第70回例会

エコテク未来研究所第1回例会・合同例会

日時 平成19年9月19日(水)
場所 東京理科大学
内容 参加者(敬称略):
小笹哲夫,古月徳磨,吉田加津哉,朽津恵理,菅森あすか,溝口貴子,網倉聖子,工藤博幸,中村友香,田山とも子,竹中雅博,銕川陽一,桜井一充,舩田優,加藤俊博,筏有司,小野寺卓博,東良太,川村康文

発表者
1.工藤博幸 授業の達人反省会
2.舩田 優  楽しいいろいろ実験+RikaTan
3.溝口貴子 カセットケース型リニアモーター
4.川村康文 高出力・低出力切り替え式手回し発電機
5.菅森あすか 簡単・安価模型自動車
6.田山とも子 豆乳・バナナミックスケーキ ペクチンの不思議
7.加藤俊博 楽しいいろいろパズル
8.朽津恵理 授業の達人のインターネットコンテンツ作成(間々田先生分)
9.網倉聖子 液体窒素の液のにごりは,沸騰だ!
         フェライト磁石を液体窒素で冷やすとパワーダウン

報告

低電圧・高電圧2段階手回し発電機と,300円程度でできる模型自動車

 いままでの手回し発電機は,5から7Vあるいは開放電圧では10V出ましたので,  小学校のま豆電球がとんだり,モーターが焼き付いたりして問題でした。そのため,2種類の手回し発電機を別々にわけて保管するか,高電圧手回し発電機だけでした。  そこで,2つを一体化すると保管場所をとらないなど,授業での準備が楽になるなど,メリットがあります。 その2段階手回し発電機と,それで,動く,模型自動車を紹介しました。

川村 康文

液体窒素の液のにごりは,沸騰だ!
フェライト磁石を液体窒素で冷やすとパワーダウン

 液体窒素の実験をみなさんと一緒に検証させていただきました。
A.液体空気が白濁の訳?
1.空気をかさ袋に詰め、液体窒素に入れる
  →白濁した液体になる。
2.試験管に、酸素ガスから生成した液体酸素と液体窒素を混ぜる。
  →無色透明。常温にさらすと2〜3秒後に白濁。
3.空の試験管を液体窒素の中に入れておくと空気が冷やされて、
  試験管の中に液体空気が溜まる
  →無色透明。常温にさらすと2〜3秒後に白濁。
4.3の実験は沸点の低い水蒸気などから液化するので、
  空気の割合がかわってきて空気とはいえない。
  閉鎖的にするためカサ袋に空気を入れ、試験管に集める。
  →無色透明。常温にさらすと2〜3秒後に白濁。
5.もう一度1の実験を再現
  →無色透明。常温にさらすとすぐに白濁。
6.酸素ガスだけを液化
  →青色透明。常温でも沸騰はしていても濁とはいえない。
7.液体酸素だけを試験管に入れる。
  →無色透明。常温でも沸騰はするが大きな泡で白濁はしない。

 以上の実験を踏まえ、液体空気が白濁するのは、水蒸気や二酸化炭素が原因で
ないのでは?という考えになりました。
 液体窒素を気体に変え、その中に二酸化炭素ガスを入れて、液化するとどうな
るか?実験したかったのですが、忘れました。
 でも2の実験で、限りなく二酸化炭素がない状態でも白濁したということは、
二酸化炭素が原因ではないとしてもいいのかな?と思います。
 また2、6、7を検証すると、酸素と窒素が混じりあったときに白濁すること
から、沸点の低い酸素が先に蒸発するからとの意見が有力かな?と思いました。

B.フェライト磁石の磁力が減少する?
1.同じ磁性力のフェライト磁石を用意し、片方のみ液体窒素に入れる。
  →液体窒素に入れたフェライト磁石は磁力が減少した。
  2度しました。誰でもすぐにわかるほど磁力は低下しました。

 同じフェリ磁性をもつ磁鉄鉱と鉄ガーネットを検証しようとしましたが、すで
に磁性がない状態でしたので、実験できませんでした。申し訳ございません。昨
日早速磁性のある磁鉄鉱を入手できましたので、一人で実験してみます。
 フェリ磁性の低温磁力低下は、東様が理論的に証明されましたので、東様、ご
説明よろしくお願いいたします。

 以上、液体窒素を入手してくださった小笹さん、また検証の機会を与えてくだ
さった川村先生や参加された皆様、ありがとうございました。

網倉 聖子

感想

  工藤先生の授業に初めて参加いたしました。温和な工藤先生から想像もつか
ないくらい理科教育に対してのとても強い信念を感じました。理科室に生徒がき
たときに『お帰りなさい』と言える理科室にしたい!とおっしゃられた言葉が印
象的でした。ありがとうございました。とても素晴らしい授業に参加できました。

 磁石でつくるリニアモーターカーで、最後まで磁石の極がわかりませんでした
。フレミングの左手は、小学生レベルの私には難しいです。娘に聞くと『フレミ
ングの左手の法則は、公式が解けてやっと理解できた。公式がわからないと難し
い。右ネジの法則で解いた方が理解しやすいかも?』と言われました。
子ども(もちろん私も)直角にすることは難しく、とくに人差し指と親指は同じ
方向になってしまいます。溝口さんお手製のブーメラン測定器は、絶対お勧めで
す。簡単に向きがわかりました。
 川村先生の思いっきりまわしてもフィラメントが切れない手回し発電機は、さ
らに改良して早く商品化してほしいと思いました。
 舩田先生のブンブンコマや田山さんのゴキブリ、菅森さんの自動車、などとて
も工夫が見られ参考になりました。加藤さんのパズルは、一人でじっくり取り込
みたい一品を紹介していただきました。朽津さんのコンテンツは詳細に記録され
ていて素晴らしかったです。

網倉 聖子


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