第100回サイエンスEネット例会報告 in 文教のそばどころ

日時:2012年11月9日(金) 18:00〜23:00
場所:文教のそば処 本社 13F会議室

参加者<敬称略> 正会員は○印,名誉会員は◎印
店主さま◎,女将さん,川村康文○(東京理科大学・NPO法人サイエンスEネット理事長)、藤原清(NPO法人サイエンスEネット副理事長)○、網倉聖子○、高木  ○、古川真理・古川晴紀(古川晴紀税理士事務所<台東ビジネス交流会>),二階堂恵理(科学読物研究会)  、竹内  、鳥井寿夫(東京大学)、舩田優(千葉県立の高校)、石川真理代(六本木高校)、吉岡有文(立教大学文学部教育学科),金井(電気書院)、佐藤、成川、池田勇五(東京理科大学)、松本悠(東京理科大学) >>
 以上19名のご参加を頂きました。ありがとうございます。

発 表

1.舩田:高い所と放射線の強さー簡易GMカウンターによる測定結果
 高所と放射線強度:自作の簡易型GMカウンターで高所の放射線を測りました。 高度0mや30mでは11cpm位が3900mや4200mの高山では25と26cpmと高くなり 高度12192mの機内では248cpmと海岸線の20倍以上になりました。パイロットや アテンダントは気をつけてほしいと思います。
 次の日未来館でのサイエンスアゴラに参加します。材料費を取っての初の工作ブースです。立方体万華鏡と偏光ステンドグラス模様を 作ってもらいます。ブラックウォールと しゃれで作ったホワイトウォールも作ってもらおうと思っています。作り方が?のホワイトウォールで悩ませようと思います。

2.吉岡:放射線についてアンケート結果網倉:ペットボトルで発電、白色光でカラー立体映像ホログラム
 前回報告された日本原燃株式会社の宮川俊晴氏「放射線に対する子供た ちの認識調査票」を立教大学における吉岡の講義「環境教育論」の学生(回答者62 名)の協力を得て実施した結果を報告しました。全体的な傾向としては、宮川氏によ る「青森県内中学生の放射線意識調査結果(2007〜2012年度別)の比較」と同じ傾向 でしたが、「知っているノーベル物理学者」として「湯川秀樹」を知っている学生 が、87パーセントと最多数、「知っている放射線」として、X線が73パーセントと最多数と違っていることころもありました。この調査に回答していただいた学生諸君、 この報告をすることを許可していただいた宮川氏に感謝いたします。
 吉岡は、科学教育における放射線教育のあり方について様々な視点から考えようと しています。ただ、放射線はこわいものではないということを、イメージを利用した り、原体験にうったえたり、単に刷り込み的な教えることではない。多くの人が放射線をこわいと感じることは日本の歴史的な特殊性を考えると、むしろ、健全なことと考えるべきである。科学的な概念も歴史性や社会性の背景から逃れることはできない と考えています。
 以下に、かなり以前につくった放射線についてのWEBページがあります。
 間違っているなどのご指摘・ご意見がありましたらよろしくお願いいたします。 http://homepage1.nifty.com/Science/hangenki/

3.網倉:パソコンメガネ、理科読、ペットボトル発電、ホログラフィー  
 パソコンメガネ:青い光は青空再現実験でもご存じの通り散乱するので、ピントを合わせるために目を酷使しています。そのため青い光を抑えるメガネ、シートが販売されています。本当にそうか?分光筒でいろんな光をメガネをかけたのとかけないので比較しました。確かにパソコン上の白い画面上では若干青い波長が抑えられているように見えますが、他の光ではあまり違いがわかりません。松本さんが持っていらした青レーザー光、緑レーザー光で比較したところ、青レーザー光が抑えられていたのが顕著にわかりました。すっきり。  
 理科読:科学の出版物をもっと一般に広めようと活動を始めた科学読み物シンポジウムですが、途中から「理科読」と名前が生まれ、理科読シンポジウムになり10回目が終了しました。理科読とは、大きく分けて2つの目的があると思います。一つは科学の子ども向け絵本の紹介、もう一つは物語の中にある科学的思考の育成。現在では協賛の出版社が30社を超え、寄贈本も300冊を超えました。川崎市の宙と緑の科学館に常設閲覧できます。300冊を超える科学の本が一同に集まっている光景はあまり例がなく、それだけでも一見の価値があります。また今回はサイエンスアゴラで「エネルギー」をテーマに50冊ほどの本が閲覧できます。  
 ペットボトル発電:横浜物理サークルの浅井さん考案されたクルクル発電機ですが、もっと簡単にまた磁石を交換可能にして、磁石との関係を調べることができるペットボトル発電を考えました。小学校1年生から、小学校3年生から、中学生、大人と年齢の違う層で実験教室を実施いたしましたが、100%成功します。コツはエナメル線を400回以上同じ方向に巻くことと、一つの輪につなげることだけです。400回を数えるのができない子には、重さで巻き数を割り出しました。400回巻くことの苦痛が心配でしたが、それがあるからこそ電気の大切さがわかったと子どもの発言もありました。  
 ホログラフィーの紹介:久保田ホログラム工房代表久保田敏弘先生の作成した素晴らしいホログラム作品を披露しまいた。これを機会にレーザー光の実験教室に挑戦したいと思います。詳細はhttp://homepage2.nifty.com/kubotaholo/ とても丁寧に解説されていて勉強になります。

