第85回例会 日 程:2009年7月31日(金)18時30分〜23時30分位まで 場 所:東京 文京の蕎麦処 参加者:27名(敬称略、順不同) 北澤宏一、奥様、岡本一洸、井上正之、山下啓子、新山生樹(高)、 藤本麻美(高)、池尻紫央里(高)、猪間進、工藤博幸、藤原清、 寺木秀一、山下芳樹、加藤俊博、遠山嘉一、舩田優、戸田一郎、 泉田賢一、柴田泰臣、甲谷保和、足利裕人、喜納厚介、田代佑太、 中山由紀子、加藤園巳、川村康文、網倉聖子 ※(高):高校生 発表者と発表テーマ 1.井上正之 『東京理科大学における教員免状更新(化学)の報告』 2.柴田泰臣 『JSOCの科学オリンピック普及・促進活動の一部報告』 3.工藤博幸とその教え子高校生3名と大学生1名 『日々の活動(祭典と放射線)』 4.足利裕人 『ミニパラグライダー、メーヴェ、フランベ』 5.川村康文 『しゃかしゃかライトと、燃料電池搭載型模型自動車』 6.遠山嘉一 『女性研究者支援プロジェクトについて』 7.網倉聖子 『家庭でできるボビンライト、サイエンスコンサート』 8.加藤園巳 『高校での実験について』 9.山下芳樹 『京都発”社会とつなぐ理科教育プログラム 伝統と最先端科学の交差する街、京都からの提言』 10.加藤俊博 『KoreaScienseFestibal/白井市体験授業報告』 11.藤原清 『サイエンスEネット活動報告』 12.戸田一郎 『エジソン電球』 13.泉田賢一 『対価のとれるサイエンスコミュニケーション に向けての努力』 14.寺木秀一 『韓国のカルメ焼きなど実験紹介』 15.甲谷保和 『天文の本紹介』 16.北澤宏一 『JSTのこれから』 発表内容&感想 1.足利 お世話になりました。大変おいしくいただきました。腰のあるソバ、 おいしかったです。また、大変有意義なお話をいただき、勉強になりまし た。宿題も考えたいと思います。まだ2日間、科学館の科学の祭典の No.3ブースで、ミニ・パラグライダーをやっています。今年は羽根のス ライスも可能ですので、ぜひお時間のある方はお寄りください。 発表内容 「フランベの色は何で決まる」:お酒によってきまるのではなく、食品やフ ライパン・なべなどの温度で決まる。冷たいものの上では青く、 熱いものの上では赤い炎になる。青はCH+やC2などの発するラジカ ルの色。赤はすすが加熱されて発する黒体輻射。 「ミニ・パラグライダー」:新タイプを紹介 「メーヴェ」:自作型紙を配布 2.井上正之 東京理科大学理学部化学科の井上正之です。昨日の例会に参加させてい ただきました。体調不良により,わがままを申しまして,最初に喋らせ ていただきました。川村先生はじめ,お聴きいただいた皆様,ありがと うございました。 タイトル:東京理科大学における教員免状更新(化学)の報告 内 容:7/29〜31における本学における教員免状更新講習会 (化学分野のうち,井上が担当した部分)の内容 ・Inoueの電気陰性度に基づく,無機化学,有機化学分野の俯瞰 ・実験研修の内容(セルプレートとろ紙を用いる金属イオンの 定性分析,廃ガラスを利用した”ホウ砂球反応”,クメン法に よるフェノールの合成,陽イオン界面活性剤によって加速され るエステルのけん化) 3.中山由紀子(東京理科大学) 昨日の例会では、いろいろと勉強させて頂きました。 発表された内容も、もちろんですが皆様のいろいろなご意見を聞く事が さらに勉強になりました。ありがとうございました。 また、お食事も大変おいしくいただきました。とても豪華なお食事で驚 いてしまいました。差し入れもぱくぱく頂いてしまいました。 重ねてお礼申し上げます。 4.泉田賢一(高エネ研) 昨日は色々とごちそうになりました。ありがとうございます。定例会に 初めて参加させて頂きましたが、多くの先生方の貴重なお話を聞けて、 非常に刺激的な時間を過ごす事ができました。 またの機会があれば、是非参加させて頂ければと思います。 