第51回例会

日時 平成17年6月25日(土)
場所 京都教育大学附属環境教育実践センター
内容 京都JC実験ショー
静電気の実験
電磁力パワー
エネルギー教育実践校報告
公開講座報告

内容報告

京都JC実験教室(川村 with山本さん,大江さん)

7月18日,四条烏丸のシルクホールで,実験教室を実施します。
その内容は,
「ストップ ザ 温暖化」をテーマに,地球環境を大切にとの流れです。

@巨大風船の実験
 普通の空気の入った風船と,二酸化炭素入りの風船を使って,二酸化炭素について実感してもらう実験
A省エネ電球実験器と分光つつ
 白熱電球と電球型電球色蛍光灯,交流電流計,デジタル温度計を設置した実験器を使い,各電球のスペクトルを,分光つつで観察し比較するところから,省エネに科学技術を用いる方法があることを,子ども達に気づいてもらうという実験
B水素エネルギーでロケットを飛ばそう!
 爆鳴気を利用して,ロケットを飛ばし,21世紀型水素エネルギー社会のイメージを子ども達にもってもらう実験
C地球を大切に
 環境保護ソング「山も川もだいすき」を歌い,最後に,蓄光シートを利用して,輝く地球を体感する実験
D始まる前と,休憩時間に,「風力発電の実演」を,フロアーで行う。

以上について,報告させて頂きました。

川村康文

電磁力によるコイン飛ばし

 大容量(4700μF)のコンデンサに、AC100Vを整流して充電します。過電流防止のため40Wの電球を直列にしてあります。電源を入れると電球は初めは明るく、だんだん暗くなって消えます。消えた状態でコンデンサは充電完了となります。AC100Vを整流すると、コンデンサに充電される電圧は最終144Vになります。これは正弦波の尖頭値です。
 
 この電気を1.3mmφのエナメル線15回巻きのコイルに流します。エナメル線の長さは約1mです。その抵抗値は約0.014Ωになります。流れる電流は144/0.014≒10284【A】という巨大な値になります。ただし電流の流れる時間は1000分の1秒以下です。またリード線やスイッチ等の抵抗で、電流がこれより少なくなる可能性はあります。
 
 この強力な電流で発生する磁力線がコイルの上に載せた1円アルミ貨にコイルと逆向きの磁力線を誘起し、磁力線相互の干渉で、アルミ貨に上向きの力を発生します。効果は絶大でアルミ貨は天井まで飛んでいきます。
 
 アルミ貨以外にいろいろな材質や大きさの金属で、飛び方や音を発するような実験ができます。
 
 なおこの実験は洛陽工業高校の荻野和俊先生、中野平中学校の松村浩幸先生の原案を、森政弘氏がロボコンマガジン11号に掲載されたものを参考にさせていただきました。

桜井昭三

エネルギー教育実践校

調査日:6月16日(木)
協力:埼玉県蓮田市立蓮田南中学校 小森先生
    茨城県立つくば市立吾妻中学校 石黒先生
江田先生の用意した13の質問項目に答えて頂く形式でした。

気付いた点、特記すべき点
 蓮田南中学校は、地域や家庭との連携がほとんどなく、学校内で生徒の理科への興味関心を高めることに力を入れているという印象を持ちました。また、総合学習の時間を利用したエネルギー教育とは言え、理科の色が強く、他の科目との連携が乏しいことが明らかになりました。
 吾妻中学校は、総合学習におけるエネルギー教育あり方を模索し、総合学習の本来の目標を達成することを最終的な目標としています。例えば地域や家庭との連携とに力を入れ、科目という枠組みをも越える授業を展開しています。
 どちらの学校も現段階では「成功例」と判断できません。その理由は、「成功」の定義が未だ曖昧なのだからです。これらのエネルギー教育を受けて、子供がどう変わったか調べたり、何を持って「成功」と言えるのか、基準を設ける必要があると考えています。
 日本のエネルギー教育(教材研究等)を進める上で、有効な総合学習の進め方や教材の開発を進めるために、今回の調査結果を有効に使いたいと考えています。

鳥海麻奈

感想など

 7/18の京都JC実験教室スタッフに、何を血迷ったか立候補をしてしまいましたが、実はボランティア経験皆無。最初の一歩が無ければ何事も始まらない、と自身にムチを入れました、というのが実は、真相でしょうね。イメージを創りあげたいと、本務校での先約「大学院説明会」の対応を同僚にお願いし51回例会に参加させていただきました。お誘いくださった松井さん、本当にありがとうございました。

 会場が初めてということもあって、少し余裕をもって奈良を発ちました。これが正解!京教附属高校キャンパスを時計回りに一周して、やっとフェンス内に侵入できました。公開講座の後片付けをしておられるところに闖入したにも関わらず、松井さん、お茶、ありがとうございました。汗がひきました。感謝。

 最初の京都JC実験教室の内容についての打ち合せ、だいぶイメージを膨らませることができました。まだまだ完全ではありませんが。桜井さんの「電磁力によるコイン飛ばし」は、対象によってそれぞれの楽しみ方があるのだな、と感じさせられました。

 次の(?)岡村さんの「静電気」はビーズの大きさが鍵。何を見せたいのかによって、材料吟味が本質的意味を持つことにもなる、という教訓?復路の電車の時刻の所為か、信州組が退場する落ち着かない雰囲気下での、鳥海さんの発表は気の毒でした。質疑応答も会場を明け渡す時刻の制約で、これまた浮き足立った状況。本当に気の毒の一語に尽きるといったところでしょう。内容についての感想は、個人的に語らせていただいきましたが、日々の授業と同じで、「ツカミが大事」。研究目的を明確に伝えること、これが重要。聞いてみようと思わせるプレゼンに一工夫を、ということでしょうか?

今後の研究のご発展を祈っています。

平賀章三

例会の写真

京都JC実験教室 静電気実験
静電気実験のビーズ 電磁力パワーその1
電磁力パワーその2 エネルギー教育実践校

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