第72回例会

日時 平成19年11月29日(木)
場所 東京理科大学
内容 参加者(敬称略):
網倉聖子,甲谷保和,銕川陽一,清水亮,中島康雄,古月徳磨,野坂泰子,溝口貴子,吉田加津哉,田山とも子,川村康文,東良太

発表者
1.授業の達人報告 松村浩一
2.青色ダイオードのその後 古月徳磨
3.サイエンス夢工房報告 溝口貴子,吉田加津哉
4.理科ねっとわーくでの研究 東良太
5.高・低両用手回し発電機 川村康文
6.簡易クント 網倉聖子
7.塩の実験,サイエンス夢工房 池田研発表 中島康雄

報告

音実験:簡易クント、骨振動

<簡易クント管>
 愛知県の緒方先生から教えていただいた子ども工作用の改良版です。
作業手順
  @透明なタピオカストローに微細な発泡スチロール球を1/4入れる。
  Aストローの片方はセロテープでぺちゃんこにして塞ぐ。
  B片方は、ビニル袋をたるませるようにはり、
   ゴムでタピオカに固定する。
  Cジャバラをビニル袋の上に被せ、セロテープで固定する。
  D発泡スチロールが入っているストローを水平にし、
   ジャバラから声を出す。
 タピオカストローを探すのが大変だったと発表したところ、OHPシート、ク
リアファイルなどいろんな材料のご意見をいただきました。ありがとうございます。

<骨振動>
作製手順
  @オルゴールをケースから出すと、音がほとんど聞こえなくなる。  
  Aオルゴールを割り箸の先端にネジでしっかり固定する。
  B割り箸のもう先端にストローを取り付け、そこを歯でしっかり加える。
  C歯→頭蓋骨と振動が伝わり、音がよく聞こえる。
  D割り箸の先端を顔の頭蓋骨につけても肉が邪魔して聞こえないが、
   耳の近く、耳の中に入れるとよく聞こえる。
応用
  @割り箸でなく、もっと長い1m位の木や金属やいろんな素材で行う。
  Aオルゴールを1m位の長さのタコ糸で巻き、
   タコ糸の先端を指に2〜3回巻き、耳に入れる。

網倉 聖子

青色ダイオードのその後

急遽、自分の研究内容を発表させていただきました。
私は大学院で窒化物半導体という青色発光ダイオードの応用に
代表される物質の研究をしています。最近の応用例だとBlu-ray
が有名です。
発光ダイオードひとつにしても、一日中研究室にこもり、睡眠
も削りながら、それぞれの思いを胸にがんばっている研究者、
大学院生が多くいることを知ってもらえたら光栄です。

久々に他分野の人たちに発表しました。他分野特有の質問に触
れられてとても参考になりました。勉強不足も露呈して逆によ
かったです。ありがとうございました。

信号機はなぜ青色ではなく緑色か?ですが、人間の目の視感度
の問題が主だと認識しています。
青色よりも緑色のほうがLEDの発光効率は落ちますが、それ以
上に人間の目の視感度が緑色領域でいいので、信号機は緑色に
しているのだと認識してます。
印加電圧も多少は関係すると思いますが、今現在でそこまで効
いてくるとは思いづらいです。
網倉さんの話はあっておかしくないと思います。とにかく紫や
青色は人間の目には認識しづらいです。実際に光学測定してい
てそれは強く感じます。同じ発光強度なら緑色発光のほうがだ
んぜん明るく見えますし、遠くからでも認識できます。
あと強い青色の光は意外と不快です。これは個人的な感想です。

古月 徳磨

感想

 例会は、ひとつひとつの発表に『川村バトル』があり、川村先生の理科教育に
対する熱い思いを聞くことができました。これは例会に参加しないと体験できま
せん。

 古月さんの青色ダイオードでの発表で、「青信号といわれているのに、何故緑
色か?」という問いに答えた内容ですが、以前読んだ本の内容で不確かです。ご
存知の方、ご意見をお願いいたします。
 『ヒトは進化の過程で、昔は青を認知できなかった。赤ちゃんはヒトの進化の
過程をたどっている。赤ちゃんの玩具に赤が多く青がないのは、赤ちゃんは青を
見分けることができないからだ。日本を含みアジアは、欧米に比べ青が認知でき
るようになったのは遅かった。』

 中島先生発表の塩の実験ですが、
  ・形状が違う(たとえば小麦粉のイガイガと片栗粉の丸
         下流の砂と上流の砂)
  ・大きさが違う(発泡スチロール球など)
  ・重さが違う(金属球、発泡スチロールなど)
といろいろ試してみたい内容でした。
同じ食塩ですると数学的ですが、いろんな条件を変えると理科的要素になりそう
になると思いました。

網倉 聖子

松村先生の教材にはただ驚かされました。とてもおもしろかっ
たです。
現在、私は中高一貫の私立で非常勤として理科を教えています
が、どのようなときに教材を思いつくのかとても興味がありま
した。同時にあのような授業を受けられる生徒たちはさぞおも
しろいだろうなと、自分もそういう先生に教えてもらえていた
らと考えていました。
とても参考になりました。
ありがとうございました。

古月 徳磨


アルバム


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