第80回例会報告

1.開催日時:平成21年1月10日(土)午後7時30分〜11時
2.開催場所:東京理科大学理学部川村研究室
3.参加者:10名(敬称略)
  川村康文,小田善治,墨谷悦史,加藤隆弘,佐々木清,佐藤和敏,
  加藤俊博,銕川陽一,東良太,藤原清
 
4.発表(テーマと内容)(司会:藤原)
@加藤隆弘様:
 風力発電機の製作,職場紹介。
 コウモリロボット(距離計ー内閣総理大臣賞受賞)の紹介。
A小田善治様:
 「ぷち発明をいかした教材としての色素増感太陽電池」論文の紹介。 
B佐々木清様:
 「月の満ち欠け観測モデル」,月齢カレンダーの作品紹介。
C佐藤和敏様:
 技術科免許を持っている先生といない先生(コンピュータ,CAD),
 コンピュータをいかに使いこなしているか,
 生産者の立場で技術教育を。農薬の是否について。
D加藤俊博様:
 「その道の達人」として教えに行かれる算数,理科ぎらいをなくす。 
 DinoーLiteの紹介ー出前授業に使われる。
E銕川陽一様:
 防犯の取り組みについて,画像と携帯電話で小学校の防犯について。
F川村康文様:
 温度測定の表示読みとりに小型カメラを装備した
 「地球温暖化デモンストレーション実験機」の紹介。

5.発表内容および感想(五十音順)
<藤原:司会担当>
 午後11時前まで熱心な発表をしていただきました,発表者の皆様有り難うご
ざいました。参加者は北海道,福島県,愛媛県,京都府,横浜市,東京都と広域
での例会となりました。

<小田>
発表内容:「色素増感太陽電池、投稿論文掲載と研究経過の報告」
 川村研究室にてセットアップされた色素増感太陽電池の教材開発の論文が、日
本エネルギー環境教育学会誌に掲載されたのでその報告をいたしました。
 併せて現在研究を続けている色素増感太陽電池搭載模型自動車についても報告
いたしました。
感想:
 みなさまの発表をきいて、とても勉強になりました。私は現在修士1年ですが
、残り1年の学生生活をこういった会に参加するのとしないのでは、自分の成長
幅に大きな違いがでてくると感じました。

<川村>
発表内容:地球温暖化デモンストレーション実験器の最新バージョン
 大型スクリーンに,実験データを写せるタイプです。当日は,小型テレビに,
空気と二酸化炭素の温度を写しましたが,今後は,大型テレビに写してサイエン
ス・ライブ・ショーなどでも,使いたいと考えています。
感想:
 今回は,愛媛は加藤先生,福島は佐々木先生,北海道は佐藤先生,京都は藤原
先生と,例会にお集まり下さり,川村個人が一番勉強になりました。
とくに,現場の先生方の生の声を直接聞かせて頂くことほど勉強になることはな
いと思います。ありがとうございます。
 是非,今後も,全国のいろいろな先生方,活躍されているみなさんと,交流を
継続できれば幸いです。

<加藤隆弘>
発表内容:
1 東京理科大学公開講座「かざぐるま型パルスモ−タ-風力発電機の製作」 
 1月10日・11日に、東京理科大学で開かれました親子向け実験の公開講座を
担当しましたので、その内容の報告をしました。テ−マは「かざぐるま型パルス
モ−タ-風力発電機の製作」でした。日本古来のかざぐるまを羽根に使い、低速の
回転でも、まずまずの電圧と電流が得られるパルスモ−タ−を発電機にしたもの
です。出力として、LEDの点灯や電子メロディを鳴らすことや、充電用の電池
・空気二重層のコンデンサ−に充電さすことができるものです。実施では、参加
者全員、装置が完成し、作動さすことができ、親子で、心を通わせ工作する場を
提供することができたと、感じています。また、この公開講座には、網倉さんや
佐藤先生にも、熱心に参加していただき、ありがとうございました。
2 勤務先の事業内容の紹介
 私の勤務先の愛媛県体験型環境学習センタ−の環境体験学習の実態報告をさせ
て、いただきました。主に、私が担当していますエネルギ−関係の中で「親子で
楽しめる自作装置」の主なものについて、写真と実物で、特徴と工夫した点など
を説明しました。
感想:
 ネット上で知っていた方と直接、お話ができ、たいへん、有意義でした。研究
発表は、持ち味を出したレベルの高い内容ばかりでした。意見交換は核心をつき
、今・これからの科学技術教育・理科教育・環境教育の方向が垣間見える、よい
刺激を得て、たいへん勉強になりました。私の例会参加は、八幡浜・
松山・東京と3回になりました。例会も100回まで、もう少しですね。

