第81回例会
日程:2009年2月28日(土)18時30分〜22時位まで
場所:東京理科大学 川村研究室
参加者:9名(敬称略、順不同)加藤俊博、猪間進、墨谷悦史、野村涼子、
銕川陽一、藤原清、花岡康夫、川村康文、網倉聖子

発表テーマと発表者
1.野村涼子『サイエンスコミュニケーションを考えた
         デジタルコンテンツの製作』
2.墨谷悦史『水メガネ、プリザーブドフラワー』
3.加藤俊博『革の銅色のものは?かえるすな、V-Cube7』
4.川村康文『東レ理科教育佳作手回し発電機』
5.藤原清 『東京理科大公開講座(カエルの湿度計)報告』
6.網倉聖子『金属管の丸虹、センター試験の抵抗問題』

発表内容と感想:
1.網倉
『金属管の丸虹』
 メールでも報告いたしました金属管を持参し、長さ、径、種類による虹の見え
方の比較をいたしました。花岡様より点光源などいろんなアイデアをいただき、
さらに興味が沸きました。ありがとうございました。
『センター試験の抵抗問題』
 今年度のセンター試験問題の中で興味のある問題が出題されたので、発表いた
しました。「手回し発電機の回路に、@豆電球などの抵抗を入れたとき、A不導
体を入れたとき、B何もいれずショート回路のとき、それぞれハンドルをまわす
力はどうなるか?」という問題です。
 物理を勉強している学生でも抵抗を入れるとより力が必要と答える人が多いこ
とに驚いたので発表させていただきました。
 藤原様から「京都の偏差値の高い高校の物理専攻の生徒でも同じ回答率だった
」と伺いました。
 豆電球を光らせるのだから力が必要で、ショート回路の熱を体験したことがな
い人にとっては抵抗のない回路は電流が流れていないと解釈されているんだなと
思いました。

2.足利
 センター試験物理を今年はまじめに解きました。
この手回し発電機のように,実際にやってないと間違えやすい問題で解けないの
は,論理的思考を謝らせる先入観が強いからですね。
回路をショートさせて発電機が重くなったり,回生ブレーキ(これから当たり前
に車に付く時代です)を体験していると超簡単な問題なのですが。
 マイナス側をアースした電池のプラス側の電圧を0Vと答える受験生,抵抗が
つながっていて,回路が閉じていないのに電流を計算する受験生も多いです。