発表内容: 「発見工房クリエイトの紹介」:私が関わっているNPO法人の紹介と私設 ミニ科学館の遊具を紹介させて頂きました。 「物理塾の紹介」:10月から開講予定の「大人向け相対性理論塾」の 告知をさせて頂きました。 5.ぶんきょうのそばどころ 店主とおかみ そばどころ久々の営業におつきあいいただいてご苦労さまでした。 わたしどもも皆さんの熱心な議論を聴かせていただいて、「世の中ま だまだすてたものではない」と意を強くさせて頂きました。ともかく も、各自が制限時間をぎりぎりに使いながらご自分の工夫を発表しあ うという例会のエネルギッシュな雰囲気は見ていて気持ちのいいもの です。 そばどころ店主も今週末には中学2年生40人を相手になんと超伝導の 実演実験をさせて貰えることになっています。今回は時間も十分に頂 いたので、超伝導体が超伝導になると(飛鳥伝導の状態から?)磁石 とは振る舞いがどのように異なるのかを各自に観察してもらい、それ を実験則として記述してもらうことを試みようかなとひそかにチャレ ンジングな気持ちになっています。 みなさんから会費のみならずお土産やらお酒の差し入れやら沢山頂い てしまいました。研究室の学生さんたちに楽しんでもらおうと思いま す。高校生の皆さんもごくろうさま。3人の競演で台詞まで用意して こられたのだと思うのですが、すばらしい発表で、中身まではよく分 かりませんでしたが、「とにかく高校ですごいことをきちんと研究し ているんだ」ということが伝わって来て、少し日本の教育に誇りが持 てました。またそばどころをお訪ね下さい。 6.田代佑太(東京理科大学) 先日の文教のそば処での例会ではいろいろと勉強させていだたき、あ りがとうございました。様々な活動が行われていることを知り、ため になりました。特に、高校生の発表にとても刺激を受けました。 自分も研究を頑張っていこうと思います。 そば、とてもおいしかったです。ありがとうございました。 7.山下(立命館大學) 一昨日は、家内ともども押し寄せまして申し訳ありませんでした。 そして、楽しいひと時を有難うございました。 奈良学園の高校生諸君はいいですね。被爆建物が都市開発の名の 下に壊されようとしている最中、後世に伝える価値を改めて感じま した。また、戸田先生のエジソン電球を示してのご発表、本物を用 いる威力を実感しました。楽しかったです。 井上先生。「INOUE」と銘打った判定法を提示しながらの講 習会内容のお話も魅力的でした。次は、私の「カウンセリング的教 材」を用いての講座をご紹介したいですね。 基礎的な実験とは何か。認知を具象から形式へ引き上げる基本的 な実験を模索したい・・・川村先生、また北澤先生とお話し合いが でき、内容・構成とその提示(方法論)を三位一体としていかに構 築していくかに、しばし夢を馳せていました。時間の経過を忘れて しまうほど熱中してしまい、ホテルの戻ってから家内に指摘されて しまいました。でも、機会があれば、事例をお示ししながら、また お話し合い出来れば幸いです。 このような、皆が集えるオアシスとも言える場をご提供いただき ました北澤先生、そして奥様に改めまして感謝申し上げます。 発表内容:本年度、と次年度に展開する「社会とつなぐ理科教育プロ グラムの開発」のさわりを紹介しました。 「伝統工芸」と「最先端科学」の融合という京都ならでは地域性 を生かし、中学校理科に「活かす実感」から誘う「学ぶ実感」そ して「自ら主役になる予感」という実感・予感の連鎖を誘うプロ グラムの開発です。 出前授業や実地見学、「模擬共同開発」や「製品化へのミニアド バイザー制度」など、地域企業のバックアップの下に、学ぶ意欲を 喚起させるための創意工夫が随所に盛り込まれています。 サイエンスEネットの豊富な人材をも活用させていただきながら、 「最先端科学と伝統の交差する街、京都からの提言」を行います。 8.舩田 特に高校生の発表が良かったです。