4.藤原・佐藤:「骨パズル」関節曲げてパズルで理解
 佐藤先生: 今回は、12月中旬に株式会社リテンから販売されます、「骨パズル」の活用についてお話をさせていただきました。骨パズルは、小学 校第4学年「人の体のつくりと運動」の単元で実践します。ヒトの肩から手首までの骨を試行錯誤しながら組み立てる活動を通して、問題解決的な理解に繋げます。子どもたちは自分の腕を曲げながら骨パズルを使って、様々なことを発見していきます。骨のつくりのイメージ を構成させることができる教材だと考えます。
 藤原: 「骨パズルー関節曲げてパズルで理解」(リテンから近日発売予定)
 ご考案者の埼玉県ふじみ野市鶴ヶ丘小学校 佐藤真太郎先生から学校でど のようにして使われるのかを説明していただきました。
 同時にサンプルと教材として販売計画の発表と新聞に掲載された記事,販 売用チラシ(案)で紹介しました。
 参加者の皆様から「骨パズル」の試作品を見られて,色々なご意見をい ただきました,有り難うございました。

5.高木:サイエンスアゴラの参加内容紹介

6.二階堂:アゴラのお誘いと、科学読物研究会の活動
 今回はそれぞれチラシをご用意した4点のご案内をしました。
 まずは明日(もう日付が変わっていますが)から始まるサイエンスアゴラ2012への出展企画について。
 会期中終日出展のブース「かがく縁日パートX」と10日15:30〜の時間枠出展 「見て聞いて!科学絵本の本読み隊がやってきた!パートV」の2企画。
 共通テーマは 「石のおしゃべり聞いてみよう」として、ブースでは化石のレプリカつくりや岩絵の具で描画体験などを、 「本読み隊」は読み聞かせと実演・工作のステージショーを提供します。 合わせて、実行委員会形式での「理科読をはじめよう」にも関わっていますが、 こちらは詳しくは理科読シンポジウム事務局の網倉さんにお願いしました。
 次に、この科学読物研究会について、簡単にその歴史と、活動内容についてご紹介しました。 詳しくはHP(http://www.kagakuyomimono.com/)、お配りしたチラシをご覧ください。
 最後に12月に上梓する「りかぼん 授業で使える理科の本」(少年写真新聞社)についてご紹介しました。 この本は小学校の理科の単元に沿って授業で使える本、日常的に身近に置いて手に取って 欲しい本を紹介する本です。この本は出来上がりがゴールではなく、スタートにしたいと考えていますので そのための仕掛けを準備しています。

7.金井:高大連携のテキストについて
 高校迄は、大学受験があるので、テキストは至れり尽くせり有ります。 しかし、大学に入るといきなり専門の難しいテキストになり、高校迄の学習内容と大学に入ってからの学習内容に、大分ギャップがあるよ うに思います。 それが、大学の授業についていけず理解不十分な大きな原因になってると思いますので、高大連携のテキストとして『ドリルと演習シリー ズ』を発行し、ここに紹介させて頂きます。 ドリルと演習シリーズ 既刊本は, 基礎数学 微分積分 線形代数 基礎物理 電磁気学 基礎化学です。 此れからもこの『ドリルと演習シリーズ』続刊致しますので、発行希望のタイトル有れば、ご提案下さい。