<加藤俊博>
 特に遠路から駆け付けていただいた先生方との交流できたことに深く感謝しま
す。
発表内容:「出前授業とUSB顕微鏡」
 会社員(元東芝、現TDK)だが、文科省関連の「その道の達人」プロジェクト講
師として、全国の小中学校に理数ぎらいを無くすための出前授業をやってきてい
る。最近では昨年11月に福島県の吉子川小学校に出前授業を行ってきた。出前授
業にUSB顕微鏡も持っていくことにしている。Dino-Liteデジタルマイクロスコー
プと称し、顕微鏡としては単一レンズでX10からx200と小型の割にかなりの性能を
有している。OHP代わりに使ったり、WEBカメラとして子どもたちの様子をプロジ
ェクターに映し出すこともできるので重宝している。なお、この顕微鏡をヨドバ
シカメラで9800円で購入した。
 出前授業でのパワーポイントを使って理数のプレゼンテーション内容を簡単に
紹介させていただいた。どのようにして子どもたちに興味を惹かせるようにして
いるか。
感想:
 例会の前に飯田橋ラムラでの川村先生のライブを聴かせていただいた。自然の
歌?を歌われていたとき、その場に現れた父親と女の子がいっしょに口ずさんで
とてもいい雰囲気になった。川村先生とあの女の子がNHKのみんなのうたでやれば
いいのでは?と思った。
 加藤隆弘先生のステッピングモーターによる風力発電は風速が小さくても高効
率で発電できるのでとてもすばらしい研究と思った。
そのほか、佐々木清先生の月の満ち欠けモデルや佐藤和敏先生の技術の重要性な
どお話を聴ける機会があったことを感謝したい。川村研小田善治さんの色素太陽
電池の研究では、いろいろな困難な状況にあっても前向きに研究を進めているこ
とが伝わってきた。きっと成功するでしょう。

<佐々木>
発表内容:「月の満ち欠けモデル」
 当日の午後、地元郡山市ふれあい科学館でサイエンスセミナーで市内小中学校
の先生に提示し、制作してきたものです。
 新学習指導要領で小学校6年生にも天体の学習が新設されたので、できれば小
学生にもつかってもらえるように安くて簡単に作れて、そして持ち運びが容易な
教材に改良を加えているものです。理科支援教員の学生の皆さんにも好評で、福
島大学・富山大学の皆さんに、資材と資料をお上げしました。今週の土曜日に総
括会議がありますので、希望される学生の方がおりましたならば、お持ちしたい
と思います。もちろん、川村研究室の墨谷悦史君の分は準備しております。
感想:
 第80回例会に参加させていただき、大変有意義に時間を過ごすことができ、あ
っという間に午後10時になってしまいました。
 今回で2回目の参加となります。いつも各地で活躍されている科学の達人とお
会いでき、科学への熱い思いを感じさせて頂いております。今回愛媛の達人でい
らっしゃいます加藤隆弘さんの風力発電すごいですね。材料がそろえば中学生に
も作れるでしょうか。
 風力発電の至る所に加藤さんのアイディアがいっぱい詰まっており、直接お話
を伺うことができ、感動しました。子ども達にとってより分かりやすくそしてよ
り使いやすい教材を提供しようとする試行錯誤して創り上げた教材への情熱が伝
わって参りました。新情報を頂き、福島へ帰って、仲間に紹介できる喜びを感じ
させて頂いています。とても、感謝しております。
 また、加藤俊博さんから教えていただきました「Dino-Liteデジタルマイクロス
コープ」いいですね。今週土曜日に上京しますので、購入したいと思います。
 北海道からいらっしゃいました佐藤俊博さん。技術科教員として何を本命にし
なければならないか。これまた熱い想いが切々と伝わって参りました。北海道に
比べれば、福島はまだまだ近いと思いました。

<佐藤>
 私はこれまで技術教育の全国大会等には参加したことはありましたが、理科教
育につきましては、地元の研究会に留まっていました。
 全国規模の集会に参加するのは初めてでした。
 ただ、川村先生もおっしゃられていましたが、技術、理科と区分して考えるの
ではなく、これからは一層、「科学技術」という枠で考えていかなければならな
いと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 なお、私の発表は、北海道の技術教育における情報教育について発表しました

 北海道内に限ったことではありませんが、消費者の立場でパソコンを使いこな
す授業は多く見られますが、コンピュータの原理を科学的に理解させる授業はあ
まり見受けられません。
 電気や機械等々の工学的視点が必要と思います。
 北海道在住ですが妻の実家が神奈川県なものですから、都内へ行く機会はよく
あります。
 また、みなさまにお会いし、勉強させていただくことを楽しみにしております


<墨谷>
 率直に言って大変勉強になりました。
川村先生もおっしゃっておられましたが、まだ現場に出ていない教師を志す学
生にとって、諸先輩方の何気なく交わされている会話を聞いているだけで勉強に
なりました。
 今回は同研究室の小田さんが発表をされていましたが、いずれは私も自分の研
究を発表できたら良いなと思います。その時に諸先輩方のご意見をお聞きできた
ら嬉しいです。と、言いましても、私はまだ3年生ですので、これから研究を始
めていく所なのですが。。いずれはできるようになりたいです。その時は宜しく
お願いいたします。
あと、佐々木先生の「月の満ち欠けモデル製作の材料」が実は欲しかったので
すが、言いそびれてしまいました。
先輩方の雰囲気に飲まれず、どんどん自分の意見を言えるように頑張って自分
を磨いていけたらと考えております。
 佐々木先生やサイエンスEネットの皆様のように、いずれは子どもたちのため
に教材開発のできる教師になりたいと考えております。
今はまだそのような力もなく、色々な実験を通して勉強をしている段階ですが
、例会を通して佐々木先生や皆様の技を盗み、少しずつ力を磨いていきたいです