日時 平成16年10月16日(土) 15:30〜
場所 信州大学教育学部 W501
内容 1.公開講座報告(紅いもと酸性・アルカリ性)   間々田 和彦
2.太陽系のサイズ   間々田 和彦
3.エネルギーにはどんな姿があるか(ジュールの体験)   岡村 富博
4.環境ホルモン(0)   田中 千穂
5.エネルギー問題(0)  平方 素樹
6.生命倫理(0)  唐木 理絵子
7.機械の解剖(サイエンスキャンプの実践)  石川 正昭
    例会で使用のpptファイル(石川)(2.8MB)

1.公開講座報告(紅いもと酸性・アルカリ性)   間々田 和彦

   同日実施の大学Jr.サイエンスでの「紅いもホットケーキ作り」の報告。

   ホットケーキミックスに、紅いも粉を混ぜて焼く実演が行われた。
   もとの紅いも粉は紫色だが、酸性で桃色、アルカリ性で青色に変化する。
   よって焼くと、炭酸水素ナトリウムの熱分解によって紫色から青色に変化す
   る過程を見る。
   レモン汁や紅茶を混ぜて、粉の色の変化を見ることも行った。


2.太陽系のサイズ   間々田 和彦

   授業で太陽系のサイズを勉強するときの、分かりやすい教材の使い方

   (膨らんで)32cmのビーチボールを太陽として用いると、
   地球―3mm、月―1mm、木星―3cmで表される。
                      (原寸大の1/109の大きさ)
   太陽をこの大きさで表すと、地球との距離が35mとなり、学校の廊下など 
  を使って表せるので分りやすい。
   また、3mmや、1mmの玉は、大型ホームセンターなどで簡単に購入できる。


3.エネルギーにはどんな姿があるか(ジュールの体験)   岡村 富博

    中学3年「エネルギーの移り変わりと保存」の単元で使う教材

   ・ペットボトルを振って得られるエネルギー(運動エネルギー)・・・@
   ・ゼネコンを回して得られるエネルギー(電気エネルギー)・・・A
   ・水が太陽の力で温められるエネルギー(光エネルギー)・・・B
      →これらを熱エネルギーに換算して、エネルギーの大きさを調べる。

   @では、ペットボトルの側面をもって振ってしまうと体温で水温が上がって
    しまうため、キャップを持って振るようにした。
   Bは、紙コップの内側を黒く塗り、水を入れて太陽の下に置いておく。
    @と同じく、側面は持たないように。
実際@は思っていたより大きく、Aは小さく、最初の予想との違いが出
た。

4.環境ホルモン(0)   田中 千穂

    環境ホルモンについての物質と、それに関わる例の発表

    特徴:分子内にベンゼン環を含むものが多い。
       体内の脂肪に溶けやすく分解されにくいので蓄積する。
    環境ホルモンによる被害の事例
    被害の影響があるのではないかと疑いをかけられている化合物の例


5.エネルギー問題(0)  平方 素樹

    エネルギー問題についての発表

    エネルギーの基礎的概念―いろいろなエネルギーの例
      力学的エネルギー、熱の内部エネルギーなど
    エネルギー利用の歴史


6.生命倫理(0)  唐木 理絵子

    生命倫理を考えるときに必要な科学的知識とそこから発生する倫理的問題 
   についての発表
   
    生命倫理とは何か―私達はなぜ今、生命倫理を考えなければならないのか 
   
    遺伝子問題―遺伝子診断、遺伝子治療


7.機械の解剖(サイエンスキャンプの実践)  石川 正昭

    8月28日〜29日 キッズサイエンスキャンプでの様子を紹介

    ・イベント概要
      ものこわし―機械の解剖
      ドライヤー、洗濯機、ファンヒーターなど35点用意し、好きなもの
      を子ども達が解剖し、観察し組み立てる。
      観察シートを用意し、解剖した際に仕組みをかき込めるようにする。
    ・交流会―工具の紹介
    ・反省 効果:子ども達は休憩なしで熱中、
組み立てる際に役立てるために各自メモ、
            2〜3人で協力も
        スタッフ不足  3:1くらいにすると良い
        教材(分解するもの)の選定
メカニカルな部分の多いものを選ぶ
            身近なものを選ぶ
            調達方法、事後の保管の問題
内藤由季子
7.「機械の解剖」
いわゆる理科教育からはちょっと遠いのですが,科学技術という視点で受け止めていただければ幸いです.
小学校から大学まで「独創的なものづくり」というキーワードが多く出回っていますが,いきなり材料を与えて「はい,作りなさい」と言っても,それだけで独創的なものづくりができるはずはありません.まず今の世の中にどのようなものが存在しているのかを知ることが,独創への第一歩だと考えています.そのようなポリシーのもとで,今回は身近にあるホンモノの家電製品の分解・観察・組立実習を4時間にわたって行いました.
期待通り子供たちは休憩時間もそこそこに,熱心に取り組んでいました.私自身も小学生だった頃,押入れからドライバーを持ち出しては家中の機械を,ほとんどすべてといってもいいぐらい分解してみました.そのとき機械類の精巧な作りに何度も感動したことが,今の仕事(工学部の教官)にもまだ影響を与えています.
この企画で子供たちに伝えたかったのは,実はそういう技術的なことだけではありませんでした.たとえば,複雑な機構を理解したときの「へぇ」という満足感,困難な箇所に手をつけるべきかどうかの攻防に伴う「ドキドキ」な緊張,組立に失敗して部品を破壊してしまった時の「ヤベェ」というあせり,そして組みあがって再び動き出した時の「やったー」という達成感,そういう感情の部分も同時に体験してもらいたかったのです.それで「機械って面白い」と思ってもらえれば大成功です.
例会の翌日にこのキャンプの様子が地元ローカル番組で放送され,私のインタビューもこの「ドキドキ感を伝えたい」という部分がクローズアップされていました.
そういうわけで,この企画,やっている私自身が実は一番楽しんでいたのかもしれません.
石川正昭

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