8.松本:CDとDVDとBlu-rayディスクを用いた反射型回折格子の実験
 CD、DVDそしてBlu-rayディスクは、光(レーザー光)を反射する記録部分が、ディスクの中心から 外側へ等間隔で並んでいます。その間隔をトラックピッチと言い、CDは1600nm、DVDは740nm、 Blu-rayは320nmとなっています。このトラックピッチの間隔に、1波長入るように角度を調整すれば、 そこで1次の干渉点が見られるわけです。今回は、波長が650nmの赤色レーザー532nmの緑色 レーザー、そして405nmの青色レーザーを使って干渉を観察しました。 上記の数字から、CDとDVDは全ての色のレーザーの1波長分以上のトラックピッチなので干渉 が見られる事を確認しました。更に、Blu-rayはトラックピッチが1波長分も無いため、干渉は見られ ない、とよく言われていますが、入射角を大きくし、入射の方向と1次の干渉が見える方向が同じ 方向ならば、最大でトラックピッチの倍の距離を稼ぐことができ、干渉が見られる事を確認しました。 そうすると、Blu-rayでは最大640nmの光路差を生み出せるので、青色レーザーと緑色レーザー の干渉のみ見られ、赤色レーザーの干渉だけは見られない事も確認しました。

9.石川:パラパラマンガで波動を再現
 固定端自由端について、三角波のパルス波三角波1波長の変化の様子をパラパラ動画で再現しました。まだ製作途中の段階で すが、 来年に行われる東京都理化教育研究会物理専門委員の研究発表で完成品を発表しま す。 関心のある方はどうぞご参加下さい。

10.池田:私の地域活動
 私が科学実験教室に参画したきっかけ  平成16年度から5年間、科学技術振興機構(JST)で「理科大好きボランティア支援」、「地域活動支援」を担当しておりました。  全国から寄せらる申請書類を机上で読んでいるだけでは具体的なイメージが湧いてこないことに気づき、自分自身でも科学実験教室に参 画しみようと思い立ちました。
 町田YMCA わくわく!科学実験教室 http://www8.ocn.ne.jp/~science/  毎月参加者を募集して、第3土曜10〜12時 20名前後の小学校低学年が集まってきます。5〜6名のスタッフが順番にインストラクターとサ ポーターを担当しています。  教材は米国の計測器メーカー アジレント・テクノロジーより提供していただいて、本番の2週間前に予習会でカリキュラムを練っています。
 教室の一例; 教材名「深海ダイバー」(浮沈子;風船・ゼムクリップ・ワッシャ・ペットボトル)  
1. 木・金属・ゴム・プラスチック等を示して水に浮くもの・沈むもの水中を漂うものを予測-実験 → 参加者発案;1円硬貨(アルミニ ウム)が表面張力で浮くことも体験  
2. 魚の浮き袋、潜水艦の浮き沈みを写真で紹介  
3. 実験工作の安全確認(板書と口頭注意) → 部品入れ紙皿作り  
4. 「深海ダイバー」作成−浮沈競争−風船大小・おもり調整工夫 → 問いかけ; ボトルを加圧するとなぜ沈むの?  
5. アルキメデスと黄金の王冠を漫画で紹介 → 粘土作った王冠、天秤・水槽で浮力の実験演示 → 問いかけ;水槽中では、なぜ王冠の方 が軽くなったの?  
6. 気づいたこと、不思議に感じたことなどを一人一人発表

11.成川:透明半球型日時計
パナソニックセンターで実験教室を実施させていただいている日時計を見ていただきました。 あと、普段の授業について話をさせていただきました。

