柴先生は逆に一つ一つゆっくりと子供たちをさとすように,それぞれの口調は各先生のお人柄をあらわしておりました.
 一点だけケチをつけるとすれば,マスコミ取材のカメラが子供たちのじゃまをしていたことでしょうか.会場がせまかったせいもありますが,ステージ上で中村先生と川村先生のダイオード実験がはじまると,カメラが何台もステージ正面に集まってしまい,フロアでいすに座っていた子供たち(主に中学生)からは,カメラマンの背中しか見えなかったということです.もうちょっと配慮がほしかったですね.
 まあでも終わってみれば,前日の例会から実験教室,講演会と,すべてに渡りとても有意義な時間となりました.関係者の皆さま,ありがとうございました.
石川 正昭

アルバム

手回し発電機紹介
左から菅さん,川村先生,中村修二先生
手回し発電機工作
省エネ電球の実験 分光シート
森宮野原駅
ここから未来の大科学者が出るかも
日本最高積雪地点の碑