第77回サイエンスEネット例会の報告

<場所> 東京理科大学 川村研究室
<日程> 2008年11月8日(土)18〜22時位まで
<参加者> 
 川村、足利、佐々木、槙、後藤、網屋、滑川、中澤、墨谷
<発表>
0.公開講座報告;圧電実験シリーズ(足利@鳥取県)
1.ファラデーモーター(足利)
2.圧電リニア-モーターカー(足利)
3.電流回路(中学2年生)の実践(佐々木@福島県郡山市)
4.霧箱(槙)
5.ボイル・シャルルの実験(後藤)
6.ピエゾ効果の石(網倉)
7.しゃかしゃかライト(網屋)
番外。3色蛍光管,ハンディブラックライト暗箱(川村)

<感想、発表内容>
●川村(東京理科大)
 川村の番外編の発表をします。
足利先生の圧電素子で,蛍光管やグローランプを光らせる実験に触発され,思わ
ず,ハンディブラックライト暗箱を出してしまいました。 ハンディブラックラ
イト暗箱は,明るい教室や運動場でも, 紫外線で光らせる実験ができるように
,しかも,電池代などを考えなくても,圧電素子でブラックライトを光らせる実
験機です。
そのため,つられて,水銀灯,ブラックライトを出してしまいました。あげくの
果てには,3色蛍光管まで出してしまいました。川村研の中澤さんも始めてみた
と言ってもらえたので,ご披露したかいがありました。
 感想:まず,なんといっても,網屋先生が滑川先生と偶然,お会いになって,
参加されたこと,ありがとうございました。特に,滑川先生は電気工学ご出身で
,ご自分の研究が風車を水車にしての発電で,川村研の研究を進めるうえでも,
貴重なアドバイスを頂けそうです。ご参加,ありがとうございました。続いて,
後藤先生@実践学園の,理科ねっとわーく研究の研究授業の研究です。ボイル・
シャルルの実験を,ガラス管に水銀を入れる場面,金尺を利用する場面などを全
員で体験し,中澤さんや後藤先生,網倉さんに,実験データからグラフを描いて
もらったり,絶対零度の話をしたりできたのが,よかったです。佐々木先生は,
福島県は郡山市から,例会のためにおいで頂け,後藤先生とはさらになお交流が
進みました。
今回の圧巻は,やはり足利先生の実験シリーズです。実験3メニューですが,全
部で10ぐらいの実験をみせて頂けたでしょうか?川村もすごく勉強になりまし
た。大感謝です。今回は,参加者もやや多く,楽しい例会となりました。

●足利
 昨日はいろいろ勉強になり、楽しく過ごさせていただきました。
0.公開講座報告;圧電実験シリーズ(足利@鳥取県)
「圧電」をテーマに、2つの工作を行った。
まず、圧電の性質を見るため、着火素子による蛍光管やグロー球の放電実験を行
った。着火素子を用いた雷の発生実験で、雷はどのような場所に落ちやすいか、
落雷から身をまもる場所はどこかなどを学んだ。
工作は、着火素子にリード線を巻きつけ、絶縁テープで覆った。
黒の塩ビ板上にアルミテープで地面や雲、ビル、建物、車、木などを作った。
リード線を地面の部分に接続し、雲の上に着火素子を押し付けて高電圧を発生さ
せ、放電を観察した。UFOや人を配置する子もいた。
圧電スピーカを用いた環境にやさしいライトの工作を行った。
圧電スピーカが振るときに動いて配線が切れるというトラブルが発生し、その対
処にびにるテープで固定すると光が弱くなった。
午後の部の子がこうした方が明るいよ、と圧電スピーカを机に置いてペンでたた
いた。保護者はコインで固定する提案を行い、実験の結果、プラバンをはさむこ
とにした。
参加者の方々から他にもさまざまな実験の改良のアイデアをいただき、親子教室
ならでは成果があった。

1.ファラデーモーター(足利)
 水銀の代わりにアルミテープと真鍮のくさりを用い、ネオジム磁石をいろいろ
変えて実験した。手回し発電機を逆向きに回して、回転が逆になることを示した

2.圧電リニア-モーターカー(足利)
 圧電ブザーを2個用い、斜めに並べて振動で動くリニアモーターカーを紹介し
た。網倉さんの提案で人形を後ろに乗せると早くなったが、その後はどの位置に
乗せても同じだった。追試が必要。また、軽い電気二重層コンデンサーを搭載し
て自走式に改良する予定である。