3.川村
 網倉さんの分光つつは,生でみると,想像以上にすごい感動ものでした。
また,花岡さんが,すごいエンジニアライクな話をして頂け,すごく勉強になり
ました。光源を点光源するにするというは,さらにすごかったです。
 野村さんも,卒業論文の内容を発表して頂き,サイエンス・コミュニケーショ
ンについて,考えることができました。
 墨谷君の水メガネですが,網倉さんからサランラップとクレラップ,その他の
ラップの違いの話を頂き,また,猪間さんからは,プラスティック製のものの話
を頂き,いろいろ,深い勉強ができました。
 加藤さんからは,メタル皮をみせて頂け,感動でした。ショッキングピンクぽ
いものでした。網倉さん,いわく,若者のあいだではやっているとのことでした
。
 藤原さんは,湿度計,ありがとうございました。実験教室での子ども達とあわ
せて,モンスターペアレントへの対応の話,参考になりました。ありがとうござ
いました。
 川村の発表は,高電圧低電圧切り替え式の川村式手回し発電機ですが,
是非,まだ,まだ,改良の余地があると思います。
是非,改良に向けて,いろいろアドバイスを頂けると幸いです。ありがとうござ
いました。
4.墨谷
『水めがね』について
 廃材のペットボトルを利用し、レンズ部分をラップで作った水レンズを紹介しま
した。実験初期はいろいろなもので作成していたのですが、どうしても水漏れし
てしまい、なかなか成功しませんでした。初めて成功したのが、ラテックスゴム
を使用したケースでした。ですが、これはどうしても透明度に欠けてしまい、眼
鏡にすることができませんでした。(まだラテックスでも諦めてはいませんが)次
に成功したのが、今回紹介したラップで作成したものです。こちらは見事な透明
度で、レンズを通して先を見ることもでき、度を合わすこともできました。
  まだまだ課題はありますが、今後はこのレンズをちゃんとした眼鏡の形にした
り、またすべて手作りの望遠鏡を作成したいと考えています。  
『プリザーブドフラワー』について
 花の内部の水分をエタノールに換え、それを食紅を加えたグリセリンに浸けるこ
とにより色をつける方法を紹介しました。みなさんには実験後二ヵ月経過した花
を見ていただきました。この実験方法の欠点は花に自然な色が残らないという所
です。このことについて例会ではみなさんにいろいろなアイデアをいただくこと
ができました。今後この実験においても、自然の色のまま花を保存することので
きる方法がないかを探していきたいと考えています。
  私の実験に対するコンセプトなのですが、それは「子どもたちに学校の理科の
実験(工作)を通していろいろなものの中に科学が存在し、それを利用して人の
役に立つことができる」ということを伝える、というものです。
 「水めがね」でしたら、工作を通して眼鏡に利用されている科学を学び、次に子
どもたちが実際に作成した眼鏡(老眼鏡)を持って老人ホーム等に出向き(総合
学習の時間などを利用して)、お年寄りに眼鏡をプレゼントする中でコミュニケ
ーションをとるのです。現代社会の少子高齢、核家族化の問題を考えて、このよ
うな取り組みがしたいです。きっとお年寄りは子どもたちと接することで元気を
得て、子どもたちは人生の先輩から多くのことを学ぶのではないだろうかと思い
ます。
  「プリザーブドフラワー」では、子どもたちと枯れない花や、その他にもいろ
いろな枯れないものを作り文化祭で販売したり、こちらも老人ホームや他の施設
等に出向きプレゼントするなどのことをして学校外の大人たちや同年代の子ども
たちと接する機会となればと考えています。
 ここで大切なことは、子どもたちが教える立場になる、ということです。ただプ
レゼントしてコミュニケーションをとるのではなく、自分たちが学んだ科学を今
度は他人に教える、これをすることで知識の定着にも繋がるのではと考えていま
す。そして、「自分たちが学んだ知識を形にしたもので人が喜んでくれる」、こ
れを体感できたらどんなに素晴らしいか。そう思うのです。
  長々と失礼しました。サイエンスEネットの教育や科学の先輩の方々からみれば
、私の考えは甘いことだらけかもしれません。でもなんでも理想を持たなければ
行動もできず、学びも生まれないと思いますので、これからもこのような気持ち
を持ち続けていきたいと考えています。   
  感想です
  毎回毎回、いろいろな方のお話が聞けて大変勉強になります。今回も私の実験
に対して多数のアイデアをいただき今後の励みにもなります。これからも参加し
ていきますので、アドバイスやご指摘などよろしくお願いいたします。

5.川村
 墨谷君,すごく良いセンスですね。
私も,マータイさんが,mottainaiを,使われる前に,いわゆる普通の日本人の
もったいないを,第1キーワードとし,第2キーワードに世代間交流(現在は,そ
ういいます。昔は,おじさん,おばあさんへと,私も言っていました)として,
学校に放置されている古傘を,まずは,修理できるものは,修理して再利用リユ
ースする(手回し発電機もそうですが,,,)。修理できないものを,
「ハンディ肩押し小僧」「背中カキカキ」に作り変え,リサイクルし,
日頃あえないおじいさん,おばあさんに,プレゼントしよう!
というものです。
滝川さんと左巻さんが編著の東書の「たのしくわかる物理実験辞典」にも,掲載
されました(一番古いのは,京都理化学協会の会誌です)。
リユースはリペアではないかとか,リサクルの定義が甘いと,いわれるかと思い
ますが,当時は,そこまで,かたぐるしくは考えていませんでしたので,そのよ
うに表現しています。
しかし,墨谷君の考えは,それを,はるかに越えたは素晴らし考えです。
是非,素晴らしい,学校の先生になって,是非,実現させることを願っています
。
 学校の先生が,元気だと,子ども達も元気になれると思いますし,元気な子ど
も達から,科学をおそわる老人ホームのみなさんも,元気になると思います。

