第91回クリスマス例会報告
日時:2010年12月18日(土)18:00〜21:40
場所:ケニス鞄結梹x店
参加者:
村田直之、川村康文、猪間進、二階堂恵理、大内隆司、檜垣禄郎、下脇透、舩田優、木甲斐由紀、高橋佳弘、金井秀弥、泉田賢一、和田重雄、竹内幸一、石附英昭、網倉聖子 以上16名(敬称略)
発表題目(順番)
1.大内隆司 『科学イベントとして見学する首都圏の理工系大学学園祭』
2.村田直之 『ウインドカー』
3.猪間進 『水紋画』
4.下脇透 『大田区おもしろ科学教室の報告』
5.舩田優 『オペアンプ研究班の活動』
6.二階堂恵理 『化学の絵本のご紹介』
7.川村康文 『イソジン・クリスマスソング
by 色素増感太陽電池』
8.川村康文 『クリスマス・シャカシャカかいちゅうでんとう』
9.竹内幸一 『遠心力洗面器・立体・TV報道』
10.網倉聖子 『巨大空気ドーム』
11.泉田賢一 『ビームブロックス』
12.石附英昭 『デジカメが顕微鏡になるレンズ』
発表内容・感想(メール到着順):
1.金井 秀弥
今日は、楽しくかつ勉強になりました。
普段活字の世界に埋没してるので、皆様の理科活動非常に参考になります。
2.二階堂恵理@科学読物研究会
来年は世界化学年です。
本日は「化学」の絵本・本、すべて私物の16冊をご紹介しました。あわせて、手芸材料のボンテンで水分子の5000万倍モデルのストラップ作りと仮説社で販売している「水分子飴」をそれぞれ体験していただきました。改めてさがしてみると化学の本・絵本は美しい装丁で出版されている物が数多くあります。他にももっと素敵な本があるかもしれません。これがすべてを網羅しているわけではありませんが、手に届く範囲で集めてみました。
目に見えない世界の話をするには、言葉で紡ぎだすことのできる、そのイメージを共有しなければなりません。ですから、ある程度の知識を必要としますが、まず、美しさを感じるところも重要ではないかと思います。そうして物の見方を磨くことでみつけられることがあるのではないでしょうか。
今後多くの化学の本が出版されることを期待して、また古典的といわれる本の中の視点も大事にしたいものです。図書館や本屋さんで探してみましょう。そしてお勧めの本があったらお知らせください。
また、もの作りの体験はひとつのきっかけとして、さらなる工夫の初めの一歩にしていただければ幸いです。なお、ボンテンの水分子モデルは仮説社「たのしい授業」2008年10月号掲載の吉田久美子さん原案のふわふわ分子模型バッジと分子模型指輪」を参考にしたものです。
3.和田重雄
本日はありがとうございました。
いろいろと実践的な教材開発など大変勉強になり楽しい時間を過ごすことができました。
次回お伺いするときは何かしら発表できるようにと考えております。今後とも、よろしくお願いいたします。
4.猪間進
前回例会では口頭説明だけだった「水紋画」について、実際に見ていただきました。表面張力(マランゴニ効果)という物理と、芸術の融合。楽しみながら科学を体験していければと思っています。
5.石附英昭
司会者が大部頑張ったので、スムーズな議事進行だったと思います。個人的な知り合いは別として竹内さんの3Dは葉の一枚一枚までよく立体的に写っていたのは関心。これを機会に、個人的な教育は別とし、会としてみんなで協力してもっと子供教育をあっピールできると面白いかなという感じです。私は、昔は空手部でJRの駅の鉄柱などを素手で殴り、昔は暴れ回っていたため、骨折しており指が両手とも極端に曲げっています。余り手を強く握ることができず、見れば分かるでしょうが、川村さんはよく力強く思い切り握ってきたものだと、逆に感心し、それがうれしかった。本当の意味では非常にうれしかった。特に最近の若い者は、口ではうまいことを言っても別れ際に握手をすると全然、気持ちが表れていないいい加減な小僧が多い。 きっと、その気持ちでずーっと日本を引っ張るつもりで頑張れば、教育に大いに貢献でき、信頼の置ける先生である、と期待しております。是非、頑張ってください。
6.村田直之 ケニス梶@東京支店
発表報告:私の発表は「ウィンドカー」でした。風車の軸と車の車軸を輪ゴムで連動させて、風の力を車輪に伝えて「風上に向っ
て進む」車です。リスーピアのワークショップやさいたま市土曜チャレンジスク−ルでの経験を、合わせて紹介させて頂きました。