船橋法典高校の生徒にも体験させた かった内容でした。 配付資料の説明を簡単にします。教育課程研究協議会(千葉県)の発表 資料です。「目的意識を持った観察、実験を取り入れた授業の実践例」 で、身近にある放射線の測定実験を取り上げました。 目的は「放射線は身近にある事を実感する」です。 (1)霧箱、放電箱、GM管を用いた観察実験3つともできるだけ自作 を目指しました。市販のペルチェ型霧箱も紹介しました。 画像があるRikaTanを紹介、毎号10名以上が読んでいる。 太陽の放射線、タイムリーな日食も話題として扱った。 (2)はかるくんを用いた測定実験 船橋法典高校における放射線強度分布 放射線の距離による減衰実験 遮蔽材の実験(候補としてゴムを導入) (3)その他放射線実験の紹介 ワイヤーチェンバーの実験画像紹介 EGS(KEK)の紹介 ローカル的に超音波距離計のお披露目をしました。 当日(31日)に舩田が作ってきたものです。 キット提供はNICT(情報通信研究機構)です。 9.川村康文(東京理科大学) 発表内容: 「しゃかしゃかライト」:これからは、ゲリラ豪雨や竜巻の被害など、 いつ、どこで、災害に直面するかわかりません。そのようなとき にでも、あかりは、大切ですので、あかりが得られるようにと、 実用型のぷち発明実験機を紹介しました。500円以下で出来ま す。 「コーヒーなどの身近かドリンクできる燃料電池搭載型模型自動車」: これまで、コーヒーでは、燃料電池1個で電子メロディーを2個 でダイオードを、4個でモーターを、6個で非搭載型の模型自動 車を紹介してきましたが、色素増感太陽電池搭載型模型自動車の 開発のおかげで、燃料電池搭載型模型自動車が、500円以下で、 できるようになりました。 コーヒーよりも、コーヒーゼリー、それよりもケチャップが良い ことがわかりました。川村のホームページでも、動画で紹介して います。 10.柴田(株式会社 プラスエム) 私自身は大学受験の科学で止まっている(それより後退している?) 人間なので、皆さまの発表内容が理解できずに頷いている場面も正直 多かったのです。しかし、発表者の「熱意」とオーディエンスの「真 剣」が相互作用する場の雰囲気が刺激的で、充実した時間を過ごすこ とができました。何より、お食事がおいしく。重ねて御礼申し上げます。 発表内容: 「JSOCの科学オリンピック普及・促進活動の一部ご紹介」: JSOCでは2007年の発足以来、科学オリンピックの普及・促進のための さまざまな活動を展開しています。潟vラスエムではその一部に 協力させていただいています。 1)2008年には3月、7月、11月に「国際科学オリンピック日本開催シ ンポジウム」を開催 教育関係者・保護者・子どもたちに向けて情報を発信。 2)「科学の祭典」や「サイエンスアゴラ」等のイベントにおいて、 展示ブースを出展し、科学オリンピックを紹介・解説。また、 ワークショップやサイエンスショーを実施。 主に小中学生の科学への興味を喚起。 3)パンフレットや過去問題ダイジェスト等の印刷物を作成。 過去問題ダイジェストは全国の高等学校に3部ずつ配布。 こうした活動を簡単なレジュメを用いてご紹介させていただきました。 また、来る9月22日には明治大学駿河台キャンパスで、小中学生対象の 「科学オリンピック・フェア」というイベントを開催します。詳しくはお 問い合わせください。 11.網倉聖子(鰍boming) 北澤先生、奥様。温かいおもてなしをありがとうございました。とて も美味しく楽しい時間を過ごすことができました。 お料理も素晴らしく美味しくお腹一杯になり、発表はとても勉強にな り、貴重なご意見までいただき、今まで生きてきた中で一番お得なお 蕎麦でした。ありがとうございました。 発表内容: 「ボビンライト」: ミシンに使用するボビンを利用してコイルを作成することを考えまし た。面倒なコイル作成がミシンのオート糸巻きでできます。