第69回例会

日時 平成19年8月2日(木)
場所 東京理科大学
内容 参加者(敬称略):
小笹哲夫(東京理科大学院生),古月徳磨(東京理科大学院生),吉田加津哉(東京理科大学院生),網倉聖子(Coming),
銕川陽一(ITフォー),朽津恵理(東京理科大学),溝口貴子(東京理科大学),長嶋 淳(神奈川県中学校),川村康文(東京理科大学)

テーマ:
1.授業の達人報告−人を引きつける授業−  (長嶋 淳)
2.RikaTanの紹介                   (長嶋 淳)
3.リスーピアTa体験記(村田講師のTaをして) (溝口貴子)
4.町中の小学校の実態               (網倉聖子)
5.科学技術と社会の相互作用の応募について (川村康文)
6.理科教育における概念学習(理科の教育,2007年8月,埼玉大学の片平先生)                     (川村康文)
7.広領域教育 No.66 スウェーデンの環境教育の実態(江田先生)                            (川村康文)
8.リスーピアからのプレゼント(下野館長より頂きました)
                               (川村康文)

報告

授業の達人報告−人を引きつける授業−

これから教職を目指される方々に、
教師の楽しさ、授業の楽しさ、
教材開発の難しさ、そして、授業のポイントを
模擬授業や工作を通してお伝えしました。
まず最初に、中学校1年生の「植物」の部分の
教科書の実物確認と、導入実験として「種子」を使った
模擬授業をしました。その中で、工作とともに、道具の使い方、
概念崩しの話をしました。
また、2分野「大気」の授業として、
サイエンスショーで実演している「空気の力」を
用いて、教材の提示方法の提案をしました。
最後に、学校生活における授業の重要性。
教材開発の情報や方法、提示方法の重要性、
授業をおこなう上での、ポイントの話をしました。

個人的には、今まで、いろいろなことをしてきたのですが、
講師を引き受けるにあたり、自分のやってきたことを
一つにまとめるという作業をする事ができました。
その過程で、様々な発見がありました。
教材の再考、授業実践の文章化、
そして、教師の視点としての授業の見直し。

講座を終わるまでは、ドキドキの連続でしたが、
終わった後は、講師をつとめてよかったと思いました。

貴重な機会をいただきありがとうございました。

長嶋 淳

都心の小学校の学級崩壊の要因

 LDやタドウ症といった生徒以上に問題になっているのは、塾や科学教室など
でたくさんの知識を知っている生徒。

 例えば、『電磁石』を小学校では、10時間位かけて理解させ、作業させるカ
リキュラムです。科学教室ですでに知っている生徒は、先に答えを発言してしま
うなど、ひとつひとつ考えさせる単元ができなくなってしまいます。またその子
にとっても、すでに知っている内容を10時間もかけることの授業のつまらなさ
を感じていると思います。

 学校側では、知識のあり発言をしてしまう子を問題視しているところもありま
す。科学教室で『科学好き』を育てている一方で、学級崩壊の要因も育てている
かもしれない事実。

 川村先生が推進されている『学校との連携』の大切さを痛切に感じています。

網倉 聖子

感想

今回は人数も集まり,とてもよかったです。
長嶋先生は,RikaTanを出席者全員に配って頂けましたし,
リスーピアの下野館長からは,おみやげを頂いていましたので,かなり華やいだ雰囲気でよかったよかったと思っています。

何よりも感動したのが,網倉さんが,お仕事をいろいろ抱えておられるのですが,今日の出席のために,昨日は徹夜で仕事をすまされて参加下さいました。こんな感動は,すごい!という以外に表現の仕方がありません。ありがとうございます。

また,溝口さんが初発表をしてくれました。これも感動ものでした。
是非,次回,サイエンスEネット例会9月20日に行いますので,ご参加どうぞよろしくお願い申し上げます。

川村 康文

長嶋先生
ひとりの生徒として楽しく授業を受けさせていただきました。
長嶋先生が楽しそうに授業をしてらっしゃったので、思わず私
も入り込んでしまいました。
授業のルールや提示方法、心の持ち方など非常に参考になりま
した。とても貴重な体験ができました。
種子ひとつをとっても、あれだけの教材と内容の広がりがある
ことに驚かされました。「バカの壁」のたとえにもあるように
、導入部分の重要性を認識できました。
できる生徒に対して難易度の高い課題を準備されているという
ことでしたが、具体的にどのようなものか興味がありました。
授業中、電球を電球として、ボウリング球をボウリング球とし
て使わないところにすごさと独創性があると感じました。
ありがとうございました。

溝口さん
リスーピアで会得された手品は、自分にとって新鮮でした。
外部のTAを体験されたということで、個人的には非常にうらや
ましいと思いながら発表を聞かせていただきました。

綱倉さん
町中の小学校の実態を垣間見れることができました。
学級崩壊の実態、天体の問題、学習指導要領についてと興味深
く聞かせていただきました。
実態の情報が乏しい私にとって、とても参考になりました。

川村先生
概念学習ということで、そのなかで出てきた「正しい概念」と
「妥当な概念」の言葉についてのコメントが印象的でした。
日々研究を行っていると「正しい」という言葉はそう簡単に言
えるものではないことを感じるからです。「妥当」という言葉
が私はしっくりきます。どんなに精密で間違いないだろう実験
と結果であってもです。
今日、応用物理学会の榊先生が「研究は全員で石ころを高く積
み上げる作業のようだ」と言ってました。否定の連続、部分否
定と改善の連続であると言ってました。正しいと言いたいが、
決して言えないと。
「正しい」と「妥当」についての話と共通点を感じました。

古月 徳磨


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