●網倉
   私は、足利先生の圧電実験の工夫に合わせ、石英の圧電効果を一発芸でさせ
ていただきました。石英を力をかけてこすり合わせると、光を放ちます。水晶は
圧電体の一種で、圧力をかけると振動(1秒間に32768回水晶による)します。そ
れを利用したのがクオーツ時計です。暗闇で水晶を強くこすり合わせるとその振
動で光を放ちます。
 どんな石が光るのか?これからいろいろ調べたいと思っております。
 水晶:光る ・・無色透明(白色でも六角形のもの)な鉱物で結晶したもの
 石英:光る ・・白色で六角形をしていない結晶したもの
 アメジスト:光る・・紫色の二酸化ケイ素
 ピンククオーツ:光る
 メノウ:光る
 ルチル水晶:光る
 人口水晶:光る・・ニ酸化ケイ素を人工的に結晶させたもの
          人口水晶が時計に利用されている
 練り水晶:光らない・・ニ酸化ケイ素を溶かして固めたもの
 石英ガラス:まだ実験していない
 チャート:今のところ光らない・・放散虫などのケイ酸塩の堆積岩
      チャートは光ると言われている。
 ガラス:光らない・・ソーダーガラス(二酸化ケイ素ではないが)
 黒曜石:光らない
 と主に二酸化ケイ素を主成分としたものを調べています。
結構区別がつきにくいのが、水晶と人口水晶、練り水晶の違いです。見た目も同
じ無色透明で、宝石屋さんで売っているのも区別がつきません。
 また人口水晶と練り水晶は同じものかと思っておりましたが、全然違っていま
した。水晶は方解石と同じ複屈折をおこします。水晶と人口水晶は複屈折をおこ
し、髪の毛のような細いものは二重に見えます。宝石店にその話をしたら、それ
で練り水晶と区別するとおっしゃっていました。
 光らないと思ったものも、もしかしたら光るものもあるかもしれません。継続
していろいろ調べようと思っておりますが、もし情報がありましたら教えてくだ
さい。
 チャートは光ると言われていますが、まだ光ったチャートに出会っておりませ
ん。結晶していないものは光らないのかな?と一連の試し実験で思っておるので
すが、圧力、熱などで変成したチャートが光るのでしょうか?
 宮沢賢治は、水晶の光を『青白い』と表現しています。でも今までの試し実験
では『オレンジ色』です。青白く光るものもあるのでしょうか?

●足利
 網倉様,皆様足利です。
暗闇で,水晶と石英をペンチでつぶしました。
どちらも同じく白色に見えましたが,思い切りやると橙の火花が混じります。
水晶はよく見えました。
ただしカメラは開放でもよほど激しく何回もやらないと写りません。したがって
,火花の橙に写ります。
ビデオカメラの方がいいです。
人工水晶の棒はこすると全体が白く光って(全反射で)きれいです。
石英もゆっくりこすると白い色なので,これは摩擦ルミネッセンスだと思います

石英も水晶も強くこすると橙色にカメラにも写りますが,これは熱ルミネッセン
スではないでしょうか。ご専門の方がおられたら,教えていただけたらと思いま
す。どちらもも同じく橙の火花が見えます。
氷砂糖がなかったので,これはできませんでした。
今話題の粘着テープですが,X線は後日試してみます。歯医者さん用のフィルム
キットがあります。引き裂いても青白く光ります。粘着部分を2枚張り合わせて
はがすと,もっと光ります。普段テープをロールからはがしているときも光りま
す。我々は今までX線を浴び続けて来たのでしょうね。とて
も少量だと思いますが。

●滑川
東京都立府中工業高等学校、電気科の滑川綾治です。
11月8日はとても楽しく過ごさせていただきました。
やはり、理科や技術家庭、もちろん工業高校の科目などの醍醐味は実実験や実体
験に有るなーつくづく感じました。
 500円以内で出来る実験装置からボイル・シャルルの実験まで本当に楽しか
ったです。
  自分でも値段にはこだわらず、しかしあまりお金を欠けずに発電や電池遊びな
どの実験をしています。今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうござい
ました。

●網屋
 川崎市立枡形中学校網屋直昭
 例会に初めて参加させていただきました。ありがとうございました。
ボイルシャルルの実験を始めて経験させていただいたり、100均グッズでの実
験を見せていただいたり、大変勉強させていただきました。
今後ともよろしくお願い致します。