家庭でも 学校でもミシンさえあれば、簡単に電磁誘導を利用したライトが製作 できます。 使用材料:ミシンのボビン、0.2mmエナメル線(650回巻位になりま す)、ネオジム磁石3個(100円ショップ)、ストロー径6mm×10cm、 ビービー弾2個、赤・黄LED各1、セロテープ また最近100円ショップで売っている薄型ネオジム磁石4個入りをそ のまま利用してブンブンコマをつくって、コイルに近づけるだけで、 LEDが点灯します。0.1mmのエナメル線では1000回以上巻くことは 可能ですが、とても弱くすぐ切れてしまうので、あまりお勧めでは ありません。 「市民が創るサイエンスコンサート」:材料加工、当日のボランティア などの活動を市民一人ひとりにお願いして、市民が創るサイエンス コンサートを企画しています。普段ボランティアされる側の方々も どんどん巻き込んで、脳よりも心を刺激する科学コンサートにした いと思っております。 一緒に参加してくださるボランティアを募集しております。 日程:9月27日(日)午後2〜4時 場所:川崎市多摩市民館(小田急線向丘遊園駅徒歩5分) 「養護学校についてのお願い」:養護学校では、高校生になると職場に 行くための準備をします。材料加工、チラシ折など、手作業の仕事 を探しています。納期、加工内容など条件がございますので、もし ご依頼することがありましたら、依頼ご希望でしたら、網倉までご 連絡よろしくお願いいたします。 12.甲谷 先日は定例会に参加させていただきまして、どうもありがとうござい ます。以前見学させていただいた時とはまた違った雰囲気で、皆さま の熱心なお話に聞き入っていました。今後ともよろしくお願いいたしま す。また、自己紹介もかねて自著の紹介をさせていただきました。 ・宇宙の不思議がわかる! ・すぐに見つかる星座図鑑 ・はじめての星座かんさつ 最初の1冊は宇宙を扱ったもの、残り2冊は星座を扱ったものです。 上の2冊は小学校高学年〜のちょっと興味がある子向け、最後の1冊は 小学校低学年くらいの興味を持ち始めた子向けの内容です。 13.猪間 例会に参加させていただきまして、どうもありがとうございます。 途中から体調不調で失礼いたしました。 小学生と、日食観察会、プラネタリウム製作などを今年してお り、夏の大三角形、オリオン座、シリウスでさえ知らないと言 われ、親を含めて、夜空を見なくなったなあと感じておりました。 どのようにすれば興味を持ってもらえるのか、ちょうど専門家 が多かったのでお聞きしたかったのですが、残念でした。 14.寺木秀一 東京例会初めて参加でさせていただきました。 また御心のこもった御料理ありがとうございました。 まさに迫力の発表でした、正直私には難解な高校物理などもありまし たが今度は自分も発表しようという意欲わいてきました。 私は、5日の夕方から韓国科学の祝典に参加をしてきます ・ポンポン船 ・ペットボトル風車発電 ・ミラクル浮沈子 など、ミニ実験です。8,9日は福井大学でエネルギー環境教育学会で 発表します。ゴーヤを育てた「緑のカーテン」とエネルギー教育との関 連について検討してきます。いずれもお会いできたら声をかけてくださ い。 15.藤原清(事務局長) 北澤先生と奥様にはいつも暖かいおもてなしをいただき有り難うござい ました。川村先生にはいつもながら纏め役でご苦労いただきました。 また,網倉さんには参加者,例会報告の纏めを有り難うございました。 「サイエンスEネット活動報告」: ・2009年5月ー「2008年度科学実験教材教育研究年 報 創刊号」が山下芳樹編集長により発刊。(正会員全員に配布) ・2000年〜2006年ー「環境NGOサイエンスEネッ トの活動」を京都教育大学環境教育研究年報に掲載。 上記の各年度発行の冊子を紹介しました。 感想としましては皆様とてもすばらしい発表でいい勉強になりました。 今回は工藤先生と教え子(高校生3名と大学生1名)による活動報告が 頼もしく印象に残りました。