2005.9.24(土) 『確率の世界に遊ぶ』  13:00〜15:00
              岡部 恭幸 (大谷女子大学・前神戸大学発達科学部附属住吉中学校)

図形や数についての講座内容が多い中,『確率』というテーマは非常に斬新でひと味違った興味ある内容です。
既に小学校からは確率という概念,また高校では統計分野を学習する機会が無くなり,大学でも扱われなく
なってきています。しかし,世界や社会情勢は全くの逆で必要性を叫ばれており,確率・統計を扱えない
日本人に危機感さえ叫ばれている現状に陥っています。
たった2時間という短い時間でしたが,今回一緒に参加して新たな課題を教師の立場として学んだ気がします。


 準備物 : 各種多面体サイコロ,ワークシート(巻末添付しています),ゲーム性(真剣味)を持たす為の景品飴

本日の講師 岡部先生です。昨年まで中学校の
先生でした。10数年ぶりに小学生相手の授業だ
ということです。
テトラサイコロでを振って,どの目が沢山出るか
予想します。ゲームは3〜4人1組でします。
シミュレーションをしてどの目が出やすいかを目論みます。
(数学を嗜んでいる方は直ぐ分かりますが)小学生にとっては
全く予測がつかないようです。どの目が早くゴールに届くか!

理論では,4面が均等に出るとすればどの目に賭
けても良いのですが,子供には大きい目が出や
すいと勘違いするようですね。
一生懸命出た目の回数を記録しています。 各班で実践した記録を書きにきて,実感させて
から『確率』について説明。


別の多面体のサイコロ(テトラサイコロが好ましい)
を選んで・・・
ランダムウォークゲームをして,2回振った時どの
目に止まりやすいかどうかを探ります。(ex偶数の
目が出たら正,奇数の目ならば負)
全体会場の様子

                                ※反復試行の問題ですが,高校では経験させずに理論のみで定着
                                 させます。ただ実感や経験がない。イメージを小学校から継続して学んで
                                 おれば少しはましなのですが,相当な低い認識(直観力の無さ)となって成長していることに
                                 気づいたこともありました。

                                 

実感があるせいか,意見が非常に活発です!! 何故”0”に落ち着くかの説明です。 休憩中に先生に議論を申し込む!(小5)


  加熱を帯びたゲームもあっという間に時間が過ぎてしまいました。   ここで休憩

2つのテトラサイコロを使って,その和について
どれに賭ければ勝利(飴)を得ることができるでし
ょうか。
子供には負けじと密かに計算しているお母さん
ちゃっかり作戦を練ってはります。
なんか異様な闘いになってきました。無茶苦茶
真剣です!!(賭けている位置が山勘??)


何故真ん中の値に賭ければ得なのかの説明をし
ています。
「待って!私はこう思います。」と先程の補足説明
をしてくれました。
数え上げたデータの集計分析とこちらの説明が
大凡一致することを確認して終了


「いろんなゲームを作る」ことまで視野に入れておられましたが、生徒の活動が豊かな本当に楽しい授業でした。
2つのテトラサイコロを振ったゲームで高校生(いやぁ大学生も)でも,絶対大きい値になる所に賭ける生徒が多いみたいです。
すぐに直感が働かないという理論と実践(実体験)が結びついていない点として目から鱗です。
岡部先生が「大体小学校5年生位からこの感覚(認識)は芽生え始めるんだよ」と説明して頂きましたが,初めて会う先生に初めて習う内容に
どんどん定着して成長して行く姿は圧巻でした。私の周辺生徒(小5)では本当に見事的中でした。
高校からでの育成は手遅れ?なのでしょうか・・・。


※当日の使用プリント(word形式)です。(←クリックしてください。)

                                                                了