6.加藤
『革の銅色のものは?』
 メタ革と呼ばれてるらしい。なめし革であるが、色は金属光沢があり、ピンク
がかった銅色をしている。ちょっと眼では金属銅が革の油脂分を除去した後に金
属をスパッタリングなどしてあるかの予想を立てたが、表面をこすりながらテス
ターであたってみたが全く導通性はなかった。何でできているのだろうか?銅色
ではないが、金色を呈するものとして窒化チタンのイオンプレーティングがある
。
『かえるすな』
 円筒の透明アクリルの中に白い鳴き砂と水が入っている。これを耳のそばで
横に振ると「ゲコゲコゲーコ」と蛙のような不思議な音を立てる。ダイラタンシ
ー現象と関係があると思う。山形県の飯豊の道の駅か島根県の砂の博物館(仁摩
サンドミュージアム)で1500円くらい。買ってから4年くらい置いていたら中の水
分が減って、蛙の鳴き声が出にくくなった。どうしたら元にもどせるか?
『V-Cube7』
 ルービックキューブは普通3x3x3だが、7x7x7のV-Cube 7を入手した
。6x6x6のV-Cube 6までは、立方体だが、V-Cube 7は膨らんだ形で立方体と
は言えない。これを立方体の7x7x7にできないだろうか。
感想:
野村さんの発表・・・TAとしてプレゼン資料作りはマスターできたので、これ
  からは講師をチャレンジください。
墨谷さんの発表・・・水めがね完成したら買います。期待してます。
  水めがねに使われたサランラップが環境に悪いのでは?との意見があり
  ました。素材のポリ塩化ビニリデンは本当に環境に悪いのでしょうか?
  全廃すべきななのでしょうか?違うように私は考えます。
  ラップ材ととても優れた材料なので、有効に利用すべきではないか?
川村さんの発表・・・東レ理科教育佳作受賞おめでとうございます。次は
  大賞ねらいですねl。
藤原さんの発表・・・今度はウェザー・スティックを作ってください。
  参考 http://www.theweatherstick.com/
網倉さんの発表・・・手回し発電機の抵抗問題は難しいですね。
  しばらく考えてからやっと解けましたが、
  普通の人はひっかかりそうです。

7.藤原
・2月14,15日(土、日)
・東京理科大学公開講座「手づくり湿度計を作ろう」
・湿度計のセンサをセロハンとアルミ箔で作りますが材料の
 ほとんどが家でそろう物です。家に帰ってもう一度作れる
 ように表紙(オリジナル作品用ー自分でデザインします)
 を1枚余分につけました。
・手作り感覚を養ってもらうため,予備工作をしてもらって
 から湿度計作りをしました。
・手作り工作が多かったので,ほとんどの参加者は楽しかっ
 たと言ってくれました。
・ただ,2日目の1組の母と子どもさんで,皆さんが出来る
 まで先に進めないことが不満で,自分たちだけもっと早く
 作らせてほしいと言われ困りました。
・高額の参加費を払っての参加なので,あまりキツイことは
 言えず,ただ「すみません,もうすぐですので」となだめ
 るしかありませんでした。
 皆さんならどう対処されますか?教えて下さい。
・講師をしていますと色々と経験することがありますが,こ
 れからも「手づくりシリーズ」を開発したく思っています。

8.猪間
 例会に参加しました猪間です。
 プリザーブドフラワーに興味があり、図書館で本を調べたりしておりましたが、脱水置換に時間がかかりすぎるのが難点でしたので、発表に期待しておりました。
通常は1週間くらいといわれているので、1時間でできないと、理科教室では使えないなあと思っています。減圧下、加圧下、冷凍の後、新規脱水剤の開発等で、1時間を
期待しています。

川村先生の東レの受賞を調べていたら、焦点距離可変水レンズが、平成4年に佳作で受賞しているのですね。