12.川村:つながる思いプロジェクト2012 →ふーふー発電DVD,太陽電池本,圧縮発火器,ぱらぱら定常波,滑り出し波動説明器,かわむらのこま,手作りルクスメータ,分子運動模型(直線型,水分子型両用)
 今回は,記念すべき第100回例会です。よく,ここまで来たもんだ!
 ふーふー発電DVDは,月替わりサボニウス型風車風力発電機です。まさに,昨日,脱稿しました「自分で作るハブダイナモ風力発電+」に入れました,サボニウス型風車風力発電機を紹介しました。詳しくは,http://www2.hamajima.co.jp/~elegance/kawamura/ganbaro/ganbaro.html に,写真なども掲載しています。
 太陽電池本は,上記脱稿本の出版社から,少し前に出版した本「自分で作る太陽光発電」です。詳しくは,http://www2.hamajima.co.jp/~elegance/kawamura/write.html です。
 圧縮発火器は,理科大好き実験教室で,子ども達に手作りしてもらったものです。
 ぱらぱら定常波は,お互いにやってくる波動の重ね合わせを,ぱらぱらとやったものです。
 滑り出し波動説明器は,名刺サイズの波動の説明用のものです。
 かわむらのこまは,渦電流でベンハムのこまなどを回したり,手裏剣のような形に切り抜くと,回らなくなることを示すものです。
 手作りルクスメーターは,100円ショップの電池チェッカーに100円ショップの太陽電池を取り付けたものです。
 分子運動模型(直線型,水分子型両用)は,100円ショップの木球に竹串を刺しこみ,分子の振動ができるようにばねをつけたものです。http://www2.hamajima.co.jp/~elegance/kawamura/semi/netu/3/3-8bunsiH2O.jpg

13.古川真理・古川晴紀:第15回産業交流展2012(石原 元都知事も出演)・みどり米
 →古川先生の自作で活かす再生可能エネルギー  風力発電++ のパワーポイントです。
 1.川村先生との出会いについて 川村先生との出会いについての質問がありました。 私は、台東区と那須町との二地域居住をしています。 このメールに添付の資料をご覧いただきながら、メールをお読みくださいませ。 11月22日木曜日に東京ビックサイト(産業交流展2012)にて、私が行うプレゼンの試作です。 まだ、変更になる可能性もあります。 また、ご意見があれば、繁栄させたいと思います。 那須関連のブログから、那須町伊王野に住む中村昌広氏の本(スライド1)について知りました。 そのことから、中村氏と連絡をとり、風車の実物をみせていただきました。 中村氏は、東京理科大学の先生とも知り合って、交流を持っているとのことでした。 その後、私たちは、東京にて、中村氏の本の編集をした出版社の方から、川村先生をご紹介いただきました。 那須町の中村さんにも連絡をとったところ、中村さんの交流のある教授も川村先生とのことで、 さっそく川村先生に連絡をとり、実験教室の見学を兼ねて、夫と私で、川村先生を訪問しました。 それ以来、夫婦で実験教室にもはまっています。
 2.川村先生の11月新刊の本について スライド1に中村氏の本と一緒に川村先生の11月新刊 「大人の週末工作 自分で作るハブダイナモ風力発電+(プラス)」 ISBN4-88181-824-4 C2054 この本にもとづいて、 台東区の環境フェスタ2012では、「ふーふー発電」の体験学習を行います。 産業交流展2012のプレゼンでは、 那須町の中村氏の風力発電の紹介(スライド2)実際のスライドには、mabofarmで中村氏の風力発電機のまわる様子の動画が入っています。 川村教授のハブダイナモ風力発電(スライド3) 川村教授の月替わりの季節のふーふー発電の紹介とともに、「つながる思い」の歌(スライド4)こちらも動画が入っています。 台東区環境フェスタ2012は、11月17日(土曜日)18日(日曜日)台東区生涯学習センターにて http://www.city.taito.lg.jp/index/kurashi/kankyo/kankyogakushu/kankyofesta/ecofesta2012boshu.html 産業交流展2012は、11月20日(火曜日)から22日(木曜日)東京ビックサイトにて http://www.sangyo-koryuten.jp/ 台東ビジネス交流会のブログでもご案内しております。 http://tanoshimitai.cocolog-nifty.com/blog/ ※台東ビジネス交流会では、「ビジネススタンダード++」をめざしています。 台東ビジネス交流会では、インクリメントとしての「++」を日頃から使用しています。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88 上記サイトはインクリメントの説明 そんなことから、川村先生の「風力発電+」を含むプレゼンの題名に「風力発電++」と表現しています。 皆様、お忙しいことと思いますが、お時間を作って、台東ビジネス交流会の出展先へお出かけくださいますと、ありがたいです。 上記のイベントでは、那須町の中村さん考案の風車・水車の実物も展示いたします。 是非、どうぞよろしくお願いいたします。
 3.お配りしたお米「みどり米」について 那須ブランドに認定されているお米です。 作っている方の奥様の名前をつけています。 台東ビジネス交流会では、震災後の那須町の復興を応援しています。 なお、当日もって行きました「nasuのラスク屋さんのラスク」は、那須ブランド認定品ではありません。 三種類のラスクのうちの一つである「こげパンだ」は、第25回全国菓子大博覧会で金賞受賞商品です。