「クリスマス例会」でしたので、ささやかですが、ご参加くださった皆様にウィンドカー工作キットをプレゼントしました。
感想:とても面白かったのは、二階堂さんの「化学の絵本・本」の紹介、大内さんの「理工系大学の学園祭レポ−ト」、網倉さんの「巨大空気ドーム」でした。
石附さんの「非球面レンズ」はクオリティが高すぎて、まだ頭の中が整理できておりません。
年内は本業が忙しく時間がないので、正月休みに二階堂さんに教えて頂いた本を
買ってゆっくり読みながら、今回の例会で見せて頂いたあれやこれやについて、思いを巡らせたいと思います。そして来年の秋には、大内さんご推薦の学園祭に行きます。網倉さんの巨大空気ドームは、非常によく静電気を起こしていましたね。材質がベターなんだと思います。ドームの内側の二階堂さんも、外側の網倉さんも、スーパーサイヤ人のように髪の毛が逆立っていました。冬場は、「巨大・空気・静電気・ドーム」になりますね。
7.木甲斐由紀@科学読物研究会&理科支援員&主婦
午前中にあった土曜講座(地元の小学校で、地域の人たちがボランティアでやっているもの。15講座あり、私は「かがくあそび」を9年やっています)の準備で、徹夜明けでフラフラしながら行きましたが、例会に出たら、楽しくてすっかり元気になりました。(しかし・・・今日は、午前中まで爆睡でした)
発表はしませんでしたが、昨日は子どもたちと「鉄粉カイロ」を作りました。よく知られている実験ですが、自分で講座を組み立てると、どのように話をすすめるべきか、どこまで説明したらいいか、思った実験結果が得られない、、など、いつも四苦八苦します。
自分で作ったカイロがあたたかくなるのは、子どもも大人も感動してくれて、「心も体もポッカポカ」になりました。
8.舩田優
オペアンプ研究班の活動
千葉県高等学校教育研究会・理科部会・物理分科会・オペアンプ研究班(長いので区切りを入れました)の活動報告です。
班員募集中です。
ゲイナーの教材化の研究を続けていたのですが、一休みしてWiiリモコンの教材化を試みました。というのは、Wiiリモコンには3次元加速度センサーが組み込まれている。無線通信も予め設定されている。子どもたちにとって身近である。まさにうってつけの入力装置だからです。
ブルーツースを立ち上げ、Wiiリモコンを認識させると使えます。発表はパソコンを持参できなかったので12月8日の研究会で求めたデータを使いました。
台車にリモコンを乗せ、測定ボタンを押した後、押して加速させ、ストッパーにぶつけて止まるまでの加速度の値をとりエクセルに読み込みました。ミリセカンドの時間と加速度の値、さらに加速度を積分して速度にしたものをグラフ表示しました。押されて加速度が生じ速度が増える。手が離れた後はほぼ等速、衝突して大きな負の加速度が生じ減速する様子がグラフ上に見てとれました。グラフの最後が負の速度のまま終わっていますが、これはデータ処理ミスです。データのノイズを取り除くために丸めた(round)つもりがintしていました。
9.大内隆司
科学イベントとして見学する首都圏の理工系大学学園祭
今年の首都圏の理工系大学の学園祭を見学を通じて、科学イベントとして有用と思われた学術系サークル・研究室発表等について紹介。
@日本獣医生命科学大学「日獣祭」
体験乗馬のような動物と触れ合う機会が用意されている。研究室発表でも動物関係の研究発表が充実していること。獣医臨床繁殖学教室のレポート集『有袋類の繁殖』を紹介
A気象大学校「紫雲祭」
気象関連の研究発表、演示実験が充実している学園祭であることを紹介。実行委員会企画としてはコリオリの力、液体窒素、表面張力等。また気象大学校のサークル「天気の会」「地球科学愛好会」について紹介。
B東邦大学(習志野)「東邦祭」
日本獣医生命科学大学日獣祭とは違った方向からのバイオ系のサークルの企画が充実していることを強調。生物部のレポート集『生物部集報』紹介。野鳥の会のカービング作品展示と野鳥の観察会、自然観察の会によるジオラマ展示。教員による体験企画「科学実験」(人工イクラを作ろう)、公開講座、公開シンポジウム。
C早稲田大学理工学部「理工展」
サイエンスカフェ、研究室公開、大槻義彦名誉教授講演会など、早稲田大学の研究を紹介する学園祭であると同時に、体験・実験型の企画が多数用意されている学園祭であることを説明。航空宇宙研究会のモデルロケット試射会、名古屋研究室「粉じん・ガス爆発」、本部(理工展連絡会)による実験企画「色ガラスを作ろう」「銀鏡反応で鏡を作ろう」など。
