2014年7月12日(土)

                   ○×ゲームを考えよう
                     2014岐阜大学

                        京都府立桃山高等学校 中村 啓介 先生                          

推薦して頂いた布武で,お食事を済ませました!ハーブ奏者のミニコンサートを聞きながら,松花堂弁当を味わうという変わった
シチュエーションでしたが,美味しかったぁ〜。次回も是非昼食場所の
お薦めを楽しみにしています。


さて本日は、離散数学の分野です。

お馴染みの○×三目並べゲーム。先手○・後手×を交互に1マスずつ 置く。さて,
先手が必ず勝か?後手が絶対勝てる方法はあるのか? (「決着つきません」と多数が挙手) 
ルール改正盤を広げて,写真の左上図
の4マスの図形が出来たら勝ち!


【テーマ】普通は先手が有利だけれど,後手が粘れば勝負がつかない形があるはずである。それを見つけよう!
                          

1マスを「セル」と名付けて,セルでできる図形は,「裏返し」「回転」をしても同じ図形であると考えることにします。

【1セル】 は先手が打った瞬間勝ち! 【2セル】 は先手→後手→先手となり、必ず何処かで2つ繋がるから先手の勝ち

【3セル】 も先手が先に必ず作れる。 も先手が必ず先に作れる。他に3セルでできる図形はあるでしょうか?

4セルのときは,何通りあるか。考えてみようよ。     答え 5通り 4セルで勝負が付かない図形がどれなのかを見つけるた
めに対戦しよう!!  (仲むつまじく議論が始まりました)

5セルの場合も,6セルの場合についても、

@「異なる形が全部で何通りできるのか」

A「対戦したときに,先手も後手も絶対に作れない図形は,@の中のどの図形なのか」


を考えることにしました。


4セルの場合
 この図形のみです。  5セルの場合は、@は12種類,Aの図形は@の図形のうち9つあります。
                      6セルの場合は,@は34種類,Aの図形は@の図形のうち33個は分かっているのですが,

 は唯一未解決らしい。       へぇ〜、ほぉぅ〜、と感嘆の声がチラホラ

             ※ここで裏話ですけれど,
               が抜けていたらしい。6セル場合は,全部で35種類でした。皆さんは、ちゃんと数えた?

 ●先手であろうが後手であろうが,絶対に勝とうとするのではなくて、絶対に負けないように工夫すれば良い。
 「勝負の決着」が付かないように戦略を練るのも1つの生き方です。                           
 【畳敷き戦略】   のように2セルで1枚の畳。後手は先手が色を塗ったもう一マスを必ず塗る作戦。

ルール変更をしてオリジナル三目並べを作りましょう! 受講生の独特な発想と柔軟なアイデアは、
先生でも太刀打ちできません。こんなルールを良く思いつきますねぇ

色々な例を紹介してもらい,どんどん可能性が広がっていくことが分かりました。式の計算ばかりをしているのだけが、算数・数学では
ありません。
しっかりした戦略を立てて考えていく【論理思考力】も算数・数学を学ぶ価値なんです。

    当日の資料      夏の自由研究に如何ですか?     

参考・引用文献:
1)2011年組合せゲーム・パズルミニプロジェクト
2)本田耕一,「一般化三目並べの拡張における勝敗判定に関する研究」,東北大学大学院情報科学研究科,2011