第52回例会

日時 平成17年7月28日(木)
場所 長野県 秋山郷北野天満宮温泉
内容 1.福武「加色混合ダイオード実験」
2.福武「発砲スチロールグライダー」
3.長嶋「重いボーリングボールを掃除機で吸い上げる実験」
4.遠藤「物理教育学会新潟支部の活動報告」
5.石川「科学技術理科増進活動について」
6.川村「5mm玉ペットボトル顕微鏡」
7.川村「カセットケース型リニアーモーター」
8.川村「温泉水でフィルムケース型燃料電池」
参加者(敬称略)
中村修二,久保謙一,矢部正之,川村康文,菅 留視子,石川正昭,長嶋 淳,福武 剛,中澤美三,大塚浩文,島田英俊,多田恭子,鈴木昭弘,遠藤 浩,坂東昌子,久保季三江,久保達彦,永田卓夫,永田成子

報告

フルカラーLEDを使った加色混合実験器の試作

 秋月電子(その道では有名な、電子キットと部品の販売店)で手に入るフルカラーLED(2種類)を使って試作した。簡単なトランジスタ回路でボリュームを使ってRGBそれぞれに流れる電流を自由に調整できるようにして各色の強さを変え、自由に色を作り出してみる装置。高輝度のLEDを使ったものは演示用を意図したもの。比較的輝度の低いLED(信越実験教室で使ったものと同じLEDではないか?と思っています)を使ったものは、それぞれの素子と直列に同じ色の単色LEDをつないであり、R、G、B各色の表示とそれを混合したものの表示を同時に出すようにしたもの。子どもたちが自分でつまみを回して元の色とそれが混ざった色とを見比べさせることを想定した。

発泡スチロールグライダー

 発泡スチロールを薄く切って作ったグライダー。アルソミトラ型とムササビ型の2種類を披露した。丸いシールをはって重心位置を調整することによりいろいろな形のグライダーを作って飛ばすことができる。

以上 福武 剛

科学技術理科増進活動について

文部科学省の設置した懇談会(座長 有馬先生)で,科学技術理解増進活動に関する提言がこの7月に発表されました.その全文を入手できたので,内容を要約して紹介しました.またその提言に対して読売新聞社説に批判的な記事が出ていたので,それもあわせて紹介しました.提言の内容は次のようです.
 3つのビジョン:今後取り組むべき特に重要なこと
  「アウトリーチ活動 科学技術をわかりやすく伝える」
  「リテラシーの向上 科学技術への理解力を高める」
  「教育 伸びうる力を伸ばす環境を整える」
 7つのメッセージ:それぞれの立場の人に望むこと
  「教育機関へ 体験活動の増大,教員支援,教員養成」
  「家庭へ 親子で科学技術に接する,子供の夢を壊さない」
  「科学館等 コーディネート機能を持て」
  「企業へ 科学技術に関する貢献を高く評価せよ」
  「メディアへ 影響が大きいことを自覚し,わかりやすく伝えよ」
  「地方自治体へ 他部局との連携,予算確保,機会づくり」
  「国へ 予算の拡大」

石川正昭

5mm玉ペットボトル顕微鏡

 以前,サイエンスEネットMLで広報しましたように,信州大学教育学部の授業で,学生達が開発した実験教材で,5mmのビー玉を使うため,ペットボトルのキャップの裏の状態を気にしなくてもよくなった。

カセットケース型リニアーモーター

 翌日の信越実験教室で,手回し発電機工作を行うので,手回し発電機を作った場合のオプション実験として発表した。手回し発電機を左右に回転させると,カセットケース型リニアーモーターはそれに対応して前後に移動するのを紹介した。

温泉水でフィルムケース型燃料電池

 いつものフィルムケース型燃料電池に,北野天満宮温泉の温泉水を利用して実施した。まず,模型用のモータを回転させて,モーターが止まってから,その後,電子メロディーを鳴らした。

以上 川村康文


感想

 例会では,中村先生や,和達先生らと,うち解けあいながら楽しく,実験交流ができました。また,石川先生の科学技術理解増進の発表では,日米での考えの違いなども交流でき,有意義な勉強会になりました。
 また例会のあと,2次会というのか,3次会というのか,理科教育談義が夜遅くまで続きました。学校の先生,大学の各学部の教師の考え,企業をご定年になった方のお考え,広く,意見交流ができてとてもよかったです。

川村康文

 第52回例会は,中村先生や和達先生をはじめ,さまざまな立場の方と直接お話をすることができ,非常に有意義な討論会でした.私の発表は実験紹介ではありませんでしたが,理科・科学技術教育だけにとどまらず一般的な教育論にまで議論が白熱し,参加者の熱意の強さをあらためて感じました.こんな先生ばかりだったら理科離れの心配なんて無用なんでしょうけどね.
燃料電池の実験は,子供達にはもちろん,理工系大学生にも見せることができる実験です.私もさっそく後期の授業でやってみせます.

石川正昭

1.福武さん「加色混合ダイオード実験」
 ・コンパクトなつくりで、楽しめる工夫もあり、こういう物を自作できるっていいなぁと思いました。班で一台ずつあればいい学びができそうです。
2.福武さん「発砲スチロールグライダー」
 ・知ってはいたのですが、実物を見たのは初めてでした。あれだけ薄くスライスするこつをお聴きするのを忘れてしまいました。
3.長嶋先生「重いボーリングボールを掃除機で吸い上げる実験」
 ・演示のやり方も大変うまくてさすがでした。やはり科学は実物がある、実験があるっていいですね。あの直径20センチ以上もあるアクリルパイプを手に入れる、そして、ここまで運ぶ。すごいです。ボーリングの球は重心をわざとずらしているらしいとは驚きました。
4.遠藤先生「物理教育学会新潟支部の活動報告」
 ・とても意欲的な活動に頭が下がりました。冊子、目を通してみました。
5.石川先生「科学技術理科増進活動について」
 ・話がどんどん広がりました。それぞれの立場でどう具体化していくかなんでしょうね。
6.川村康文「5mm玉ペットボトル顕微鏡」
 ・恥ずかしながら、実物を見たのは初めて。なるほどなぁと思いました。更に便利にするために、光源装置とセットにならないかなぁ。
7.川村康文「カセットケース型リニアーモーター」
 ・これまた、大変コンパクトでした。こういうのを見ると、すぐ、二人に一台ほしい、せめて、班に一台と考えてしまいます。
8.川村康文「温泉水でフィルムケース型燃料電池」
 ・さすがに温泉でした。楽しかったです。たしか砂糖と黒砂糖の話題もでたような。これまた、なるほどと思いました。

大塚浩文


アルバム

加色混合実験機 発泡スチロールの種
ボーリングの玉の浮上 石川(奥)と和達会長(手前)
ペットボトル顕微鏡

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