14.鳥井:ArduinoとRGBLEDを用いた光の3原色の実験 → 鳥井先生の当日発表のパワーポイントです。
  PCから8ビットマイコンに簡単にプログラムを書き込むことが できるソフト+ハードである「Arduino」が数年前にイタリアから 日本に上陸し、学研やルネサスも類似品を販売するなど密かな ブームが起こっている(http://www.arduino.cc/)。 一方、青色LEDの値段は年々下がり、赤緑青(RGB)の三色が 一体化したLEDは秋葉原で80円で購入できるようになった。 今回はArduinoの応用の一例として、RGBLEDの輝度をArduinoの PMW(Pulse Width Modulation)出力で調節し、光の3原色を体 験できる実験を紹介した。

15.竹内:アゴラでミニ・エクスプロと石川県学校理科室 でのミニ・エクスプロリレー開催
 100回の例会ではサイエンスアゴラの案内と 石川県の小学校理科室から理科室へのミニエクスプロ実験の回覧移動ミュージアムの話をさせて頂きました。 移動実験機材さえあれば理科室から理科室にリレーしていくことができます。 石川県の理科教育はちゃんとしている証明でもあります

16. 店主様:原発に関する民間事故調の反省から:北澤報告
 1)隣接する原子炉は過密な配置を避けねばならない。使用済み燃料を同一原子炉 建屋内に大量に保管することは絶対に避けねばならない。我が国ではそのような認 識に欠けていたために、事故は連鎖的に拡大した。一時は東日本一帯に高いレベル の放射能汚染が及ぶ可能性もあった。使用済み燃料プールの水が無くならなかった のは偶然の幸運に恵まれたものであった。一国の命運がこのような連鎖的巨大事故 の危険に晒されるようなずさんな管理状況は避けねばならない。
 2)高レベル放射性廃棄物は既に存在する量に加えて、これからどれだけ増えるのか を見通し、貯蔵場所を決める方法がまず確立される必要がある。
 3)規制委員会と規制庁が「推進側の虜」とならない対等の地位を確立する必要がある。 規制側のこのパワー増強なしには日本の原子力の安全維持は覚束ない。
 4)人による間違いやテロまでを考えると原発のリスクはゼロとはいえない。したがって 代替エネルギーが容易に入手できるのであればそれに切り替えるべきことは当然である。
 5)代替エネルギー導入については、すでにベストミックス・レベルの20-30%再生可能 エネルギー導入を達成した西欧諸国の実例に学ぶ必要がある。日本の原発もこれまで 30%程度であったので、すくなくとも、原発代替程度はすでに他の諸国が行った努力 程度の大変さである。
 6)さらにその先を見越した技術開発が行われ、また、国家百年の計が立てられるべき。


感想のコーナー
池田:
 第100回サイエンスEネット例会、おめでとうございます。これまでに育て継続してこられた川村先生はじめスタッフの方々に敬意を表しま す。 北澤先生による原発事故調の現在までの経過レヴューは大変興味深かったです。 遅くまで、熱心な議論と心づくしのお料理を堪能いたしました。有難うございました。

石川:
 サイエンスEネットの皆様 先日の記念すべき100回目の例会ではお世話になりました。 特に北澤先生と奥様には会場の提供とおいしいお料理をふるまって頂き感謝してお ります。 驚きと新発見に満ちた皆様の発表を聞き、とても有意義なひと時を過ごすことがで きました。 学校に戻り、この成果を日々の教育活動を通じて生徒に返していきたいと考えてい ます。

成川:
 記念すべき100回目の例会に参加させていただいた川崎の成川です。 当日は、その前の会議が長引いてしまい遅れての参加で失礼いたしました。 楽しい時間で、あっという間にスカイツリーの照明が消える時間になってしまいました。 有意義な時間をありがとうございました。今回、「中学校の理科の授業に使えないか?」と考えながら皆様の発表を聞いていました。 発表を参考に、いくつか実践してみたいと考えています。この結果をまた報告できたらいいと思っています。 本当に楽しい時間をありがとうございました。