D東京理科大学(神楽坂)理大祭
理工系大学学園祭内の科学イベントとしては定番化して定着している「サイエンス夢工房」について説明。そのまままとめへ
まとめ
東京理科大学理大祭の「サイエンス夢工房」は、理大祭内で継続して行われている科学イベントであり、理科教育関係者の中では知名度も恐らくは相応にあることであろう。また東邦大学の「科学実験」やその他学園祭本部主催の企画は継続性は高いと思われるので、翌年行っても恐らくは「やっている」。しかし、サークル主体の企画発表は基本的に学生の活性度にかかっているので、永続性に難がある。従って、翌年行ったときに「やっている」かどうかまでは明言はできない。但し、理工系大学は文系総合大学とは異なり、普段は見ることのできないコンテンツを擁していることが多く、行くと思わぬ面白い企画を見ることができる可能性があるという学園祭の性質を説明。それをわかった上で行くなら、面白い科学体験になるであろう。
今年は理系の専門型の大学が中心であったが、来年度は総合大学の理工系学部を中心に見学する予定。
10.泉田賢一 みけねこサイエンスで、KEK
昨日は皆様の発表(+マイ発表へのお叱り?)を聞きながら色々と考えさせられました。
次回は皆様に手で触って楽しんで頂けるものをもっていきたいなぁと思う次第でありました。
以下発表:
ブームブロックス+α
Wii専用ソフトで、力学シミュレーションを利用したパズルゲームのブームブロックスを紹介しました。言葉で紹介しても、あれですのでPVへのリンクを書いておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=TpMkCF3AdMY
11.網倉聖子@海oming
土井美香子さんから教えていただいた「新聞紙でつくる空気ドーム」は子どもたちに大変喜ばれます。しかし製作するのに腰が痛くなり、また1回の使用でボロボロになります。そこで何回も使用できるように、ビニルシート、マルチシート、ゴミ袋などいろいろ試してみましたが、新聞紙を超える面白さはありませんでした。パラシュート生地で作成したかったのですが、一般では手に入りません。そこでポリエステルの撥水加工生地(超軽量の薄いもの)を使用し、1辺4mの巨大空気ドームを製作しました。
1辺を4mにしたのは、それ以上だと子どもの団扇の力で膨らまなかったからです。4mがギリギリの大きさでした。ミシンの縫い目は空気が漏れないように袋縫い(?)にしました。製作費用4万円位。
例会の前のサイエンスショーで使用しましたが、子ども100名位が一同に入っていました(驚き!!)。外側から見るより中側の空間はずっと広く感じます。
12.橋佳弘@とらねこ工房
いろいろな研究会に参加させて頂いておりますが、こちらもまた特色のある例会だなぁと感じました。興味ある情報もたくさん頂き、とても感謝しております。また例会が近隣で開催されることがありましたら、勉強させて頂きたいと思っております。
13.川村康文@東京理科大学
しゃかしゃか振るフルライト
防災教育用に、実際に実用に耐えるものとしました。あちこちに、たくさんの新しいアイデアがちりばめてあります。それでいて、エンジニア魂で、どこまで安価になるかにもチャレンジしたものです。
14.川村康文@東京理科大学
イソジン色素増感太陽電池、手作り電子メロディー
以前から、はんだ付け無しで、アルミテープとホッチキスで電子回路をつくる方法は、京都の科学の祭典でも村田製作所さんらが活用されるになったので、よかったと思っています。それでも、さらに安価にしたいという願いから、紙の台紙もホッチキスも使わないアルミテープだけのものにしました。ホッチキス(商品名を出さないようにするには、ステープラと書くべきですね)は、結構、ゴミの分別収集でやっかいとのことです。シュレッダーでは、ステイプラーを外してからシュレッダーにかける必要がありますね。そのような観点から、環境問題だという人さえいます。なので、ステープラーも使わないほうがいいかと、ついに、アルミテープだけにしました。
色素増感太陽電池も、ヨウ素電解溶液が結構高価でしたので、イソジン(おっと、これも、ヨウ素入りうがい薬ですね)に、しました。何度も、使いまわした、いわゆる使い倒したものですが、電子メロディーは、まだ、長時間鳴らすことができます。