2014年4月26日(土)

                     「約分」−強敵への挑戦−
                  2014岐阜大学

                        京都府立嵯峨野高等学校 中井 保行 先生                   

快晴の下、公開講座がスタートしました。当初の許容人数を大幅に超え、しかも小学校5年生〜中学校2年生まで、さらに保護者の方達も
入れれば、60名近くの受講生となりました。少しでも新たな体験・発見にも繋がるように、講師の先生による試行錯誤された工夫が妙味です。
授業の様子や流れが分かるようにしますから、ゆっくりご覧ください。                                    使用教材
 

@ 挨拶と導入
使用教材 をクリックして下さい。
A プリント配布 。(1)〜解いていきましょう。小学5年生の中には「約分って何ですか?」という質問もあり、スタッフの院生さんにも指導補助を手伝ってもらいました。
習っている、知っているという個人差はありますが、ゆっくり説明して理解してくれました。
B 約分とはどうすることか
(5)番になると、分母と分子を共通に割り切れる数が見つけにくくなります。そこで、先生はコツを伝授することにしました
C 約分はどこでSTOPすればいいのか

分母と分子が共通に割れ切れる数を選ぶために、「素数」の仲間を考えることにしました。
どうやら、それらの数を見つけて割り切れることを確認できれば良いですが..
  D 倍数の判定

写真は5で割り切れる数は、一の位が0か5であるという帰納的な証明ですが、普段の学習でも実感していたので理解しやすかかったようです。
(11)番になると分母と分子が共通に割りきれる数字が見つかりません。3で割り切れるコツは、「各位の数字を全部加えて、3の倍数になる」ことを学びました。その理由もしっかり教えてもらい、9の倍数も同じことだよということなのです。 「4の倍数は下二桁が4の倍数になれば、その整数は4の倍数となります」と発言した参加者がいて、「おっ」。

 じゃあ8の倍数は?
理由は?
に対して、負けじと解答する別の参加者も登場。
(13)(14)までは、分母分子共通で割れる素数は、小さい数字から順番に当てはめていけば、発見できそう。(15)番になるとそう容易く見つかりません。
「どうしたら良いでしょう?」
会場の方からの呟き...「分母と分子の引き算をしてみては?」

ユークリッドの互除法の登場
ユークリッドの互除法の理屈はおいといて、とりあえず、その方法で約分してみましょう。あらよ、あらよと...。

最後は、参加者の代表が問題を考えて、出題です。

                              『全体を通して』

 「約分って何?」という自信のないところから、共通因数(公約数となる素数)を見つけるところまで、頭が熱くなる位考えた2時間でした。まだ、習っていない内容や教養として知っておいた方が良い内容もあり、参加者の皆さんはそれぞれ独自に違った達成感があったと思います。
 ユークリッドの互除法については、使用教材に載っていますが、アルファベットの文字式なので小学生には分かりづらいでしょう。
 大学院生のお兄さん・お姉さん達に「小学生にも分かるユークリッドの互除法を使った約分の方法」をまとめてくれると思いますので、
しばらく掲載は待って下さい。                                        

最後は、講師からの「自作の絵はがき」配布に、喜んで飛びつく参加者の皆さん。
『一番元気が出たのがこれかい?』と一言