税理士の古川晴紀さん:
 今回ご紹介くださったPCレンズ。最近注目されている、人の行動の変化に対応した商品です。これも新しい時間使用の価値観からニーズ をとらえた優れものですね。でも、そのニーズを拾い、やはり理科系技術者がこうすれば有害な光線を遮断できるという知恵から派生した と感じました。今後、価格対応、使いやすさの機能的価値が付加され、その後デザイン性の付加もされ進化しそうですね。屋外でのUV対応 眼鏡アプローチより、強力なニーズとなりますでしょうと感じました。そして、別活用も、期待できるかもしれません。単なる一例ですが 、社会の価値観が(特に震災を経験して)大きく変化している時代に向かっています。私も変化の現場に注目しながら、楽しみたいとつく づく思いました。

台東ビジネス交流会の古川真理さん:
 サイエンスEネットの記念すべき第100回例会に参加できましたことに感謝です。 ありがとうございます。 科学的思考の世界を楽しめました

金井:
 先日は、例会100回記念では、お世話になりました。 皆様の意欲的な発表を聞き励みなり、本は売れないのではなく、読みたい本を作れば読んで貰えると痛感しました。 此れからも高大連携の役に立つ本作りに邁進したいと思います。 また、古川真理さんご提案有り難うございました。 検討させて頂きます。

佐藤:
 埼玉県ふじみ野市鶴ヶ丘小学校の佐藤です。 第100回例会では大変お世話になりました。 興味のあるお話ばかりで、とても楽しく過ごさせていただきました。

藤原:
 店主様,奥様にはいつもながら会場提供と盛りだくさんな料理と飲み物 のご用意いただき,大変お世話になりました,厚く御礼申し上げます。
 数名の方の発表は聞かせたいただきました,教材開発には大変参考になり ます。
 その後時間の都合で例会途中で退席し,ご参加の皆様にはご挨拶しか出来 ず残念な思いでした。
 「骨パズルー関節曲げてパズルで理解」を開発され,今回ご出席いただいた佐藤先生と佐藤先生をご紹介 いただいた二階堂様に厚く御礼申し上げます。
 またご参加の古川様ご夫妻には「新米」をいただきました。
 昨日ご飯として大変美味しくいただきました,有り難うございました。

店主様:
任意団体としてのサイエンスeネットが長期に活動を続け、 さらにNPOとして承認され、100度目の例会とのことで、 「継続は力なり」を感じます。私も一度パナソニックセンター でのサイエンスeネット劇団の公演に参加させて頂いて、皆 さんが大変なイベントを継続してこられたことを知り、あの喜ん だり怖がったりしていた子供たちのこころに残るものを考えて 是非100回を越えてさらに次に向けて続けて欲しいと願う次 第です。
 私は大学時代、その昔旅回りの芸人一座を率いられ、そ の後松竹の社長などもされた松尾國三という立志伝中の人に 育てられました。舞台裏は結構大変なことも多く、芸人さん同士 のいざこざも絶えず、時には土地の勢力との切った張ったもあり、 奥様(スター芸人の一人、私にとっての東京の母)の思い出話 を聞いても「良くやってこられたなぁ」と感慨を覚えるものです。 現代の劇団はもっと近代化されていますが、舞台裏をきちんと 支えられる藤原さんの功績によるところ大と察しております。  
 100回ということは1万人の桁の子どもたちに劇の印象が 届いているのですから、その影響はいずれ国全体に及ぶものと 信じます。  
 例会にはいろいろな立場から多様な社会貢献を志す方々 が集まられ、その発表も多彩で、障害を抱える子どもたちへの 授業のしかたから、理科教育を行う先生方に向けた情報発信、 子どもたちや若者に向けた新たな教材開発、など熱心な紹介 についスカイツリー鑑賞も忘れてしまいました。  
 わたしどもぶんきょうのそばどころも楽しませて頂きました。 今日のサイエンスアゴラも頑張って下さいますよう。

解散は,23時でした。店主さま・女将さま,ありがとうございました。また,来年も,どうぞよろしくお願いします。